JKは元女帝⁉︎

ハルン

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女帝、時を駆けたストーカーに再開する。

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こちらを見つめていたこの学園の王様は、暫く立ち止まっていたと思ったらいきなり此方に歩いてきた。周りの人達は、息を飲んで王様の動きを目で追う。そしてついに私の目の前で立ち止まった。

(?この人何だか見覚えがあるような…。)

「お前、名前は?」
「?佐藤麗です。」
「麗…。」

名前を呼ぶなり黙り込みこちらをジッと見つめてくる。余りにも強い視線に居心地が悪くなってきた時。

「お前、俺の女になれ。」
「…は?」

突然の事に反応が遅れた。
王様は私の後頭部に手を回すと引き寄せキスをした。

「「「嫌~‼︎」」」

周りの女子の悲鳴が聞こえる。山崎先輩と萌が唖然としてこちらを見ているのが分かる。私自身、何が起こっているのかいまいち理解していない。

チュッ。

男の唇が音を立て名残惜しそうに私の唇から離れる。

「お前は俺の女だ、麗。」

座っている私に合わせ少し屈み片手で私を抱き寄せ肩に顔を埋める。漸く頭が動き始める。

「…えっと。ごめんなさい。貴方の女にはなりません。」
「あ?何でだ?」
「いや、何でって言われても…。」

私は男の顔をジッと見る。

(何で見覚えがある気がしたのか思い出した。)

顔立ちは少し変わっているが間違い無い。
この男は前世で私を困らせた男だ。大国の王だったその男は、何故か私を気に入り自分の妃にしようといろんな手を使ってきた。王としてはとても素晴らしい男だった。王になるべくして生まれた男だと初めて見た時思った。そんな男が私に異常な執着を見せてきたのだ。

(当時はそりゃあ困った。どっかの国が戦争を仕掛けてくるよりも困った。一時期、アイツをどうするかという会議を国の重鎮達と三日三晩かけて本気で話し合った。)

『お前が何処にいようが必ず追いかけて俺のモノにする。』

最後に会った時の男の言葉が蘇る。

(だからと言って死んでまで追いかけて来るなんて…。)

その執念深さに恐怖を通り越していっそ感動すら覚える。
どうやら私は時を駆けたストーカーに再開したようだ。
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