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第3章
No.125 昼ドラ的展開ではありません
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悲しい現実と向き合いながら、昼休みを終えて午後の授業に取り組むティア。しかし、残りの授業は全て憂鬱な気持ちで過ごしたのだった。
「ごめんね、ティアちゃん」
放課後になり、サーシャが申し訳無さそうにティアに謝る。昼休みに自分が言った言葉の謝罪と、今日は一緒に帰る事が出来ない事への謝罪だ。
「ううん、大丈夫!今日は、久し振りにアンドレイ殿下とのお茶会でしょ?サーシャ、ずっと楽しみにしてたじゃん!それなのに、そんな暗い顔しないでよ。そんな顔でアンドレイ殿下とあったら、『私のサーシャに何したんだい?』って怒られるから」
「アンドレイは、そんな事で怒らないわ」
(いや、怒るんですよ)
私は、サーシャに一つ隠し事をしている。
それは、月に一度アンドレイ殿下から手紙が届いている事を。
別に、アンドレイ殿下とティアがサーシャを裏切っている…言う訳では断じて無い。そんな昼ドラ的な手紙では無い。それは、アンドレイ殿下がサーシャと親しいティアに向けた近状報告を催促する手紙である。
初めて手紙が来たのは、入学して1ヶ月が経つ頃だった。
『あれ、何この手紙?送り主の名前が無い?お父さんからの手紙はこっちだし…間違いかな?いや、でも宛先は私だし…』
不審に思いながら手紙を開いたらティアは、驚いた。何故なら、アンドレイ殿下からの手紙だったからだ。入学式の時に一度だけしか話した事の無いティアに、アンドレイ殿下から手紙が来るなど想像していなかったからだ。
『な、何の用だろう…』
緊張しながら恐る恐る手紙を読み進めていくティア。しかし、読み終わる頃には無表情になっていた。だが、それも仕方ないだろう。手紙には、こう書かれていた。
『私の愛しいサーシャの友達になったんだってね。最近のサーシャからの手紙には、君の事ばかり書かれているよ。サーシャに、損得無しで心許せる友達が出来た事は非常に喜ばしい事だ。しかし、私のサーシャの関心を奪うのは許せないね。どうやら、私の愛しいサーシャは君にご執心のようだ。前までは、私の事を気遣う手紙だった。しかし、今では君とどんな風に話したり過ごしたりしている事ばかり。それってどう思う?婚約者である私を差し置いてサーシャとずっと一緒って何なの?そもそも、年齢差のせいでサーシャと学園に通えないこと自体が理不尽だと思わないかい?大体ーー』
それから手紙には、とんでも無く長い愚痴が書かれていた。そして5枚目の手紙の最後にこう書かれていた。
『ーーという訳で、本当なら毎日がいいんだがティア嬢も入学してばかりで忙しいだろう?だから、月に一度でいいからサーシャの近状を手紙で私に知らせてくれ。因みに、これはお願いでは無く王太子命令だと思ってくれ。勿論、サーシャには秘密にね。
アンドレイ=フィン=アスカーラン』
こうして、私欲に塗れた王太子命令でティアはアンドレイ殿下とサーシャの近状報告の手紙のやり取りをしているのだった。
「ごめんね、ティアちゃん」
放課後になり、サーシャが申し訳無さそうにティアに謝る。昼休みに自分が言った言葉の謝罪と、今日は一緒に帰る事が出来ない事への謝罪だ。
「ううん、大丈夫!今日は、久し振りにアンドレイ殿下とのお茶会でしょ?サーシャ、ずっと楽しみにしてたじゃん!それなのに、そんな暗い顔しないでよ。そんな顔でアンドレイ殿下とあったら、『私のサーシャに何したんだい?』って怒られるから」
「アンドレイは、そんな事で怒らないわ」
(いや、怒るんですよ)
私は、サーシャに一つ隠し事をしている。
それは、月に一度アンドレイ殿下から手紙が届いている事を。
別に、アンドレイ殿下とティアがサーシャを裏切っている…言う訳では断じて無い。そんな昼ドラ的な手紙では無い。それは、アンドレイ殿下がサーシャと親しいティアに向けた近状報告を催促する手紙である。
初めて手紙が来たのは、入学して1ヶ月が経つ頃だった。
『あれ、何この手紙?送り主の名前が無い?お父さんからの手紙はこっちだし…間違いかな?いや、でも宛先は私だし…』
不審に思いながら手紙を開いたらティアは、驚いた。何故なら、アンドレイ殿下からの手紙だったからだ。入学式の時に一度だけしか話した事の無いティアに、アンドレイ殿下から手紙が来るなど想像していなかったからだ。
『な、何の用だろう…』
緊張しながら恐る恐る手紙を読み進めていくティア。しかし、読み終わる頃には無表情になっていた。だが、それも仕方ないだろう。手紙には、こう書かれていた。
『私の愛しいサーシャの友達になったんだってね。最近のサーシャからの手紙には、君の事ばかり書かれているよ。サーシャに、損得無しで心許せる友達が出来た事は非常に喜ばしい事だ。しかし、私のサーシャの関心を奪うのは許せないね。どうやら、私の愛しいサーシャは君にご執心のようだ。前までは、私の事を気遣う手紙だった。しかし、今では君とどんな風に話したり過ごしたりしている事ばかり。それってどう思う?婚約者である私を差し置いてサーシャとずっと一緒って何なの?そもそも、年齢差のせいでサーシャと学園に通えないこと自体が理不尽だと思わないかい?大体ーー』
それから手紙には、とんでも無く長い愚痴が書かれていた。そして5枚目の手紙の最後にこう書かれていた。
『ーーという訳で、本当なら毎日がいいんだがティア嬢も入学してばかりで忙しいだろう?だから、月に一度でいいからサーシャの近状を手紙で私に知らせてくれ。因みに、これはお願いでは無く王太子命令だと思ってくれ。勿論、サーシャには秘密にね。
アンドレイ=フィン=アスカーラン』
こうして、私欲に塗れた王太子命令でティアはアンドレイ殿下とサーシャの近状報告の手紙のやり取りをしているのだった。
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