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No.99
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ルイスを伴いながら(勝手についてきている)図書館の入り口に戻る。入り口にてサーシャを待っていた護衛のザックは、ルイスを伴って現れたサーシャに軽く目を見開く。
「ザック、待たせてごめんね?」
「いえ、お時間までまだ時間がありますから。それより、いつも言っているでは無いですか。私は護衛です。そんな私に、主人であるサーシャ様が軽々しく謝罪するものではありません」
「じゃあ、感謝にするわ。待っててくれてありがとう、ザック」
「これなら問題ないでしょう?」と言わんばかりに、にっこりと笑うサーシャにザックは「仕方ないですね」と苦笑いをした。
そうして2人で話していると、横から声がかかる。
「ねぇ、サーシャ。護衛の彼とばかり話さないで、私とも話してくれないか?」
そう言って、ルイスはサーシャとザックの間に自然に割り込んで来た。しかも、さり気無くサーシャをザックから離し自身の方に引き寄せる。
「ザック殿…でしたね?私はルイス・フォトガデルと言います」
人当たりの良い笑みを浮かべながら、ザックに自己紹介をするルイス。しかし、男であるザックは気が付いた。その目には、嫉妬の感情が現れている事に。
その瞬間、ザックは正確に理解した。
ーー『この青年は、サーシャ様に惚れている』と。
理解した途端、ザックはルイスを警戒対象として認識した。
「ご挨拶が送れました。私は、アベルシュタイン家に使えるサーシャ様専属護衛騎士のザックと申します。サーシャ様には、朝から晩までお側で仕えています」
ザックが一部の言葉を強調しながら、ルイスに自己紹介をする。その瞬間、男達の見えない戦いが始まった。
「ザック殿。朝から晩までなどと、誤解を招く様な発言は控えるべきでは?(唯の護衛のくせに変な言い方してんじゃねーよ!)」
「確かに、言い方が少し悪かったですね。ですが、サーシャ様のお側に一日中いるのは事実ですから。………それに、旦那様よりお嬢様に近付く悪い虫を排除する様に言われており、この様な言い方をする様にと仰せつかっておりますので。(お前みたいなガキが、うちの可愛いお嬢様に近付こうなんて100年早いわ!)」
ザックの言葉に、ルイスは頷く。
「成る程、アベルシュタイン侯爵は過保護なんですね。確かに、サーシャほど可愛らしい娘を持つとそうなるのも分かります。ーーしかし、それでは将来サーシャの結婚に支障が出るのでは?(アランと同じくらい面倒そうだな、アベルシュタイン侯爵は…)」
「旦那様やアラン様は、常日頃からお嬢様はずっと家にいて良いとおしゃっておりますので、その心配はございません。(だから、お前みたいなガキはお呼びじゃ無いんだよ)」
どうやってあの親子を説得しサーシャと結婚するか考えるルイスと、大切なお嬢様を悪い虫(全ての男)から守ろうとするザック。ーーそして、そんな2人のやりとりを呆れた様な目で見つめるサーシャ。
そんなやりとりは、その後30分は続いたのだった。
「ザック、待たせてごめんね?」
「いえ、お時間までまだ時間がありますから。それより、いつも言っているでは無いですか。私は護衛です。そんな私に、主人であるサーシャ様が軽々しく謝罪するものではありません」
「じゃあ、感謝にするわ。待っててくれてありがとう、ザック」
「これなら問題ないでしょう?」と言わんばかりに、にっこりと笑うサーシャにザックは「仕方ないですね」と苦笑いをした。
そうして2人で話していると、横から声がかかる。
「ねぇ、サーシャ。護衛の彼とばかり話さないで、私とも話してくれないか?」
そう言って、ルイスはサーシャとザックの間に自然に割り込んで来た。しかも、さり気無くサーシャをザックから離し自身の方に引き寄せる。
「ザック殿…でしたね?私はルイス・フォトガデルと言います」
人当たりの良い笑みを浮かべながら、ザックに自己紹介をするルイス。しかし、男であるザックは気が付いた。その目には、嫉妬の感情が現れている事に。
その瞬間、ザックは正確に理解した。
ーー『この青年は、サーシャ様に惚れている』と。
理解した途端、ザックはルイスを警戒対象として認識した。
「ご挨拶が送れました。私は、アベルシュタイン家に使えるサーシャ様専属護衛騎士のザックと申します。サーシャ様には、朝から晩までお側で仕えています」
ザックが一部の言葉を強調しながら、ルイスに自己紹介をする。その瞬間、男達の見えない戦いが始まった。
「ザック殿。朝から晩までなどと、誤解を招く様な発言は控えるべきでは?(唯の護衛のくせに変な言い方してんじゃねーよ!)」
「確かに、言い方が少し悪かったですね。ですが、サーシャ様のお側に一日中いるのは事実ですから。………それに、旦那様よりお嬢様に近付く悪い虫を排除する様に言われており、この様な言い方をする様にと仰せつかっておりますので。(お前みたいなガキが、うちの可愛いお嬢様に近付こうなんて100年早いわ!)」
ザックの言葉に、ルイスは頷く。
「成る程、アベルシュタイン侯爵は過保護なんですね。確かに、サーシャほど可愛らしい娘を持つとそうなるのも分かります。ーーしかし、それでは将来サーシャの結婚に支障が出るのでは?(アランと同じくらい面倒そうだな、アベルシュタイン侯爵は…)」
「旦那様やアラン様は、常日頃からお嬢様はずっと家にいて良いとおしゃっておりますので、その心配はございません。(だから、お前みたいなガキはお呼びじゃ無いんだよ)」
どうやってあの親子を説得しサーシャと結婚するか考えるルイスと、大切なお嬢様を悪い虫(全ての男)から守ろうとするザック。ーーそして、そんな2人のやりとりを呆れた様な目で見つめるサーシャ。
そんなやりとりは、その後30分は続いたのだった。
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