溺愛パパは勇者!〜悪役令嬢の私のパパが勇者だった件〜

ハルン

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第3章

No.124 友達2人しかいないんです

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「な、な、なっ!?」

顔を真っ赤に染めながら、ティアはサーシャを見詰める。そんなティアを、フフフッと笑いながら楽しそうにサーシャは見ていた。

(何で知ってるの!?)

確かに、「友だちの話なんだけど…」と定番とも言える言い方でサーシャに相談した。その為、告白されたのがティアだとバレたのは分かる。そこはまだ良い。

ーー問題は、告白して来た相手がクリスだとバレている事だ。

「そんなの、何時もティアちゃんと一緒に居るんだから分かるよ。それに、クリスさんがティアちゃんを好きなの知ってたから」
「えぇっ!?」
「クリスさんって、三人でいる時も何時もティアちゃんの事ばかり気にしてるんだもの。よくクリスさんと目が合わない?」

その言葉に、ティアは三人でいる時を思い出す。
確かに言われてみれば、クリスとサーシャが話している時でもクリスに視線を向ければ、必ずと言っていい程に目が合う。

(でもそれって、クリスが視線に敏感だからかと思ってた…)

「何より…いえ、何でも無いわ」

すると突然、サーシャが何かを言いかけて言葉を止める。それが凄く気になったティアは、サーシャに続きを言う様に頼む。最初は何でも無いと言っていたサーシャだったが、意外に引かないティアに根負けしてサーシャは躊躇いながら口を開く。

「………分かったわ。これから私の言う事は、全部私の勘違いかも知れないから気にしないでね?」
「うん」

頷くティアを見ながら、サーシャは話し出した。

「その…ね?ティアちゃんって、私とクリスさん以外にその…親しくしている方っていないなぁ~って…。えっと、別に悪い意味じゃ無いよ?ちゃんと、他の人と話してるの知ってるから!」

………つまり、サーシャの言いたい事はこうだ。

『ティアちゃんって、私とクリスさん以外に友達いないよね?』

「ティ、ティアちゃん!?」

性格にサーシャの言いたい事を理解したティアは、ガックリとベンチから地面に崩れ落ちる。

(うん、分かってるよ。私、サーシャとクリス以外に友達いないって事…)

今は、2人に加えてノアがいる。
しかし、他のクラスメイト達はどうだ?

(………うん、どう考えても少し話すだけのその他大勢の1人だよね)

最初、サーシャとクリス以外にも友達を作ろうと張り切って皆んなに積極的に声をかけた。しかし、クリスに一番近いティアに近付く女子は殆ど居なかった。何故なら、嫉妬心やクリスの過激派信者に目をつけられる事を恐れたからだ。

逆に男子は、最初は笑顔でティアに話しかけてくれた。しかし、時間が経つにつれて何処が引き攣った表情になり、最後は顔を青くしてあまり近付いて来なくなったのだ。そんな時は、何時もより優しい表情でクリスが慰めてくれた。

(………そういえばその人達、クリスを見ると顔を青くする様な…?)

まぁ、何が言いたいのかと言うと。

『ティアは友達が少ない』

サーシャにまでそう認識されていた(本当の事だけど)事実に、ティアは悲しくなってしまった。

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