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翌日
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翌朝、目を覚ますと隣に信彦が寝ていた。
彰浩はとなりで寝ている信彦にバレないようにこっそり家に帰った。
幸い手錠はされていなかった。
だからすんなり帰ることが出来たのだ。
少し罪悪感があったがどんな顔をして会えばいいかわからなかった。
今日は学校は休むつもりだ。
好きだと言って欲しいと思うのは欲張りだろうか・・・。
もう完全に一線を越えてしまった。
一体これからどうやって付き合っていけばいいのか・・・。
考えても仕方がないが考えずにはいられなかった。
もうあの心地よい関係には戻れないのだろうか。
そう思うと少し悲しくなった。
家に帰りつき、ベッドへ倒れ込んだ。
まだ体中が痛い。
しかし、信彦に抱かれて嬉しかった。
(・・・手錠と鎖には驚いたが)
そして彼女がいないという事がわかって嬉しかった。
早く元の関係に戻れればいい。
セックスする仲よりキス止まりの仲のほうがきっとお互いの為だ。
信彦が何故あんなことを自分にしたのかはよく分からない。
”ずっと抱きたかった”としか言ってもらえなかった。
それは恋愛感情なのだろうか?
自分も抱かれたかったから良かったが、このままずっと信彦を避け通せる自信がなかった。
彼は避けても追ってくるだろう。
その日は一日体を休めるために使った。
夕方になるとインターホンが鳴った。
母は看護師をやっていて今日は夜勤。父親はいない。兄妹もいない。
仕方なく重たい体を動かし、玄関へ向かった。
玄関を開けると信彦が立っていた。
慌てて玄関を閉めようとすると信彦の靴が玄関の戸に挟まっているのを見つけた。
「痛いだろう!ドアを開けろ。彰浩」
彰浩は仕方なく信彦を家へ入れた。
「・・・今日学校に来なかったな」
「体がまだだるくて・・・」
「昨日の行為のせいか?それとも俺を避けるために来なかったのか?」
凄まれ怖いと思った。
しかし正直に答えた。
「両方だ」
泣きながら彰浩は言った。
「俺は・・・キスだけで満足できていたんだ」
「・・・」
「ずっと信彦の事が好きだった。だからキスされたときは凄く嬉しかったんだ」
「!」
そう言うと信彦は驚いた表情を浮かべた。
だんだん2人の顔が赤くなっていく。
「だから、この3ヶ月抵抗せずに受け入れてくれていたのか?」
「ああ」
しかし信彦はそれ以上何も言わない。
ようやく口を開いたと思ったらこう言った。
「それじゃあ、俺たち両想いじゃないか」
「・・・そうだな」
やはり肝心の言葉は言ってくれない。
どれくらい焦らせば気がすむのだろう。
もう直接聞こう。
「なぁ、信彦。俺の事好きか?」
ようやく切り出せた。
「・・・」
だが、信彦から返事は返ってこない。
「・・・」
重たい沈黙が部屋に落ちる。
「もういい。お前もう帰れ」
彰浩はそう言った。
すると彰浩に覆いかぶさりいきなりキスをした。
「俺は恋をしたことがないんだ。この感情が恋というものならー・・・」
「・・・」
「俺は彰浩の事が好きなんだと思う」
モテモテの信彦が恋を知らない?
