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鷹城恭弥
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あぁ、渇く。
何をしても何を手に入れても満たされない。
物心ついた時に感じた事。
ガキの頃から自分が周りの奴らと違う事は理解していた。何をしても一度で理解し出来てしまう。そんな俺を母親は不気味がった。そりゃあそうだろう。ガキの様に甘えたりワガママを言わず何でも1人で出来る俺は、さぞ薄気味悪く見えただろう。父親は、俺を大切に想っているがそんなことはどうでも良い。
(俺にとっちゃ親だろうが何だろうが全て駒だ。)
情を抱けないんだから仕方ないだろう。周りの人間、周りの物、強いて言うならこの世界全て違和感の塊だった。
(俺の中の何かが叫ぶ。違うと…。此処には俺の渇きを満たしてくれるモノは無いと。)
俺はこのまま一生この渇きに蝕まれ続けるだろう。ただ唯一。渇きが満たされる瞬間がある。ガキの頃からある夢を見る。暗い世界の中、唯一見える蒼。その色を見ている時だけ俺の渇きは満たされる。それと同時に芽生える想い。
(欲しい。アレが欲しい!俺はあの色を手に入れる為に!)
何でこんな事を思うのか自分でもわからねえ。父親の経営する学園に入っても何も変わらなかった。周りの人間は駒。寄ってくる女にも何も感じない。手当たり次第に抱くがそれでも満たされない。
そんな日々を過ごしていたある日、いつもの様に周りに纏わりついてくる女を引き連れ食堂に入った時。
ドクンッ‼︎
(っ!何だ?)
心臓が大きく鳴った。
息が詰まりそうな程うるさく鳴り続ける心臓。不思議に思いながらも顔を上げた時、1人の女が眼に映る。その途端また心臓が大きく跳ねた。
(アレだ。アレは俺と同類だ。やっと見つけた。)
女を見てすぐにそう思った。
この世界で初めて俺は自分の仲間を見つけた気がした。俺の視線に気付いて振り向いた女の瞳。
それは夢で見て焦がれ続けた<蒼>だった。
何をしても何を手に入れても満たされない。
物心ついた時に感じた事。
ガキの頃から自分が周りの奴らと違う事は理解していた。何をしても一度で理解し出来てしまう。そんな俺を母親は不気味がった。そりゃあそうだろう。ガキの様に甘えたりワガママを言わず何でも1人で出来る俺は、さぞ薄気味悪く見えただろう。父親は、俺を大切に想っているがそんなことはどうでも良い。
(俺にとっちゃ親だろうが何だろうが全て駒だ。)
情を抱けないんだから仕方ないだろう。周りの人間、周りの物、強いて言うならこの世界全て違和感の塊だった。
(俺の中の何かが叫ぶ。違うと…。此処には俺の渇きを満たしてくれるモノは無いと。)
俺はこのまま一生この渇きに蝕まれ続けるだろう。ただ唯一。渇きが満たされる瞬間がある。ガキの頃からある夢を見る。暗い世界の中、唯一見える蒼。その色を見ている時だけ俺の渇きは満たされる。それと同時に芽生える想い。
(欲しい。アレが欲しい!俺はあの色を手に入れる為に!)
何でこんな事を思うのか自分でもわからねえ。父親の経営する学園に入っても何も変わらなかった。周りの人間は駒。寄ってくる女にも何も感じない。手当たり次第に抱くがそれでも満たされない。
そんな日々を過ごしていたある日、いつもの様に周りに纏わりついてくる女を引き連れ食堂に入った時。
ドクンッ‼︎
(っ!何だ?)
心臓が大きく鳴った。
息が詰まりそうな程うるさく鳴り続ける心臓。不思議に思いながらも顔を上げた時、1人の女が眼に映る。その途端また心臓が大きく跳ねた。
(アレだ。アレは俺と同類だ。やっと見つけた。)
女を見てすぐにそう思った。
この世界で初めて俺は自分の仲間を見つけた気がした。俺の視線に気付いて振り向いた女の瞳。
それは夢で見て焦がれ続けた<蒼>だった。
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