魔女転生〜転生したらご主人様になりました!?〜

ハルン

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No.6 ダンテ

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「じゃあな、リオちゃん。明日も頑張ってな」
「お、お、お気を付けて…!」

食堂に居た最後の客を見送り、今日も何事も無く仕事を終えた事に莉緒はホッとする。宿泊客達も既に自身の部屋で休んでいるので、本日の莉緒達の仕事は終了した。

「終わったー!」
「カーラ、まだ少し片付けが残ってるだろ」

喜ぶカーラを、カールが冷静に落ち着かせる。テーブルに残った皿を片付けていると、厨房からミラが顔を出す。

「アンタ達、お疲れさん!」
「お、お疲れ様です」
「お母さん、お腹すいたー」
「オレも」

二人の子供達は、母親に空腹を訴える。

「そろそろ夕食の時間に近いからね。ほら!さっさとご飯が食べたいなら、残った仕事を片付けな!」
「はーい!」
「分かった」

母親の言葉に、子供達は素直に従う。

「リオも、働き詰めでお腹空いただろう?どうだい?少しは、仕事に慣れたかい?」
「え、えっと…。ま、まだ、少し緊張します。………けど、此処は嫌いじゃ無い…です」

莉緒の言葉に、ミラは嬉しそうに笑う。

「そうかい、そうかい!アタシも莉緒が此処で働いてくれて助かってるんだ。正直、アンタは人と接するのが苦手だ。だけど、真面目で働き者だ。そんなアンタと働くのは、アタシも好きさ」

ミラの言葉に、莉緒は嬉しくなって照れ臭そうに笑う。その時、食堂に人が入って来る。

「おっ、今日もご苦労さん」

そう言って、右頬に大きな傷のある大柄なスキンヘッドの男性が気軽に声をかける。

「おや、ダンテ。買い出しは終わったのかい?」
「まぁな。今回は良い肉が手に入ったよ。だから、今日の仕事は殆ど終わりだな」
「それは良かったじゃないか。こっちも、仕事が丁度終わった所だよ」

ミラと気軽に話すこの男性はダンテ。
この宿屋ダンテの経営者。つまり、莉緒達の雇い主だ。ダンテは、昔はミラの夫であるジェフと同じ警備隊に所属していたらしい。だが、彼の両親が亡くなったのを機に、両親達が経営していた宿屋を受け継いだのだ。宿屋を受け継いだはいいが、余りにも料理の腕が壊滅的なダンテを見兼ねて、ミラが厨房を取り仕切っているのだ。

ミラ曰くーー。

『ダンテに料理を任せたら、その日のうちに死人が出るよ』との事だ。

それはそれで、逆に興味があるが。

「あっ!ダンテおじちゃん!」
「おっ!カーラ、手伝い有難うな!」
「私、えらいでしょ?」
「えらいぞー。流石、働き者のミラとジェフの子だ!」

そう言って、ダンテはカーラを片手で軽々と持ち上げる。カーラは楽しそうに笑いながら、ダンテに今日の出来事を話している。

その間に、ミラとカールの三人で片付けを終える。

「じゃあね。私達は帰るよ」
「おう!いつもありがとうな!そうだ、ジェフと一緒にこれ食ってくれ」

そう言って、ダンテはミラに肉の包みを差し出す。

「いいのかい?」
「勿論だ。リオちゃんが働く様になって、客も随分増えたからな!懐が暖かくなってんだ。そのお礼だよ」

(そんな事は無いと思うけど…)

ダンテが優しい男性だと分かってはいるが、その風貌に未だ慣れない莉緒。だが、肉を分けて貰ったのでお礼を言う。

「お、お肉、あ、あああ、ありがとうございまひゅ…!」

ーー噛んだ。

「ガハハ!リオちゃんは、可愛いな!」

(死にたい….!)

「こら!あんまり笑ってやるんじゃ無いよ!これだから、アンタはモテないんだよ!」
「それは今関係ないだろ!?」
「ほら、三人とも帰るよ。あんまり遅くなると、ジェフが腹を空かして倒れちまうからね。今日は美味しい肉が食べれるよ」

騒ぐダンテを無視して、ミラは三人を連れて宿屋を出る。背後からダンテの声が聞こえるが、双子達は夕食のお肉の事で頭がいっぱいで気付かない。莉緒は、ペコリとダンテに頭を下げてからミラ達の後を追うのだった。


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