極妻、乙女ゲームの世界に悪役令嬢として転生しちゃいました!

ハルン

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No.87

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その後、何事も無くパーティーが終わった。
ダリルとミランダ、サーシャの三人で招待客達を見送っていた。

「じゃあ、またねサーシャ。近いうちに、遊び話に来てね」
「えぇ。必ずお邪魔させてもらうわ」

力強く頷くと、ティミアの父ジルロがティミアに寄り添う。

「ティミア、挨拶は終わったかい?」
「うん、お父様」
「それじゃあ、帰ろうか。ダリル、今日はとても楽しかったよ」
「楽しんで貰えて嬉しいよ」

ダリルはそう言うと、ジルロに近付き小声で話す。

「………明日、聞いてもらいたい事があるんだ」
「………それは、先程の騒ぎの事か?」
「あぁ。少し面倒な事になりそうなんだ」
「………分かった。朝、登城したら私の執務室へ来てくれ。話は通しておく」
「助かる」
「それじゃあ、明日。サーシャ嬢も、何時でも我が家に来てくれ」
「はい」
「それじゃあ、ティミア行こう」
「はい。またねサーシャ」
「えぇ、またね」

小さく手を振るティミア達最後の客を見送るってから、サーシャはダリルに問いかける。

「ねぇ、お父様。アラン兄様は?」
「アランは、少し用事が出来てね」
「用事?」
「あぁ。先程騒ぎを起こした少女を家に送ってるんだ」

(あの子を?)

正直、意外だった。
幼い子供とはいえ、貴族のパーティーに無断でやって来て騒ぎを起こしたのだ。閉じ込めるまではしなくても、街の警備隊に引き渡すくらいはすると思っていた。

(それなのに、素直に家に帰すなんて…)

そんなサーシャの考えが分かったのだろう。ダリルは苦笑いしながら話す。

「サーシャの疑問は当然だ。本来なら、警備隊に引き渡すべきだろうね。私もそうしたかったんだが…」
「少し問題があったのよ」

ダリルの言葉を、使用人達に後処理の指示を出していたミランダが引き継ぐ。

「お母様」
「だから警備隊に引き渡す事が難しくて、代わりにアランに送らせたのよ」

そう言って、ミランダはダリルに寄り添う。

「お疲れ、ミランダ。今日は色々と疲れただろう?」
「大丈夫よ。これくらい出来なくて、貴方の妻なんて務まらないわ」
「流石、ミランダ」

そう言って娘の前でイチャイチャが始まる。

「私、疲れたから休むね」

そんな両親に一言いって、サーシャは自室に戻る。
そんな娘を見送ってから、ダリルはミランダの耳元で囁いた。

「さぁ、今日の収穫を話し合おうか」

その言葉に、ミランダは妖艶な笑みを浮かべながら頷いたのだった。
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