いつの間にか魔王の花嫁にされてしまいました

えりー

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まゆの望みと結ばれる二人

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まゆはまだ傍らでねむっている。
ジオンはまゆの望みが何かもうわかってしまった。
しかし、それを口にしてしまえばどうなるかわからない。
今の生活を送るのは難しくなるだろう。
まゆに選択を迫らなくてはいけなくなってしまう。
人間界で暮らすか一緒に魔界に行くか・・・。
人間界で暮らすことは難しくなるだろう。
そうなると本当の望みを叶えたことにならない。
だが、ずっと今のままいるわけにはいかなかった。
魔界では魔王としての役割がある。
悩んだ末ジオンはまゆに話してみることにした。

「まゆ、ちょっといいか?」
「何?」
まゆは家の掃除をしている途中だった。
その途中で呼び止められた。
ジオンは近づいてきたまゆの手を引き、抱きしめてソファの上に座った。
まゆは少し驚いた表情をしている。
「な・・・何?どうかしたの?」
「俺はお前の本当の望みが分かってしまった」
「!」
まゆは驚き呆然とした。
「お前の本当の願いはー・・・自分を強く求めてくれる存在だな?」
「・・・」
まゆは答えなかった。
肯定ととっていいだろう。
「俺がお前を強く求める時だけ目が黒味がかった」
「・・・うん、あまり自覚は無いけどそうかもしれない」
(漠然とした望みが暴かれた感じがする)
まゆはジオンの膝の上に座ったまま俯いた。
「俺は魔王だ」
「うん、知っているよ」
(魔界に戻っちゃうんだよね?)
「魔界に帰らねばいけない」
まゆの肩が小刻みに震えだした。
そんなまゆの体をジオンが抱きしめた。
「俺はまゆと離れたくない。傍にいて守りたい」
まゆは顔を上げてジオンを見上げた。
「でも、それじゃあどうするの?」
「ああ、だからお前に選ばせようと思う」
「選ぶ?」
まゆは小首をかしげた。
「人間界に残って、ジンに守られながら過ごすか俺と魔界に行き花嫁となるか」
まゆは真剣な眼差しでジオンを見つめた。
「ジオンはどうなの!?」
「俺?」
いつもは冷静なまゆが声を荒げ、ジオンは少し驚いた。
「成行きの花嫁を本気で愛せるの!?」
「・・・俺がどれだけ我慢しているのかも知りもしないで・・・」
そうぼそっと呟き噛みつくようなキスをまゆの小さな唇へ落とした。
まゆはあまりにも荒々しいキスに驚き息も絶え絶えになった。
くたりと崩れ落ちたまゆの体を抱きなおし、首元にもキスをした。
くっきりと跡が付くくらいのキスだ。
「いつも触れるだけでどれくらい我慢していたと思っている!」
「え?」
そう言うとジオンはまゆの服を脱がせにかかった。
「ひっ、ま、待って」
「俺の気持ちを疑った罰だ」
ジオンは行為をやめるつもりはないようだ。
「まゆ、もう俺のものになってくれないか?」
「・・・わかった・・・どうしたらいい?」
今から行われる行為に戸惑いを隠せないまゆは焦っていた。
「俺は本気でお前が欲しい。何があっても動かず逃げないで俺を受け入れてくれればいい」
「~っわかった」
まゆは目に涙をためて、ジオンに自分からキスをした。
「あんまり煽らないでくれ」
「あおる?」
「無意識か・・・?性質わりぃな・・・」
まゆは半裸のままベッドへ連れて行かれた。
「まゆ、今からすることは初めはとても痛いと思うが大丈夫か?」
(やめる気ないくせに・・・)
まゆは心の中で悪態をついた。
半分は八つ当たりだ。
でも本気で自分なんかを求めてくれていることが嬉しかった。
キスを繰り返すごとにジオンの瞳に黒色が戻る。
(ああ、本当に私は何てものを望んでいたのだろう。自分だけ見て求めてくれる存在なんて・・・)
キスがまた深いものになる。
気が付くと生まれたままの姿にされていた。
