溺愛パパは勇者！〜悪役令嬢の私のパパが勇者だった件〜

第1章

No.18 討伐メンバー③

「なぁ、誰だ？」
「俺の息子だ」
「私の息子よ」

バッカスさんとアニーさんの子供達を見る。

（すっごくカッコいい子と天使みたいに可愛い子だなぁ～）

「俺達も子供を連れて行っていいか？」
「…バッカス。お前何言ってるのか分かってるのか？」

パパが低い声を出して問う。普通なら至極真っ当な問いだろう。

（でもパパ、私を連れている時点で同じ穴のムジナだよ）

「まぁ、聞いてくれよ。俺さ、奥さんと別居中
なんだわ。それで子供の親権は俺にあるんだけど、そんな時に魔王討伐だろ？1人で置いて行くのも嫌だし奥さんに預けたら連れて行かれるかもしれないだろ？丁度、バロンも騎士になりたいって言ってるから訓練の一環として連れて行こうかな～って思ったんだよ」

どんな過酷な訓練だ。私と然程変わらない年齢の子供に何させようとしてるんだ。

「こんにちは。俺、バロンって言います。今年、7歳になりました。夢は、父さんみたいな立派な騎士になる事です！その為に今回の魔王討伐に参加したいと思っています！どうか、よろしくお願いします」

バロン君が丁寧に頭を下げる。

「………一応、理由はわかった。それで？アニーの理由は？」

パパが溜息をついてアニーさんに視線を向ける。アニーさんは子供を抱き上げ話し始めた。