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誕生の儀
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無事子供も生まれ、美優の体も回復してきた。
結城はその様子を見てほっと胸をなでおろした。
美優は子供が可愛くてたまらない様だった。
片時も離れず、眺めて、世話をしている。
本当なら乳母の仕事なのだが自分が元いた国では親が子供の面倒を見るものだと主張してきたのでそのようにさせている。
(俺は美優と早くいちゃいちゃしたいのに・・・)
美優は子供に夢中で結城のことは後回しにしていた。
子供を大事にしてくれるのは嬉しいが、俺も構ってほしい。
それが結城の本音だった。
明日はいよいよ”誕生の儀”だ。
衣装はもう選んでいるし、心配することは何もないだろう。
結城は美優の部屋の前で部屋に入るかどうか迷っていた。
子供の名前は今日決めてきた。
この世界では子供の名前は父親が決める。
美優にそれを言うと少し残念そうだった。
子供の性別は男子。
美優は王子を産んでくれた。
例え姫でも世継ぎには変わりない。
この世界は性別関係なく王位に就くことができる。
「美優、入るぞ」
「結城様、お帰りなさい」
美優は子供を抱きかかえ出迎えてくれた。
「子供の名前を決めてきた」
「・・・はい」
「優也だ。お前の名前の一文字からとった優しくて強い王になるようにと思い、つけた名だ」
「優也、素敵な名前ですね」
美優は喜んでくれた。
「優也ですか」
そう話しかけたのは悠里だった。
「結城王にしてはまともなお名前ですね」
「・・・相変わらず失礼な事を言うな。同じようなことを紀藤にも言われたぞ」
「明日は”誕生の儀”ですね。私は何をしたらいいんですか?」
美優は結城にそう問いかけた。
「お前は優也を抱いて俺の隣で微笑んでくれていればいい」
「はい。わかりました。少し緊張するけど頑張ります」
美優は力強くそう言った。
「悠里はなるべく大人しくしておけよ。後始末が大変だからな」
「いやですわ、私何も致しませんよ」
そう言い悠里は笑っていたが目が笑っていなかった。
きっとまた美優が何か言われるたびにコトを起こすだろう。
そう考えると少し頭が痛む。
翌日、”誕生の儀”が行われた。
「国王様おめでとうございます」
「王妃様おめでとうございます」
「御子様に祝福を」
と国民たちが祝福してくれた。
式典は滞りなく終わり、世継ぎを産み国母となった美優に何か言う者もいなかった。
美優はほっとした。
「美優様お疲れ様でした」
「はい。緊張疲れしました・・・」
「今夜は二人きりでお過ごしください」
悠里が乳母と共に優也を預かってくれることになった。
美憂は湯あみを済ませベッドに横になった。
「はぁー疲れた・・・」
「美優お疲れ様」
「結城様もお疲れ様でした」
そう言い美優に覆いかぶさりキスしてきた。
「久しぶりにいいだろう?」
「・・・はい」
二人は向き合い抱き合いながらキスをした。
そうしていつものように美優の体に触れ始めた。
二人の体が徐々に熱くなる。
出産してから初めての行為だった。
久しぶりすぎて美優は恥ずかしがっている。
その反応がやはり可愛く見え、愛おしくて仕方なくなる。
美優は心地よい感覚に身をゆだねた。
行為が終わった後美優がおもむろに話しかけてきた。
「結城様」
「どうした?美優?」
「優也が将来どういう娘さんを連れてくるか楽しみですね」
「ああ、俺のようにいい女と巡り合えればいいがな」
その言葉に美優は顔から火が出そうになった。
「もう、そういうことは良いですからー・・・」
「どんな形であれ両想いになれるといいな」
「はい」
そうして二人は優也の将来のことを楽しみにしながら眠りについた。
結城はその様子を見てほっと胸をなでおろした。
美優は子供が可愛くてたまらない様だった。
片時も離れず、眺めて、世話をしている。
本当なら乳母の仕事なのだが自分が元いた国では親が子供の面倒を見るものだと主張してきたのでそのようにさせている。
(俺は美優と早くいちゃいちゃしたいのに・・・)
美優は子供に夢中で結城のことは後回しにしていた。
子供を大事にしてくれるのは嬉しいが、俺も構ってほしい。
それが結城の本音だった。
明日はいよいよ”誕生の儀”だ。
衣装はもう選んでいるし、心配することは何もないだろう。
結城は美優の部屋の前で部屋に入るかどうか迷っていた。
子供の名前は今日決めてきた。
この世界では子供の名前は父親が決める。
美優にそれを言うと少し残念そうだった。
子供の性別は男子。
美優は王子を産んでくれた。
例え姫でも世継ぎには変わりない。
この世界は性別関係なく王位に就くことができる。
「美優、入るぞ」
「結城様、お帰りなさい」
美優は子供を抱きかかえ出迎えてくれた。
「子供の名前を決めてきた」
「・・・はい」
「優也だ。お前の名前の一文字からとった優しくて強い王になるようにと思い、つけた名だ」
「優也、素敵な名前ですね」
美優は喜んでくれた。
「優也ですか」
そう話しかけたのは悠里だった。
「結城王にしてはまともなお名前ですね」
「・・・相変わらず失礼な事を言うな。同じようなことを紀藤にも言われたぞ」
「明日は”誕生の儀”ですね。私は何をしたらいいんですか?」
美優は結城にそう問いかけた。
「お前は優也を抱いて俺の隣で微笑んでくれていればいい」
「はい。わかりました。少し緊張するけど頑張ります」
美優は力強くそう言った。
「悠里はなるべく大人しくしておけよ。後始末が大変だからな」
「いやですわ、私何も致しませんよ」
そう言い悠里は笑っていたが目が笑っていなかった。
きっとまた美優が何か言われるたびにコトを起こすだろう。
そう考えると少し頭が痛む。
翌日、”誕生の儀”が行われた。
「国王様おめでとうございます」
「王妃様おめでとうございます」
「御子様に祝福を」
と国民たちが祝福してくれた。
式典は滞りなく終わり、世継ぎを産み国母となった美優に何か言う者もいなかった。
美優はほっとした。
「美優様お疲れ様でした」
「はい。緊張疲れしました・・・」
「今夜は二人きりでお過ごしください」
悠里が乳母と共に優也を預かってくれることになった。
美憂は湯あみを済ませベッドに横になった。
「はぁー疲れた・・・」
「美優お疲れ様」
「結城様もお疲れ様でした」
そう言い美優に覆いかぶさりキスしてきた。
「久しぶりにいいだろう?」
「・・・はい」
二人は向き合い抱き合いながらキスをした。
そうしていつものように美優の体に触れ始めた。
二人の体が徐々に熱くなる。
出産してから初めての行為だった。
久しぶりすぎて美優は恥ずかしがっている。
その反応がやはり可愛く見え、愛おしくて仕方なくなる。
美優は心地よい感覚に身をゆだねた。
行為が終わった後美優がおもむろに話しかけてきた。
「結城様」
「どうした?美優?」
「優也が将来どういう娘さんを連れてくるか楽しみですね」
「ああ、俺のようにいい女と巡り合えればいいがな」
その言葉に美優は顔から火が出そうになった。
「もう、そういうことは良いですからー・・・」
「どんな形であれ両想いになれるといいな」
「はい」
そうして二人は優也の将来のことを楽しみにしながら眠りについた。
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