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話し合い
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美優は結城からの贈り物の犬に結と名前を付け可愛がった。
結は賢い犬でしつけは簡単だった。
美優の傍を片時も離れずまるで主を守っているようにも見えた。
悠里はその様子を微笑ましそうに眺めていた。
「結は美優様のことが大好きなのですね」
そう言いふふふっと悠里は笑った。
悠里は美優のことをとても可愛がっていた。
美優も悠里をしたていて二人は姉妹のように仲が良かった。
「悠里さん、結はとっても可愛いですね~」
「お二人ともとてもお可愛らしいですよ」
「もう、私のことは良いの。自分の容姿がどの程度か知っているんだから」
そう言い美優は顔を真っ赤にして恥ずかしがった。
「美優様はもう少しご自分に自信をお持ちになられた方がよろしいかと・・・」
「え?」
「美優様は可愛らしい方です!私が保証します!!」
美優の肩を掴んでそう言った。
その力強さに一瞬怯みそうになった。
「あら、嫌だわ。わたしったら」
「・・・悠里さん、ありがとう」
そう言って笑う美優はすごく魅力的だった。
美優は知らず知らずのうちに人を惹きつけるようになっていっていた。
その理由は分からないが少なくとも、それは側近の紀藤も言っていたことだった。
「あの、結城王からお聞きしたんですが、何かご不安なことがあると・・・」
「あっ・・・もう大丈夫です。月のものの影響で少し弱気になっていたみたいで、うっかり口を滑らせてしまって・・・」
「じゃあ、やっぱり何かご不安なことがあるんですね?」
悠里は美優の手をぎゅっと握ってくれた。
「・・・はい」
「私にもお話しできないことですか?」
美優は首を横に振り否定した。
「私、本当に結城様とつり合えるのか不安で・・・」
「え?」
悠里は心配そうに俯く美優の顔を覗き込んだ。
「結城様は立派な王様なんですよね?そんな方の横に私がいてもいいのかなとかいろいろ悩んだりして・・・直接本人にも聞けないし・・・」
ふぅっと悠里がため息をついて言った。
「・・・と申してますがどうなんですか?結城王?そこにいらっしゃいますよね?」
悠里がそう言うとおずおずと部屋の中に入ってきたのは結城だった。
「結城様!?何でこんな昼間にここへ・・・!?」
それこそ愚問だった。彼は度々公務を抜け出し、昼夜問わず美優の元へやってきていたのだった。
「悠里・・・図ったな」
「何の事でございましょう」
「俺がそこにいたこと知っていただろう?」
「ええ、存じ上げておりました。これは鳳凰の間の時の仕返しでございます。席を外しますので、お二人で話し合ってくださいませ。くれぐれも美優様を傷つけたりなさらないでくださいね」
にっこり笑い、二人を残し結を連れ悠里は部屋から出て行った。
パタンと戸が閉まった。
「・・・」
「・・・」
暫く重たい沈黙が二人を包みこむ。
はぁーっと結城が重たいため息をついた。
そして頭をガリガリ搔きながら言った。
「やっぱり俺が原因だったじゃないか」
「いえ、直接の原因というわけではなくて・・・」
「何だ、はっきり言え」
その言葉に一瞬体がビクついた。
(結城様怒ってる・・・?)
「結城様はこの国の王です。そんな方の隣にいるのが私なんかで良いのか急に不安になりました・・・」
「美優、前も言ったよな。そんな女を下げるような物言いをするんじゃない」
「あっ、すみません」
「別に謝ってほしくはない。俺がお前を選んだことが不満なのか?」
「違います!!私は選ばれて嬉しかったです」
美優が慌ててそう言うと結城はニッと満足そうに笑って見せた。
「ならば何の不安がある?俺はお前が良い。他の女など今更いらない。お披露目の儀が遅れているから不安になったのか?」
「・・・はい。私では役者不足なのではと思って・・・」
美優は正直に答えた。
「わかった。・・・美優確認するがお前は俺の事、愛しているか?」
(あ・・・あい・・・!!)
突然問われ美優は戸惑った。
「・・・愛・・・しています」
美優がそう答えると何も言わず結城は部屋から出て行ってしまった。
(どうしよう怒らせてしまった・・・?)