(手際が良いな・・・慣れているのかな)
「ジオン、手際が良いね・・・魔界じゃ何人の女の人としたの?」
「・・・情けない話だが俺はお前が初めてだ」
まゆはその発言に驚いた。
「うそ・・・だって魔王でしょう?」
「魔王だから迂闊に女と関係なんて持てないんだ」
「?」
(良く分からないけどそういうものなのかな?)
「いいか?始めるぞ?初めてだからうまくできるかわからんが」
まゆは言われた通りじっとし布団のシーツを掴んだ。
ジオンは自分の来ていた服を全て脱ぎ捨てた。
ぴちゃっと耳を舐められた。
それだけでぞくりとした。
ジオンの舌は首筋を這い徐々に下肢を目指していく。
「んっ、あ、あぅ」
くすぐったいのか気持ちいのかよくわからない感覚がまゆを襲う。
何度も繰り返されるうちに気持ちいいと感じるようになってきた。
ジオンの手がまゆの胸を揉みしだく。
「あ、や・・・」
「嫌がってもやめない」
ジオンはちゃんと濡れているか確認するためにまゆの一番大事なところに指を滑り込ませた。
「ひぅ!」
「あまり濡れていないな」
指で花芯に刺激を与えながら蜜壺の入口を入念にほぐしていく。
両膝裏を持ち上げ、まゆの大事なところは呆気なく晒された。
本当に恥ずかしくて逃げ出したい気持ちになった。
指をいきなり突っ込むわけにはいかなかったので蜜壺の入口をジオンは舌を使い入念にほぐす。
「ジオン・・・怖い」
「大丈夫だ。閨での作法は習得している」
「・・・うん」
まゆの体中に愛撫を施していく。
すると滑り気のある愛液が蜜壺から少しずつ出てきた。
「指を入れるぞ」
「うん」
慎重に入れていく。
「痛いか?」
まゆは異物感は強く感じたが痛くはなかった。
「指を少しずつ増やすぞ」
もう一杯一杯でまゆは返事もできなくなっていた。
くちゅくちゅと蜜壺をかき回す卑猥な音が耳に聞こえ、羞恥で消えてしまいたくなった。
ジオンの指が3本ようやく入る頃になった時、もうジオンの方が限界だった。
早くまゆと一つになりたい気持ちでいっぱいになっていた。
ジオンはゆっくり指を3本蜜壺から出すと、昂っている自分のモノを少しずつまゆの中に入れていった。
指とは比べものにならないほどの圧迫感だった。
「いたっ!!痛いー・・・!!」
何かに阻まれたのを感じたがジオンは一気に蜜壺の中に自分のモノを押し込んだ。
「・・・っきついな・・・」
まゆはあまりの痛さで暴れたくなったがジオンに心配をかけたくなかったのでシーツをぐっと握ったまま痛みに耐えた。
「動くぞ」
そう言いジオンは腰を振り始めた
「ひぁん」
その度に痛みと甘い疼きが下腹部に感じられた。
初めは痛みだけだったものが徐々に甘い疼きとなってまゆを襲い始めた。
まゆは喘ぎ、声を上げる事しかできなかった。
「ジ、ジオン・・・」
まゆはジオンの名を自然に呼んだ。
ジオンはまゆの涙を舌先で舐めてやった。
「まゆ愛してる。一生大切にすると誓うから俺だけのものになってほしい」
「私もジオンの事・・・大好き」
まゆは愛を知らないので背一杯の気持ちを込め、大好きと言った。

まゆは気が付くといつの間にか行為は終わっていた。
どうやら途中で気絶したらしい。
「まゆ、具合はどうだ?」
「アソコが痛い」
「今日はゆっくり安静だな」
(今、言わなくちゃ・・・)
「・・・ねぇ、私もジオンの傍にいたい」
「じゃあ、魔界で生活するのか?」
ジオンの声音は嬉しそうだった。
「待って、一晩考えさせて?」
「そうだよな・・・そう簡単に人間界を捨てられないよな」
「ごめんなさい・・・」
そう謝るとジオンはまゆの頭を撫でた。
2人は暫く抱き合い、今日は別々の寝室で休むことになった。
別れ際にジオンは言った。
「明日また色々な話をしような。無理させて悪かった」
言いながらまゆのサラサラな栗色の髪を撫でた。

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