予想外の答えだった。
だが本音が聞けて良かったと思った。
恋を知らないならこれから知っていってもらえばいい。
彰浩はそう思った。
彰浩と信彦は晴れて恋人同士になれたのだ。
こんなに嬉しいことはない。
その時、信彦のスマホが鳴った。
「出てもいいか?」
「あ、ああ」
「あー、うん。そうなんだ。上手くいったんだ。礼を言うありがとう!」
「あっちの方もうまく出来たみたいだ。今、取り込み中だからまたあとで」
そう言うと信彦は電話を切った。
「今の従兄のオネェ?」
「ああ、彼のおかげでセックスも出来たし、全て上手くいったんだ」
「まさか手解きを受けたのか?」
「違う違う!聞いただけだ」
そう言って2人は笑い合った。
彰浩はとなりで寝ている信彦にバレないようにこっそり家に帰った。
幸い手錠はされていなかった。
だからすんなり帰ることが出来たのだ。
少し罪悪感があったがどんな顔をして会えばいいかわからなかった。
今日は学校は休むつもりだ。
好きだと言って欲しいと思うのは欲張りだろうか・・・。
もう完全に一線を越えてしまった。
一体これからどうやって付き合っていけばいいのか・・・。
考えても仕方がないが考えずにはいられなかった。
もうあの心地よい関係には戻れないのだろうか。
そう思うと少し悲しくなった。
家に帰りつき、ベッドへ倒れ込んだ。
まだ体中が痛い。
しかし、信彦に抱かれて嬉しかった。
(・・・手錠と鎖には驚いたが)
そして彼女がいないという事がわかって嬉しかった。
早く元の関係に戻れればいい。
セックスする仲よりキス止まりの仲のほうがきっとお互いの為だ。
信彦が何故あんなことを自分にしたのかはよく分からない。
”ずっと抱きたかった”としか言ってもらえなかった。
それは恋愛感情なのだろうか?
自分も抱かれたかったから良かったが、このままずっと信彦を避け通せる自信がなかった。
彼は避けても追ってくるだろう。
その日は一日体を休めるために使った。
夕方になるとインターホンが鳴った。
母は看護師をやっていて今日は夜勤。父親はいない。兄妹もいない。
仕方なく重たい体を動かし、玄関へ向かった。
玄関を開けると信彦が立っていた。
慌てて玄関を閉めようとすると信彦の靴が玄関の戸に挟まっているのを見つけた。
「痛いだろう!ドアを開けろ。彰浩」
彰浩は仕方なく信彦を家へ入れた。
「・・・今日学校に来なかったな」
「体がまだだるくて・・・」
「昨日の行為のせいか?それとも俺を避けるために来なかったのか?」
凄まれ怖いと思った。
しかし正直に答えた。
「両方だ」
泣きながら彰浩は言った。
「俺は・・・キスだけで満足できていたんだ」
「・・・」
「ずっと信彦の事が好きだった。だからキスされたときは凄く嬉しかったんだ」
「!」
そう言うと信彦は驚いた表情を浮かべた。
だんだん2人の顔が赤くなっていく。
「だから、この3ヶ月抵抗せずに受け入れてくれていたのか?」
「ああ」
しかし信彦はそれ以上何も言わない。
ようやく口を開いたと思ったらこう言った。
「それじゃあ、俺たち両想いじゃないか」
「・・・そうだな」
やはり肝心の言葉は言ってくれない。
どれくらい焦らせば気がすむのだろう。
もう直接聞こう。
「なぁ、信彦。俺の事好きか?」
ようやく切り出せた。
「・・・」
だが、信彦から返事は返ってこない。
「・・・」
重たい沈黙が部屋に落ちる。
「もういい。お前もう帰れ」
彰浩はそう言った。
すると彰浩に覆いかぶさりいきなりキスをした。
「俺は恋をしたことがないんだ。この感情が恋というものならー・・・」
「・・・」
「俺は彰浩の事が好きなんだと思う」
モテモテの信彦が恋を知らない?
予想外の答えだった。
だが本音が聞けて良かったと思った。
恋を知らないならこれから知っていってもらえばいい。
彰浩はそう思った。
彰浩と信彦は晴れて恋人同士になれたのだ。
こんなに嬉しいことはない。
その時、信彦のスマホが鳴った。
「出てもいいか?」
「あ、ああ」
「あー、うん。そうなんだ。上手くいったんだ。礼を言うありがとう!」
「あっちの方もうまく出来たみたいだ。今、取り込み中だからまたあとで」
そう言うと信彦は電話を切った。
「今の従兄のオネェ?」
「ああ、彼のおかげでセックスも出来たし、全て上手くいったんだ」
「まさか手解きを受けたのか?」
「違う違う!聞いただけだ」
そう言って2人は笑い合った。
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