いつの間にか魔王の花嫁にされてしまいました

えりー

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最終話

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最近ではまゆに魔界の村々から贈り物が届いている。
そんな事をしてもらうと何だか申し訳なくなる。
まゆはジオンのように城で仕事をしているわけではない。
しかし金と銀の卵の噂は魔界中に広がっている。
皆、自分たちより位の高いまゆを敬っている。
「・・・はぁ・・・」
まゆは溜息をついた。
何故こんな事になったのか。
チラリとまだ孵化しそうにない卵に目をやる。
卵は少しずつではあるが日々大きくなっていっている。
元の人間界には帰りたいとは思わないけれど、今のままでいいのか悩み始めていた。
そんなまゆを見たジオンはまゆに教師をつけることにした。
少しでも魔界について知ってもらう為だった。
魔界は複雑な関係で成り立っている。
まゆはまず、ずっと疑問に思っていた事を口にした。
「先生、はぐれ魔族はどうなったんですか?」
以前自分を襲ってきた魔族たちがどうなったのかまゆは詳しく聞かされていなかった。
「・・・ジン様に全て処刑されました。本当に全てかどうかはわかりかねますが」
「?生き残りがいるって行くことですか?」
「はい、彼らはしぶといので・・・」
(じゃあ、完全に安全というわけではないのね・・・)
「それでは卵はいつ孵るんですか?」
まゆは次から次へと質問していた。
「その卵は魔王様とまゆ様の魔力の交わりが深ければ深いほど早く孵化いたします」
(魔力はどうやって交わるのだろう?)
「今日の授業はここまでに致しましょう」
「はい、ありがとうございました」
まゆはそう言いお辞儀をした。
その姿を見た教師はまゆに下々のものに頭を下げるべきではないと注意してきた。
まゆは何もかも違う世界に少し戸惑いを覚えた。
「ジオンが部屋に戻ってきたら、聞いてみよう」
(どうやって魔術が交わるのか気になるもん)
それに毎日傍にある卵にまゆは愛着を感じ始めていた。
「早く孵化してね?」
そういい大きくなった卵を抱きしめた。

その晩疲れ切ったジオンが部屋に帰ってきた。
「ジオン、お疲れ様」
「ああ、今日は宰相が厄介な仕事ばかり持ってきて疲れた・・・」
そういいまゆを抱きしめた。
まるで甘えているようだった。
そんなジオンが愛おしくて抱きしめた。
「まゆ、今日の授業はどうだった?」
「うん、色々学べて楽しかったよ」
まゆは正直に答えた。
そしてジオンにお願いすることにした。
「あの、ジオン!私早く卵を孵化させたいの」
「何?何故早く孵化させたい?」
ジオンが卵を片手に取った。
「何が生まれてくるのか早く知りたいの」
「放っておいても勝手に孵化するのにか?」
「うん」
ジオンはあまり気乗りしていなさそうだった。
「まゆが望むならいいぞ。今から孵化させよう」
「え・・・良いの?」
「ああ、ただ明日は俺は1日休むがな」
「?」
この時のまゆには分らなかったが卵を孵化させることはとても魔力を要するものらしかった。
「じゃあ、始めるぞ。まゆは右手を卵にかざせ」
「うん」
ジオンもまゆの手の上から卵に手をかざした。
まゆにも感じ取れるほどの強い魔力が2人の手から卵に注がれていく。
次第に卵はひびが入り、割れた。
「わ・・・割れた・・・」
中には小さな金と銀の竜が2匹入っていた。
「はじめまして、私はまゆだよ?」
まゆがそう語りかけると生まれたばかりの竜たちはまゆに甘え始めた。
生まれたばかりの竜がとても可愛くてまゆは笑顔でジオンにお礼を言おうと振り返った。
するとジオンはベッドでうつ伏せになり倒れていた。
「ど・・・どうしたの!?」
まゆは急いでジオンの元へ駆け寄った。
するとジオンは既に眠りに落ちていた。
それから丸1日ジオンは目を覚まさなかった。
「そっか・・・私に負担をかけないようにしてくれていたのね・・・」
ジオンはまゆの魔力より多くの魔力を使ったのだった。
(こんなに衰弱するのなら言ってくれたら良かったのに・・・)
そう思いながらジオンの綺麗な黒髪を撫でた。
まゆはジオンの統治する魔界に来てよかったと思っている。
「待っててねすぐ大人になるから」
そう言い愛しい人にキスをした。
すると竜達もまゆにキスをした。
(幸せだな)
幸せを感じながらまゆもジオンの隣でひと眠りすることにした。
少しずつではあるがまゆは魔界に慣れていった。
これからもジオンの隣にいるために努力しようと誓った。
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