私の少ない命あなたなら幸せにしてくれる

第三章 思い出

７

私…鈴木葵。

今夏休みに入って両親からの手紙を読んでいる。

両親曰く夏休みに帰って来なかったら強制的に実家から通わせると言う半分脅迫みたいなものだった。

手紙の最後には一言書いてあった。

「双子の妹玲奈を連れて戻ってこい」

玲奈かぁと思ってしまった。
うちの家で一番の問題児の玲奈。

なぜあんな育ち方をしてしまったのか…とても不思議であった。
そんなことを思っているとインターフォンがなった。

「どちら様でしょうか…」

私は、言葉を失った。なぜなら目の前にいるのは…うちの母親なのだから…

「お母さま…どうしたのでしょうか」

私が一歩下がって言うとお母さまは言った。

「最近親しい男の子がいるみたいね」

「それがどうしたのでしょうか」

「実家に連れてきなさい」

「はぁあ？意味わからないんですけど」

「いいから連れてきなさいわかったわね？」

お母さまは強く玄関を閉じて行った。もう少し静かに閉めてくれてもいいじゃんと思う。
私は玄関に座ってつぶやく。

「親しい人…会わせたことないか…」

どうやって連れて行こうか考えるのだった。