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乱闘の原因
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リンネの活躍により、レポートはサクサク進んで提出できたが、俺の心にはずっと靄が掛かっていた。
ドンドン離れるセシルとの距離。ちょっと一時的に近すぎたから、これで丁度良いのだと言われればそれまでだけれども、セシルの悲しそうな顔を見てしまったから、ずっと気になっている。
どうしてあんなに悲しそうにしていたんだろう?
やっぱり、あの子供の頃の思い出と関連しているのだろうか?
それに、セシル様に関わらないで、どうやってシロノを正妃に推せばいいのやら。
このままでは、策略家のアスナの思うつぼなのではないだろうか?
「乱闘の原因知っているか?」
フランネに言われて、俺は首を横に振る。
あの時、乱闘をしていた上級生も、乱闘を焚きつけたアスナも、さっさと逃げてしまっていた。だから、原因は、分からずじまいになっている。
「兄貴のユーカスが、乱闘に混じっていただろう? 兄貴に確かめたんだ」
「何ておっしゃっていましたか?」
「アスナが、乱闘の発端になった者に酷いストーカーに悩まされていると相談したんだそうだ」
相談された者が数人。で、誰がストーカーとは、アスナは言わなかったけれども、その時に、たまたまいつものようにチャラっとアスナに声をかけたのが、ユーカスとその仲間。
相談された数名が、お前らがストーカかと、ユーカスたちの胸倉をつかんで怒りだした。
当然、違うと弁明したユーカスたち。
「『お前の従兄弟は、職を失ったんだってな? 従兄弟も、お前と同じクズだったんじゃないか? ww』なんて言われて、兄貴はカッとなってぶん殴ったんだそうだ。今は、冷静に話し合って、ストーカーだと言う疑いも晴れて和解している」
そうなんだ。
ユーカスは、フランネと同じチャラ男だから、ストーカーと間違われるのも仕方ないか?
それにしても、ユーカスの従兄弟は、俺の父グスタフのせいで職を失っていたんだ。だから、ユーカスは、あんなに俺に敵意があったのか?フランネは平気なのだろうか?兄貴のユーカスの従兄弟なのだから、フランネの従兄弟でもあるはずだし。
「アスナは、誰がストーカーなのかは言っていない。これは、何とでも言い訳が出来るように咄嗟にでっち上げた話でしょう。いざとなれば、アスナに気のある人間をストーカーとして祭り上げてしまうつもりでついた嘘と考えられます」
我らが参謀、リンネは推理する。
「あの可愛いアスナちゃんがそんなことを……」
フランネが、ショックを受けている。
「分かる。だって、アスナは、表面上は可愛い天使だし」
マキノの慰め方、どうもチャラい。
「今後、アスナを正妃の座から遠ざけるため、アスナを監視する必要があります。アスナが何をどうするのか、スパイとして報告する係を……フランネ、頼めますか?」
「え? 俺? ……まあ、そうか。兄貴がリオスを嫌っているし、この間までアスナに声をかけていたし。それが、一番自然かな?」
フランネは、リンネの提案を受け入れてくれる。
「フランネ」
「なんだ? リオス」
「従兄弟……どんな事情かは分からないけれども、親父のグスタフのせいで職を失ったんだろう?」
「あ、ああ。その話か」
「俺、知らなくてさ。ごめん」
俺は、フランネに深々と頭を下げる。思えば、一学期に、ユーカスにも失礼なことを言った。売り言葉に買い言葉だったとはいえ、従兄弟が職を失っているのに「恨む前に、自分を磨けば良かったんだ」は、失礼だ。どれだけ傷つけたか。
フランネは、少し目を丸くして、
「まあ、親父のことだ。仕方ないさ」
と苦笑いを浮かべていた。
ドンドン離れるセシルとの距離。ちょっと一時的に近すぎたから、これで丁度良いのだと言われればそれまでだけれども、セシルの悲しそうな顔を見てしまったから、ずっと気になっている。
どうしてあんなに悲しそうにしていたんだろう?
やっぱり、あの子供の頃の思い出と関連しているのだろうか?
それに、セシル様に関わらないで、どうやってシロノを正妃に推せばいいのやら。
このままでは、策略家のアスナの思うつぼなのではないだろうか?
「乱闘の原因知っているか?」
フランネに言われて、俺は首を横に振る。
あの時、乱闘をしていた上級生も、乱闘を焚きつけたアスナも、さっさと逃げてしまっていた。だから、原因は、分からずじまいになっている。
「兄貴のユーカスが、乱闘に混じっていただろう? 兄貴に確かめたんだ」
「何ておっしゃっていましたか?」
「アスナが、乱闘の発端になった者に酷いストーカーに悩まされていると相談したんだそうだ」
相談された者が数人。で、誰がストーカーとは、アスナは言わなかったけれども、その時に、たまたまいつものようにチャラっとアスナに声をかけたのが、ユーカスとその仲間。
相談された数名が、お前らがストーカかと、ユーカスたちの胸倉をつかんで怒りだした。
当然、違うと弁明したユーカスたち。
「『お前の従兄弟は、職を失ったんだってな? 従兄弟も、お前と同じクズだったんじゃないか? ww』なんて言われて、兄貴はカッとなってぶん殴ったんだそうだ。今は、冷静に話し合って、ストーカーだと言う疑いも晴れて和解している」
そうなんだ。
ユーカスは、フランネと同じチャラ男だから、ストーカーと間違われるのも仕方ないか?
それにしても、ユーカスの従兄弟は、俺の父グスタフのせいで職を失っていたんだ。だから、ユーカスは、あんなに俺に敵意があったのか?フランネは平気なのだろうか?兄貴のユーカスの従兄弟なのだから、フランネの従兄弟でもあるはずだし。
「アスナは、誰がストーカーなのかは言っていない。これは、何とでも言い訳が出来るように咄嗟にでっち上げた話でしょう。いざとなれば、アスナに気のある人間をストーカーとして祭り上げてしまうつもりでついた嘘と考えられます」
我らが参謀、リンネは推理する。
「あの可愛いアスナちゃんがそんなことを……」
フランネが、ショックを受けている。
「分かる。だって、アスナは、表面上は可愛い天使だし」
マキノの慰め方、どうもチャラい。
「今後、アスナを正妃の座から遠ざけるため、アスナを監視する必要があります。アスナが何をどうするのか、スパイとして報告する係を……フランネ、頼めますか?」
「え? 俺? ……まあ、そうか。兄貴がリオスを嫌っているし、この間までアスナに声をかけていたし。それが、一番自然かな?」
フランネは、リンネの提案を受け入れてくれる。
「フランネ」
「なんだ? リオス」
「従兄弟……どんな事情かは分からないけれども、親父のグスタフのせいで職を失ったんだろう?」
「あ、ああ。その話か」
「俺、知らなくてさ。ごめん」
俺は、フランネに深々と頭を下げる。思えば、一学期に、ユーカスにも失礼なことを言った。売り言葉に買い言葉だったとはいえ、従兄弟が職を失っているのに「恨む前に、自分を磨けば良かったんだ」は、失礼だ。どれだけ傷つけたか。
フランネは、少し目を丸くして、
「まあ、親父のことだ。仕方ないさ」
と苦笑いを浮かべていた。
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