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第3章
No.116 女の敵は教育者
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「ティア=ムーンライド、今から俺と学園長室まで来い」
ある日の放課後、帰る準備をしているとフォレン先生に呼び止められる。
「ティアちゃん、何かしたの?」
「いや、特に何も…」
サーシャに問いかけられるが思い当たる事がない。
(私、何かした?この前のテストはいい点取れてたし…。まさかっ!!お父さんが何かしたの!?)
自身以外で思い当たる事があると言えば、1人しか思い当たらない。
(ついに誰かヤっちゃったの?)
そう言えば昨日机に置いてあった手紙で男子生徒が何たらかんたらと書いてあった様な気がする。
(確か、私と話した男子が私をイヤらしい目で見てるとか何とか…)
ただ、次の移動教室の場所を聞かれただけだ。それなのに、偏見のこもった目で男子を見ているお父さん。お父さんの勘違いだと手紙に書いて送ったが…。
(いやいやいや!まさかそんな事で何かしでかす親なんていない!!………よね?)
父親を信じきれないティア。
どんなに否定しようと、拭えない不安。
「………まさか、ギルバート様?」
もはや、友達にまで疑われる始末。
とても遣る瀬無い気持ちになってしまった。
「分からない。取り敢えず、行くよ」
心配そうにこちらを見るサーシャに手を振って、
フォレン先生の後をついて行く。
(学園長室なんて初めて行くなぁ)
学園長室で思い浮かべるのは、入学式で刺されそうになった学園長のお爺ちゃんだ。
なんと、入学式で学園長を刺そうとしたアリーナ先生はこの学園で教師を続けている。どうやら、学園長と仲直りしたらして元サヤ(?)に戻ったらしい。時折、学園内で年甲斐も無くイチャついているのを見かける。
(5股してた相手とまた付き合うなんて凄いよね…)
そんな事を考えているうちに、学園長室に着いた。
ーートントン
「失礼します。ティア=ムーンライドを連れて来ました」
「入りなさい」
中から落ち着いた若い男性の声が聞こえてくる。
(ん?若い声?)
「失礼します」
そう言って、部屋に入るフォレン先生の後に続く。
「呼び出して悪かったね」
そう言って学園長の机で書類整理をしながら笑う目の前の人物。
「で…殿下!?」
「久しぶりだね、ティア嬢」
サラサラとした深緑の髪に、優しい茶色の瞳のイケメン。間違い無く、サーシャの婚約者でこの国の王太子であるアンドレイ=ルア・アスカーラン殿下だ。
「何で殿下が此処に…」
「実は、魔法の師匠である学園長が恋人と旅行に行ってる間の代わりを任されてね」
(何やってんだよジジイ…)
口が悪くなってしまったのは許して欲しい。
将来の国王に学園長代理を任せるなんて…。しかもその理由が、恋人と旅行?あり得ない。
(さらにあり得ないのは、相手がアリーナ先生じゃない事だよ…)
何故なら、今日最後の授業を担当したのがアリーナ先生だったからだ。
本当によく学園長をしていられるな…と思ってしまう。
(女の敵だ…)
つい、この場に居ない学園長を呪ってしまったのは許して欲しい。
ある日の放課後、帰る準備をしているとフォレン先生に呼び止められる。
「ティアちゃん、何かしたの?」
「いや、特に何も…」
サーシャに問いかけられるが思い当たる事がない。
(私、何かした?この前のテストはいい点取れてたし…。まさかっ!!お父さんが何かしたの!?)
自身以外で思い当たる事があると言えば、1人しか思い当たらない。
(ついに誰かヤっちゃったの?)
そう言えば昨日机に置いてあった手紙で男子生徒が何たらかんたらと書いてあった様な気がする。
(確か、私と話した男子が私をイヤらしい目で見てるとか何とか…)
ただ、次の移動教室の場所を聞かれただけだ。それなのに、偏見のこもった目で男子を見ているお父さん。お父さんの勘違いだと手紙に書いて送ったが…。
(いやいやいや!まさかそんな事で何かしでかす親なんていない!!………よね?)
父親を信じきれないティア。
どんなに否定しようと、拭えない不安。
「………まさか、ギルバート様?」
もはや、友達にまで疑われる始末。
とても遣る瀬無い気持ちになってしまった。
「分からない。取り敢えず、行くよ」
心配そうにこちらを見るサーシャに手を振って、
フォレン先生の後をついて行く。
(学園長室なんて初めて行くなぁ)
学園長室で思い浮かべるのは、入学式で刺されそうになった学園長のお爺ちゃんだ。
なんと、入学式で学園長を刺そうとしたアリーナ先生はこの学園で教師を続けている。どうやら、学園長と仲直りしたらして元サヤ(?)に戻ったらしい。時折、学園内で年甲斐も無くイチャついているのを見かける。
(5股してた相手とまた付き合うなんて凄いよね…)
そんな事を考えているうちに、学園長室に着いた。
ーートントン
「失礼します。ティア=ムーンライドを連れて来ました」
「入りなさい」
中から落ち着いた若い男性の声が聞こえてくる。
(ん?若い声?)
「失礼します」
そう言って、部屋に入るフォレン先生の後に続く。
「呼び出して悪かったね」
そう言って学園長の机で書類整理をしながら笑う目の前の人物。
「で…殿下!?」
「久しぶりだね、ティア嬢」
サラサラとした深緑の髪に、優しい茶色の瞳のイケメン。間違い無く、サーシャの婚約者でこの国の王太子であるアンドレイ=ルア・アスカーラン殿下だ。
「何で殿下が此処に…」
「実は、魔法の師匠である学園長が恋人と旅行に行ってる間の代わりを任されてね」
(何やってんだよジジイ…)
口が悪くなってしまったのは許して欲しい。
将来の国王に学園長代理を任せるなんて…。しかもその理由が、恋人と旅行?あり得ない。
(さらにあり得ないのは、相手がアリーナ先生じゃない事だよ…)
何故なら、今日最後の授業を担当したのがアリーナ先生だったからだ。
本当によく学園長をしていられるな…と思ってしまう。
(女の敵だ…)
つい、この場に居ない学園長を呪ってしまったのは許して欲しい。
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