JKは元女帝⁉︎

女帝、王様に会う1

ピンポーン。

「麗ちゃん～。ご飯食べに行こ～。」

(ん…。もうそんな時間か。)

重い瞼を擦りながら時計を見ると19時になっていた。ソファーから体を起こし必要最低限のものを持ち玄関に向かう。

「お待たせ。行こうか。」
「うん！部屋は大体片付いた？」
「うん。そんなに持ってきてなかったから。」
「そうなんだ。あっ！そうだ。あのね？今からもう1人誘って良い？私の幼馴染なんだけど。麗ちゃんに紹介したいなぁ。」
「萌の幼馴染？良いよ。」
「ありがとう！」

そして食堂に着くと。

「あっ。萌こっちだ。」
「洸くん！」

萌は自分を読んだ男子の側に私を引っ張って行く。その男子は萌と同じような短い茶色の髪をした可愛い系の男子だった。

「麗ちゃん、紹介するね？こっちは私の幼馴染の山崎洸くん。2年生なんだ。洸くん、こっちが私の友達の佐藤麗ちゃん！美人でしょ？」
「初めまして。山崎洸です。よろしくね佐藤さん。」
「佐藤麗です。麗で構いません。此方こそ宜しくお願いします山崎先輩。」

山崎先輩は、可愛い顔をしている割に落ち着いた雰囲気を持っていた。そのまま、山崎先輩が取っていてくれた席に座り各自、料理を注文し食事を始めた。

「噂の編入生がこんなに美人だとは思わなかったよ。」
「洸くん。噂って？」
「知らないの？お昼の出来事はもう噂になってるよ。それで編入生は怒らせたらいけない蒼の女帝って呼ばれてるんだよ。」
「何それ！かっこいいね！蒼の女帝だって。麗ちゃんにピッタリだね！麗ちゃんはどう思う？」
「蒼の女帝って…。何か恥ずかしいね。」

(実際は前世で女帝やってました。)

そんな事もちろん口が裂けても言えない。そんな事言ったら即、頭の痛い女の出来上がりだ。

「王様の次に女帝か～。」
「王様？」
「あっ。麗ちゃんは知らないよね？あのねこの学園には王様がいるの！」
「萌、それじゃ分からないだろ？この学園には王様って呼ばれる人が居るんだ。名前は鷹城恭弥。この学園の生徒会長で理事長の一人息子だよ。物凄い美形で頭も良い。この学園のトップさ。３年の彼を尊敬してる生徒も多いんだけど…。」
「だけど…？」
「うん。彼、素行に問題があるというか性格に問題があるというか…。」

うん、わかった。
言葉にしづらいタイプ何ですね？

「「「キャー‼︎」」」

突如聞こえた悲鳴に少し驚く。

「ああ。麗ちゃん、見てごらん。あの人が今話してた王様だよ。」