溺愛パパは勇者!〜悪役令嬢の私のパパが勇者だった件〜

ハルン

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第1章

No.19 討伐メンバー④

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「私の息子のクリスよ。私、夫と離婚しててこの子を1人で育ててるの。今回の魔王討伐でこの子を誰かに預けなくちゃいけなくなったんだけど…」

アニーさんはそこで辛そうに顔を歪めた。

「見ての通り、この子すっごく可愛いでしょ?いつも周りから天使みたいって言われてるくらい可愛いの。だからこの子を人に預けると…ね」

怖いからそこで言葉を終わらせないでほしい。

「この子にメロメロになって大変なの。この前は、知り合いに数時間預けただけで知り合いはこの子がいないと生きていけない身体になったわ」

(何それ怖い)

一体、何処の魔性の子だ。それはもはや天使ではなく悪魔の類では?

「この子自体は特に何もしていないんだけど、関わる人殆どがこの子の虜になるのよ」

あれか?身体からフェロモンみたいなのを出してるんですか?それとも、乙女ゲームみたいなヒロイン体質なんですか?どちらにしても怖すぎる。出来れば近付きたくない。

「それは大変だな」
「でしょ?誰かに預けるくらいなら私が連れて行きたいと思ってたの。そこにギルバートがティアちゃんを連れて行くって言うから私もそれに習おうと思って」

パパはしばらく黙り込んで頷く。

「わかった。子供と一緒に居たい気持ちはわかる。それに、ティアにも友達が出来る良い機会だしな」
「ありがとうな、ギルバート」
「ありがとう、嬉しいわ」

パパ、私の為に友達を用意してくれるのは嬉しいよ。…けどね?父親と同じ騎士になる為に魔王討伐を訓練の一環にしようとする危ない子と、周囲の人間を自身の虜にする魔性の子を大切な娘の友達候補にするのはどうかと思うんだ。

「俺はバロン。よろしくね」
「…ボクはクリス。よろしく」
「………ティアです。よろしく」

こうして今回の魔王討伐メンバーが揃ったのだ。
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