【奨励賞】こわがりちゃんとサイキョーくん!【受賞】

またり鈴春

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わたしの友達・わたしの仲間

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 すると、わたしの隣に、静かにキキが並ぶ。
 ヤル気(と不安)に満ちたわたしの顔を見て、ニコリと笑った。

「立派な顔つきですね。それでこそ我が主です。それに……
 心配なさらずとも僕がおりますから、任せてください!」
「キキ!」

 そうだよ、わたしは一人じゃない!
 キキがいる! カーくんもいる!
 ――と喜んだのも、つかの間。

 バシッ

 キキは、猫又のしっぽが偶然あたり、ぴょーんと遠くに飛ばされてしまった。

「主~、お助けください~ぃ!」
「キキ!? 退場が早すぎるよー!」

 もう見えないほど小さくなってしまったキキ。
 あぁ……、どうして、こんなことに!

 だけど、悲しんでいる暇はない。
 まずは、猫又を落ち着かせないと!

「ね、猫又! これを見て!」
『ッ!』

 もう少しで、わたしに襲い掛かろうとした猫又。
 わたしはポケットの中に手を突っ込み、ある物を取り出した。
 それは――

「ば、バナナ……食べる?」
『……』

「……」
『……』

『ギャオ―!!』
「やっぱりダメだった!」

 ひー!!
 効果は、全く、ないようだ!
 昨日の子猫も、今日の千景くんも、バナナにかぶりついていたのにー!
 同じ猫でも、好きな物は違うんだね!?

『おのれ、バカにしおって!』

 猫又は、わたしに向かって、勢いよく前足を振り上げた。
 走れば逃げれるかも――と思ったのも、つかの間。
 小石につまずき、ビタンッと地面にこけてしまう。
 その瞬間を、猫又は逃さなかった。

『まずは邪魔者から食らう!』
「きゃっ!」

 もうダメだ!
 逃げきれないと思い、顔の前で両手をクロスさせる。
 すると、その時。

「花りん!」
「え――」

 上空から、どんどん、わたしに近づく声。
 腕のすき間から見上げると――ネコ千景くんの姿があった。

「さっさと逃げろ、花りん!

 ――結界!!」

 バチッ

『ぐおぉぉー!!』

 なんと、空からネコ千景くんが降ってきた!
 コケたわたしの上に着地して、千景くんはすぐ「結界」を張る。
 効果はバツグンだったようで、猫又はうめき声を上げながら、少しずつ下がっていく。

「ふー、危機一髪だったな」
「ち、千景くん! どうして……!」

 すると、猫目を細めた千景くん。
「どうして、だぁ?」とわたしを睨んだ。

「何も出来ないお前が一人で突っ走ったところで、結果は目に見えてるだろ!
 お前の暴走を止めるために、カラスを振り切って、自ら落ちてきたんだよ!」
「そ、そうなんだ!?」

 上空を見ると、カーくんが「カァ」と悲しそうに鳴いた。
 まるで「主、すみません」って謝ってるみたい。
 大丈夫。カーくんは、よくやってくれたよ!
 千景くんの力が、とんでもなく強いだけ!

「にしても、そんなズバズバ言わなくたって……」

 わたしは、千景くんを守りたかった。
 ただ、それだけなのに……。
 すると、千景くんが「あ~」と。
 小さなネコ頭を、らんぼうにボリボリかいた。

「頭かゆいの? ノミでもいるのかな?」
「今度ノミって言ったら、今度こそ、お前の顔面でツメをとぐからな。
 って、ちがう。そうじゃなくて」

 タシッ

 ネコ千景くんの両手が、わたしの膝に置かれる。
 顔はうつむいたまま。まるで猿芸の「反省」ポーズみたい。

「言い方が、悪かった。
 俺を守ろうとしてくれて……ありがとう」
「千景くん……」

「けど!
 もう、あんな無茶はするな! ジュミョーが縮んだぞ!
 それに、言っただろ。
 お前のことは、俺が守るって」
「っ!」

 ポポポと、一気に顔が赤くなる。
 だって、だって……!
 千景くんが、あまりにも素直だから!
 こんな時に、レアな発言は禁止!
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