［完結］前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します

三年生 卒業の年編

46 私たちも卒業

私は部屋でため息を吐く。

「はぁ～」

このため息は、悲しみと緊張が入り混じったため息だ。私は、覚悟を決めて部屋を出る。
なんだか、部屋を出るといつもとの雰囲気とは違う。

なんだか、緊張感が漂う廊下だった。私はそんな廊下を一歩一歩踏み締めて歩く。私は、時間はかかったが教室には着いた。

教室は、いつものようにざわざわしていた。このざわざわが私にとっては緊張が解けるものとなりそうだった。ニアがこちらにきて言う。

「なんか、みんなはいつも通りだけどなんだか緊張するね」

私は、ニアと話すのも少し緊張した。私はこれで四回目の卒業式を受けようとしている。
私は三回前世では受けているのに私はなぜか緊張している。

やはり、卒業式というものは緊張があってなんぼだと思った。
先生が教室に入ってくる。みんな立っていた人もすぐに座って先生の方を見る。

先生もいつものような眼差しではなかった。私は先生の方を見つめた。やがて、先生は教室を見渡して言う。

「今日は…卒業式です…気を引き締めていきましょう」

先生は、少し寂しげだった。私は、そんな先生の感情に同情できる気がした。
先生は一息置いて言う。

「ですが…卒業式が終わってもまだ時間はあります。ですから、まだ悲しい感情は持ってこなくていいんですよ？」

先生は笑いながら言った。先生の言葉は意味がわからなかったが私たちは笑った。
いよいよ…

「みんな、移動するからね」

私たちは一列となり体育館に向かった。みんないつもなら多少の話し声があるのだが…今日は誰も話さず緊張感だけが場に残る。

そして、時は来る。体育館からアナウンスが聞こえる。これを聞くとなんだか入学式を思い出してしまう。

私はゆっくりと会場へ足を運んだ。すると、そこはいつも通り…前世で見たことのある風景だった。違う風景だったら少し緊張は解けたかもしれないが…緊張はより増した。

ゆっくりと歩いて入場をしていると、母親を見つけてしまった。私は、見ないようにしていたのに私は見てしまった。

指定されている席に座る。

「卒業生起立」

そう言われて私たちは立つ。そこで、私たちの代表が保護者や後輩に対して手紙を読む。これは、涙が必須らしい。

読み終わると、辺りはみんな涙を流していた。私も流すかと思ったが流さなかった。

そして…

私は卒業証書をもらった。もらった後の時間の流れは早かった。私は緊張をほどきながら後の流れを見ていた。

見ていて思うのがだんだん思い出が蘇ってくる。私は、そこで涙を流しそうになった。



私たちは卒業証書授与式が終わり…教室で先生の話が始まった。


「お前たち…まずは卒業おめでとう」

そう言うとみんな頭を少し下げて会釈をしていた。私もした。先生は言う。

「卒業してからもこの学校での思い出は忘れるなよ…」

先生はそこで涙を流していた。そこで生徒が言う。

「先生どこで涙流してんすか？」

その一言に教室は笑いに包まれた。なんだか微笑ましい場所になったと思っている。

私は先生の言葉を心に刻んで生きていこうと思った。
そのあとは、もう解散…この学校から出ていくのだが…



私はなぜか生徒会室にいた。なんだか去年先輩が卒業した時と同じことを今私がしている。
すると、生徒会室の扉が開いた。エマとマリアが入ってきたのだった。

マリアは言う。

「やっぱりここにいたんだね」

エマが、私の方を見ながら言う。

「ソフィさんやっぱりこの場所は思い出の場所なんですか？」

そう聞かれて、私は無意識に涙が出ていた。するとmエマが駆け寄ってきて言う。

「そうなんですね…いいですね」

エマが涙を拭いてくれるが…エマも涙で溢れていた。私はエマを見て言う。

「あんたも涙で出るよ…」

そう言いながら、私は涙を拭いてあげた。すると、マリアが言う。

「やっぱり、この場所にもお別れを言わないとだな」

そう言い私たちは三人横一列に並び声を合わせて言う。

「今までお世話になりました！」


この声は、生徒会室中響き渡った。エマが言う。

「いきましょうか」

そう言われて、マリアも生徒会室を出る。私も出ようとするが、足が止まる。私は扉から生徒会室をチラッと見て再び前を向いてエマとマリアがいるところまで小走りで行った。

私は、もう生徒会室に未練はないのだ。
外へ出ると、卒業生がいっぱいいた。私は、昨日のうちにまとめた寮の荷物を持ってエマとマリアと歩く。

すると、前に…

「ニア！」

私は思わず声を出してしまった。ニアに抱きついた。ニアは困惑していたが…

「ソフィ…」

その声は優しい声だった。私はニアに言う。

「この学校はどうだった？」

そう聞くと、ニアは学校を背にして言う。

「そうだな～めちゃくちゃ楽しかったよ…もう最高だった！」

ニアの楽しそうな声を聞いて泣きそうになった。私は言う。

「みんなで、別れの挨拶しようよ」

そう言うと、みんな集まって手を合わせる。

「みんなとも思い出は一生ものだよ！」

そう言うと、三人は言う。

「大好きー！」

そう言い私たちは笑い合った。人生で一番笑った。それは楽しいの一言尽きる。

私たちは、それぞれ別に方向に体を向けて言う。

「じゃぁ…さようならだね」

すると、エマとマリアとニアが言う。

「「「そうだね」」」

私は言う。

「じゃあねみんな」

そう言い私は馬車に乗った。馬車に乗ってみんなの方を見ると各自の道を歩いていたら。私は背中を見てどこな悲しい感情があった。

私は思う。

こんな学校生活を前世でもできたら良かったなと…