美優はショックで泣き始めた。
そこに悠里が戻ってきて泣きじゃくる美優を抱きしめてくれた。
足元には結が心配そうに美優に纏わりついている。
暫く美優は泣き続けた。
結は賢い犬でしつけは簡単だった。
美優の傍を片時も離れずまるで主を守っているようにも見えた。
悠里はその様子を微笑ましそうに眺めていた。
「結は美優様のことが大好きなのですね」
そう言いふふふっと悠里は笑った。
悠里は美優のことをとても可愛がっていた。
美優も悠里をしたていて二人は姉妹のように仲が良かった。
「悠里さん、結はとっても可愛いですね~」
「お二人ともとてもお可愛らしいですよ」
「もう、私のことは良いの。自分の容姿がどの程度か知っているんだから」
そう言い美優は顔を真っ赤にして恥ずかしがった。
「美優様はもう少しご自分に自信をお持ちになられた方がよろしいかと・・・」
「え?」
「美優様は可愛らしい方です!私が保証します!!」
美優の肩を掴んでそう言った。
その力強さに一瞬怯みそうになった。
「あら、嫌だわ。わたしったら」
「・・・悠里さん、ありがとう」
そう言って笑う美優はすごく魅力的だった。
美優は知らず知らずのうちに人を惹きつけるようになっていっていた。
その理由は分からないが少なくとも、それは側近の紀藤も言っていたことだった。
「あの、結城王からお聞きしたんですが、何かご不安なことがあると・・・」
「あっ・・・もう大丈夫です。月のものの影響で少し弱気になっていたみたいで、うっかり口を滑らせてしまって・・・」
「じゃあ、やっぱり何かご不安なことがあるんですね?」
悠里は美優の手をぎゅっと握ってくれた。
「・・・はい」
「私にもお話しできないことですか?」
美優は首を横に振り否定した。
「私、本当に結城様とつり合えるのか不安で・・・」
「え?」
悠里は心配そうに俯く美優の顔を覗き込んだ。
「結城様は立派な王様なんですよね?そんな方の横に私がいてもいいのかなとかいろいろ悩んだりして・・・直接本人にも聞けないし・・・」
ふぅっと悠里がため息をついて言った。
「・・・と申してますがどうなんですか?結城王?そこにいらっしゃいますよね?」
悠里がそう言うとおずおずと部屋の中に入ってきたのは結城だった。
「結城様!?何でこんな昼間にここへ・・・!?」
それこそ愚問だった。彼は度々公務を抜け出し、昼夜問わず美優の元へやってきていたのだった。
「悠里・・・図ったな」
「何の事でございましょう」
「俺がそこにいたこと知っていただろう?」
「ええ、存じ上げておりました。これは鳳凰の間の時の仕返しでございます。席を外しますので、お二人で話し合ってくださいませ。くれぐれも美優様を傷つけたりなさらないでくださいね」
にっこり笑い、二人を残し結を連れ悠里は部屋から出て行った。
パタンと戸が閉まった。
「・・・」
「・・・」
暫く重たい沈黙が二人を包みこむ。
はぁーっと結城が重たいため息をついた。
そして頭をガリガリ搔きながら言った。
「やっぱり俺が原因だったじゃないか」
「いえ、直接の原因というわけではなくて・・・」
「何だ、はっきり言え」
その言葉に一瞬体がビクついた。
(結城様怒ってる・・・?)
「結城様はこの国の王です。そんな方の隣にいるのが私なんかで良いのか急に不安になりました・・・」
「美優、前も言ったよな。そんな女を下げるような物言いをするんじゃない」
「あっ、すみません」
「別に謝ってほしくはない。俺がお前を選んだことが不満なのか?」
「違います!!私は選ばれて嬉しかったです」
美優が慌ててそう言うと結城はニッと満足そうに笑って見せた。
「ならば何の不安がある?俺はお前が良い。他の女など今更いらない。お披露目の儀が遅れているから不安になったのか?」
「・・・はい。私では役者不足なのではと思って・・・」
美優は正直に答えた。
「わかった。・・・美優確認するがお前は俺の事、愛しているか?」
(あ・・・あい・・・!!)
突然問われ美優は戸惑った。
「・・・愛・・・しています」
美優がそう答えると何も言わず結城は部屋から出て行ってしまった。
(どうしよう怒らせてしまった・・・?)
美優はショックで泣き始めた。
そこに悠里が戻ってきて泣きじゃくる美優を抱きしめてくれた。
足元には結が心配そうに美優に纏わりついている。
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