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女帝、夢を見る。
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真っ赤な薔薇が咲き誇る広い庭。
(あぁ、ここは私の庭だ。)
かつて庭師に作らせた私だけの庭。
四方を薔薇に囲まれていて真ん中に椅子が一つある。辛いこと悲しいこと、何かあればいつもここに来て椅子に座っていた。
『今度はどうしました?』
『今度はってなんだ。』
『主人がここに来るのは何かしらあった時ですから。』
『よく知ってるな。』
『主人の事はなんでもお見通しです。』
この男はそうだった。
女帝として誰にも弱さを見せれない。常に気を張り走り続けてきた。そんな私を初めて見抜いた男。けれどこの男は、もっと自分を曝け出していいんですよとは言わずに誰も見ていない場所で。
『お疲れ様です。』
そう言ってくれた。
本当に嬉しかった。好きで王族に生まれたわけでは無い。けれど王族として生まれたからにはやるべき事がある。昔、知った様な口ぶりでこんな事を言った女がいた。。
『本当はもっと自由に生きたいですよね?本当の気持ちを曝け出してもいいんですよ?』
ふざけるなと思った。
確かに王族に生まれて色々縛られる事がある。時期国の王として周りに弱音は見せれない。いつでも強い王である事を求められる。けれどそれは自分で選んだ道だ。弱音を吐けない事は理解していた。それでも大切な国や民の為に王になる事を選んだ。そんな私の想いを土足で踏みにじられた様だった。
(だから嬉しかった。何も言わずただお疲れ様ですと言ってくれた事が。)
彼は本当に私のことを理解してくれていた。余計な事は言わずにただ私の側にいてくれた。
(まぁ、何より私の護衛だったからな。側にいなかったらそれはそれで問題だ。)
遠い昔の出来事。
かつて私を理解し支えてくれた大切な彼は幸せな人生を送っただろうか。
(あぁ、ここは私の庭だ。)
かつて庭師に作らせた私だけの庭。
四方を薔薇に囲まれていて真ん中に椅子が一つある。辛いこと悲しいこと、何かあればいつもここに来て椅子に座っていた。
『今度はどうしました?』
『今度はってなんだ。』
『主人がここに来るのは何かしらあった時ですから。』
『よく知ってるな。』
『主人の事はなんでもお見通しです。』
この男はそうだった。
女帝として誰にも弱さを見せれない。常に気を張り走り続けてきた。そんな私を初めて見抜いた男。けれどこの男は、もっと自分を曝け出していいんですよとは言わずに誰も見ていない場所で。
『お疲れ様です。』
そう言ってくれた。
本当に嬉しかった。好きで王族に生まれたわけでは無い。けれど王族として生まれたからにはやるべき事がある。昔、知った様な口ぶりでこんな事を言った女がいた。。
『本当はもっと自由に生きたいですよね?本当の気持ちを曝け出してもいいんですよ?』
ふざけるなと思った。
確かに王族に生まれて色々縛られる事がある。時期国の王として周りに弱音は見せれない。いつでも強い王である事を求められる。けれどそれは自分で選んだ道だ。弱音を吐けない事は理解していた。それでも大切な国や民の為に王になる事を選んだ。そんな私の想いを土足で踏みにじられた様だった。
(だから嬉しかった。何も言わずただお疲れ様ですと言ってくれた事が。)
彼は本当に私のことを理解してくれていた。余計な事は言わずにただ私の側にいてくれた。
(まぁ、何より私の護衛だったからな。側にいなかったらそれはそれで問題だ。)
遠い昔の出来事。
かつて私を理解し支えてくれた大切な彼は幸せな人生を送っただろうか。
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