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第3章
No.53 会えない理由
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(アンドレイ殿下…デンカ………殿下!?)
「やぁ、クリス。久し振りだね」
驚く私達をにこやかに見るアンドレイ殿下。
「え…あ…」
驚きでパクパクと口を動かす私にアンドレイ殿下が自己紹介を始める。
「ティア嬢は、私の事を知らないよね。初めまして、私はこの国の第1王子のアンドレイ=フィン=アスカーラン。ずっと君に会いたかったんだ」
「私に…?」
この国の次期国王になる人がこんな平凡な私に何故会いたがるのだろう?
「君は、勇者ギルバート達と共に魔王討伐に行っただろう?始めて聞いた時は、色々衝撃的だったよ。だから興味が湧いてね。1度会って話をしてみたいと思ってたんだよ」
その話を聞いて納得した。
(それはそうだよね。5歳で魔王討伐に同行したなんて誰が聞いても衝撃的だろうし、興味が湧くよね)
…しかし、魔王討伐から既に10年経っている。それなのに、1度もアンドレイ殿下に会うどころか姿さえ見た事が無かった。
(何回かお城に行ったけど会った事ないなぁ)
そんな疑問が顔に出ていたのだろう。アンドレイ殿下は口を開く。
「何回か君が城に来ていた事は知ってたよ。その度に会いに行ったんだけど………ギルバートさんがね」
「………すみません」
最後の言葉で全てを悟った。
「ギルバートさん曰く、『俺の大切な可愛いティアに男を近付けたくない!まして、女性の憧れの年の近い王子様なんて論外だ!!それに、可愛いティアに王子が惚れたら如何してくれる!』…だそうだよ。それで中々、会わせてもらえなかったんだ」
「すみません、本当にすみません」
仕切りに頭を下げるティア。その姿をアンドレイは、笑って見つめる。
先程、ティアに話した内容は全てではない。実際は続きがある。
『ギルバートさん、私には婚約者がいます。私はサーシャが好きなので、ティア嬢を好きになる事はあり得ません』
『んだと!!このクソ餓鬼!!それは、俺のティアが可愛くないって言ってんのか!?ティアの何が不満なんだよ!!』
『いえ!!ただ私には既に好きな子がいて!だからいくらティア嬢が可愛くってもーー』
『この餓鬼!!俺の大事な娘に色目使う気か!?ぶっ潰してやーー』
『この馬鹿っ!!10歳の子供に対して何してやがる!!しかも相手は王子だぞ!!』
(あの時は、ギルバートさんを宥めるのが凄く大変だったなぁ)
かつての出来事を思い出して彼は、深い溜息をついた。
「やぁ、クリス。久し振りだね」
驚く私達をにこやかに見るアンドレイ殿下。
「え…あ…」
驚きでパクパクと口を動かす私にアンドレイ殿下が自己紹介を始める。
「ティア嬢は、私の事を知らないよね。初めまして、私はこの国の第1王子のアンドレイ=フィン=アスカーラン。ずっと君に会いたかったんだ」
「私に…?」
この国の次期国王になる人がこんな平凡な私に何故会いたがるのだろう?
「君は、勇者ギルバート達と共に魔王討伐に行っただろう?始めて聞いた時は、色々衝撃的だったよ。だから興味が湧いてね。1度会って話をしてみたいと思ってたんだよ」
その話を聞いて納得した。
(それはそうだよね。5歳で魔王討伐に同行したなんて誰が聞いても衝撃的だろうし、興味が湧くよね)
…しかし、魔王討伐から既に10年経っている。それなのに、1度もアンドレイ殿下に会うどころか姿さえ見た事が無かった。
(何回かお城に行ったけど会った事ないなぁ)
そんな疑問が顔に出ていたのだろう。アンドレイ殿下は口を開く。
「何回か君が城に来ていた事は知ってたよ。その度に会いに行ったんだけど………ギルバートさんがね」
「………すみません」
最後の言葉で全てを悟った。
「ギルバートさん曰く、『俺の大切な可愛いティアに男を近付けたくない!まして、女性の憧れの年の近い王子様なんて論外だ!!それに、可愛いティアに王子が惚れたら如何してくれる!』…だそうだよ。それで中々、会わせてもらえなかったんだ」
「すみません、本当にすみません」
仕切りに頭を下げるティア。その姿をアンドレイは、笑って見つめる。
先程、ティアに話した内容は全てではない。実際は続きがある。
『ギルバートさん、私には婚約者がいます。私はサーシャが好きなので、ティア嬢を好きになる事はあり得ません』
『んだと!!このクソ餓鬼!!それは、俺のティアが可愛くないって言ってんのか!?ティアの何が不満なんだよ!!』
『いえ!!ただ私には既に好きな子がいて!だからいくらティア嬢が可愛くってもーー』
『この餓鬼!!俺の大事な娘に色目使う気か!?ぶっ潰してやーー』
『この馬鹿っ!!10歳の子供に対して何してやがる!!しかも相手は王子だぞ!!』
(あの時は、ギルバートさんを宥めるのが凄く大変だったなぁ)
かつての出来事を思い出して彼は、深い溜息をついた。
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