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No.35
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ここは、王都でも有数の宝石店『ティオール』。
現在、サーシャ達は『ティオール』にて美しく輝く宝石を見ていた。
「うわぁ!見て、サーシャ!このエメラルドのネックレス、すごく綺麗…」
「こっちのダイヤの耳飾りも素敵だわ」
そうやって宝石を見てはしゃぐ美少女達(主にティミア)を、ガダルは頬を染めて見つめていた。そんなガダルに、この店の支配人であるティム・ティオールが近付いて来た。歳の頃は40代程の茶髪に同じ瞳の男性だ。
「私は、当店の支配人であるティム・ティオールと申します。この度は、当店にガダル第二王子殿下自らお越し頂き、誠にありがとう御座います」
「母上から貴方の話は聞いている。今日は、無理を言って貸し切りにしてもらってすまないな」
「いいえ、とんでもございません」
ティムは、表情には出さないが内心驚いていた。
(ガダル第二王子殿下は、現在5歳だと伺ったが…)
5歳の子供が、これほど理性的に話すだろうか。
自身の子供が5歳の頃を思い浮かべるが、ガダルほど理性的では無かった。
(やはり、噂は本当の様だな)
王族の血を引く者は、成長が他よりも速い。
数ある噂の中の一つである。
「ねぇ、ガダル!この宝石を買ってくれない?」
その時、今まで宝石を見ていたサーシャがガダルに向かって宝石のおねだりをする。
「何でオレが、サーシャに買わなくちゃいけないんだよ!」
「あら、買ってくれないの?」
「当たり前だ!」
その言葉に、サーシャは態とらしく悲しい表情をする。
「……そう、残念だわ。この宝石、ティミアがとても気に入って欲しいって言った宝石なのに…」
その言葉に、ガダルは素早く反応する。
「なっ!?」
「手持ちのお金が少し足りないから、ガダルに買って貰おうと思ったんだけど…。ごめんね、ティミア。ガダルは、ティミアの為にお金なんて使いたく無いって」
「サ、サーシャ!私は、別にガ、ガダル様に買って貰おうなんて思ってないわ!お小遣いを貯めて、また今度買いに行くよ」
ティミアがそう言い終わると同時に、ティミアの前にガダルが立つ。
「………れだ」
「えっ?」
「だから、どれが欲しいんだ?」
「あの….」
「ティミアが欲しがってるのは、これよ」
戸惑うティミアを他所に、サーシャがエメラルドの宝石の付いた髪飾りをガダルに差し出す。しかも、ちゃっかりとサーシャも気に入ったガーネットの髪飾りと一緒に。
ガダルは、それらを受け取ると直ぐに会計を済ませてしまった。そうして、ティミアにたった今買ったエメラルドの髪飾りを差し出す。
「ガ、ガダル様…」
「受け取れ」
「でも…」
「お茶会で、ティ、ティミアの髪を引っ張った詫びだ。…そ、それとも何だ!オレの謝罪を受け取れないって言うのか!」
顔を真っ赤に染めて話すガダル。
そんな彼をジッと見つめて、ティミアは髪飾りを受け取った。
「……確かに、謝罪を受け取りました。ありがとうございます、ガダル様」
そう言って、嬉しそうに笑うティミアを見てガダルは更に真っ赤になって硬直してしまったのだった。
現在、サーシャ達は『ティオール』にて美しく輝く宝石を見ていた。
「うわぁ!見て、サーシャ!このエメラルドのネックレス、すごく綺麗…」
「こっちのダイヤの耳飾りも素敵だわ」
そうやって宝石を見てはしゃぐ美少女達(主にティミア)を、ガダルは頬を染めて見つめていた。そんなガダルに、この店の支配人であるティム・ティオールが近付いて来た。歳の頃は40代程の茶髪に同じ瞳の男性だ。
「私は、当店の支配人であるティム・ティオールと申します。この度は、当店にガダル第二王子殿下自らお越し頂き、誠にありがとう御座います」
「母上から貴方の話は聞いている。今日は、無理を言って貸し切りにしてもらってすまないな」
「いいえ、とんでもございません」
ティムは、表情には出さないが内心驚いていた。
(ガダル第二王子殿下は、現在5歳だと伺ったが…)
5歳の子供が、これほど理性的に話すだろうか。
自身の子供が5歳の頃を思い浮かべるが、ガダルほど理性的では無かった。
(やはり、噂は本当の様だな)
王族の血を引く者は、成長が他よりも速い。
数ある噂の中の一つである。
「ねぇ、ガダル!この宝石を買ってくれない?」
その時、今まで宝石を見ていたサーシャがガダルに向かって宝石のおねだりをする。
「何でオレが、サーシャに買わなくちゃいけないんだよ!」
「あら、買ってくれないの?」
「当たり前だ!」
その言葉に、サーシャは態とらしく悲しい表情をする。
「……そう、残念だわ。この宝石、ティミアがとても気に入って欲しいって言った宝石なのに…」
その言葉に、ガダルは素早く反応する。
「なっ!?」
「手持ちのお金が少し足りないから、ガダルに買って貰おうと思ったんだけど…。ごめんね、ティミア。ガダルは、ティミアの為にお金なんて使いたく無いって」
「サ、サーシャ!私は、別にガ、ガダル様に買って貰おうなんて思ってないわ!お小遣いを貯めて、また今度買いに行くよ」
ティミアがそう言い終わると同時に、ティミアの前にガダルが立つ。
「………れだ」
「えっ?」
「だから、どれが欲しいんだ?」
「あの….」
「ティミアが欲しがってるのは、これよ」
戸惑うティミアを他所に、サーシャがエメラルドの宝石の付いた髪飾りをガダルに差し出す。しかも、ちゃっかりとサーシャも気に入ったガーネットの髪飾りと一緒に。
ガダルは、それらを受け取ると直ぐに会計を済ませてしまった。そうして、ティミアにたった今買ったエメラルドの髪飾りを差し出す。
「ガ、ガダル様…」
「受け取れ」
「でも…」
「お茶会で、ティ、ティミアの髪を引っ張った詫びだ。…そ、それとも何だ!オレの謝罪を受け取れないって言うのか!」
顔を真っ赤に染めて話すガダル。
そんな彼をジッと見つめて、ティミアは髪飾りを受け取った。
「……確かに、謝罪を受け取りました。ありがとうございます、ガダル様」
そう言って、嬉しそうに笑うティミアを見てガダルは更に真っ赤になって硬直してしまったのだった。
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