天使の顔して悪魔は嗤う

高校一年生（暗号・トリック中心）

クリスマスの暗号7

　暗号を全て解き終わって、俺達は、ケーキを食べてお菓子を頬張る。

「赤野君、これ一個どうぞ」

今井が、自分のもらったウサギの形のクッキーを、赤野の皿に載せる。

「えっと、でも僕からあげられる物が……だって、僕のもらったのは、今井君からのプレゼントだし」

「いいよ。暗号楽しかったし。考えるの大変だったでしょ？」

今井が、にこやかに赤野に答える。

「暗号、考えるの楽しかったよ。……そうだ。それならば、この絵ハガキに、暗号を考えて今井君に贈るのは、どう？　冬休みにでも解いて楽しんでよ」

赤野の言葉に、今井の目が輝く。

「わ、それは楽しみ！」

「え、どんな暗号が送られてきたのか、俺も見たい」

「俺も！」

夏目と俺も、見たいと主張する。

「じゃあ、さ。休み明けに暗号を見せるよ」

今井は、快くそう言ってくれた。


　三学期が始まり、今井が見せてくれた赤野の暗号は、お正月の暗号だった。

　書かれていたのは、

「羽つき　お年玉　凧　初詣　初日の出　お屠蘇　お節料理」
→
２、のむもの
３、いくもの
４、もらうもの
３、たべるもの


ヒントとして、
「キミは僕の大切な」　
と書かれていた。　

え、すごく気になる。



【この後は解答です】

今井は、赤野の大切なんだというのか。気になる。
今井もせっかくだから皆で解こうと、解かずに持ってきたらしい。


「えっと、この動作をする物を並べればいいんだよね？」

「のむものは、お屠蘇だよな？」

「いくものは、初詣だ！」

思いつくものを並べてみる。
→
２、のむもの　　お屠蘇
３、いくもの　　初詣
４、もらうもの　お年玉
３、たべるもの　お節料理

このままでは、まだ分からない。

「えっと、ひらがなで指示が書いているのだから、なおす？」
今井が、文字をひらがなに直してくれる。
→
２、のむもの　　おとそ
３、いくもの　　はつもうで
４、もらうもの　おとしだま
３、たべるもの　おせちりょうり

まだ何か分からない。

「この→と数字が気になる」

「おお、じゃあ、左から二番目の文字とかって意味？」

数字で指示された文字だけ残せば……

→
２、のむもの　　〇と〇
３、いくもの　　〇〇も○○
４、もらうもの　○○〇だ〇
３、たべるもの　○○ち○○○○

出てきたのは「ともだち」

赤野にとって、今井は、大切な友達ということなのだろう。

そうだとは思ったんだ。うん、良かった！！