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新たな人生
愛してる
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「おはよう。お父さん、お母さん」
朝、朝食を食べに1階に降りる。
「おはようレムリア」
「おはよう」
優しい笑顔でこちらを見つめる両親。
「全く寝坊助さんなんだから」
「いいじゃ無いか。寝る子は育つって言うしな」
「もう!あなたがそうやって甘やかすから!」
母に怒られ困った様に片手を頭に当てる父。その姿はかつての記憶と変わりない。
「…お父さん、お母さん」
「何?」
「どうした?」
こちらを見る両親に今の想いを伝える。
「私、2人の子供に生まれて良かった。大好きだよ」
…かつての両親はあんな風に死んでしまった私をどう思ったのか。優しく私を愛してくれていた2人はきっと凄く悲しんだだろう。私は子供が出来にくいと言われた2人の間にやっと生まれた子供だった。そんな私を両親はとても大切にしてくれた。
(そんな両親に何にもしてあげられなかった)
だから今世では両親に恩返しをすると決めている。気持ちもちゃんと口にする。
「どうしたの?急に。私も大好きよ」
「俺もレムリアが好きだよ」
そんな言葉に涙が溢れる。
「あれ?」
「まぁまぁ、どうしたの?この子ったら」
そう言って母は私を優しく抱きしめた。
「大丈夫よ、大丈夫」
赤子をあやすように優しく背中をさする。母の上から父も私を抱き締める。
「大丈夫だ。何があっても父さんが2人を守ってやるから」
父のその言葉に身体の力が抜ける。
(あぁそうか)
そうだ私は怖かったのだ。あの時、リュシュオンを庇った事は後悔していない。だけど死ぬと分かった時とても怖かった。大切な人たちとの別れがとても怖かった。
そんなレムの気持ちを憶えている。私は知っている。当たり前の日常がある日突然終わる事を。だから記憶が戻ってから不安だった。この日常がまた突然終わってしまうのでは無いかと。
「…ありがとう」
父の言葉がとても嬉しかった。
朝、朝食を食べに1階に降りる。
「おはようレムリア」
「おはよう」
優しい笑顔でこちらを見つめる両親。
「全く寝坊助さんなんだから」
「いいじゃ無いか。寝る子は育つって言うしな」
「もう!あなたがそうやって甘やかすから!」
母に怒られ困った様に片手を頭に当てる父。その姿はかつての記憶と変わりない。
「…お父さん、お母さん」
「何?」
「どうした?」
こちらを見る両親に今の想いを伝える。
「私、2人の子供に生まれて良かった。大好きだよ」
…かつての両親はあんな風に死んでしまった私をどう思ったのか。優しく私を愛してくれていた2人はきっと凄く悲しんだだろう。私は子供が出来にくいと言われた2人の間にやっと生まれた子供だった。そんな私を両親はとても大切にしてくれた。
(そんな両親に何にもしてあげられなかった)
だから今世では両親に恩返しをすると決めている。気持ちもちゃんと口にする。
「どうしたの?急に。私も大好きよ」
「俺もレムリアが好きだよ」
そんな言葉に涙が溢れる。
「あれ?」
「まぁまぁ、どうしたの?この子ったら」
そう言って母は私を優しく抱きしめた。
「大丈夫よ、大丈夫」
赤子をあやすように優しく背中をさする。母の上から父も私を抱き締める。
「大丈夫だ。何があっても父さんが2人を守ってやるから」
父のその言葉に身体の力が抜ける。
(あぁそうか)
そうだ私は怖かったのだ。あの時、リュシュオンを庇った事は後悔していない。だけど死ぬと分かった時とても怖かった。大切な人たちとの別れがとても怖かった。
そんなレムの気持ちを憶えている。私は知っている。当たり前の日常がある日突然終わる事を。だから記憶が戻ってから不安だった。この日常がまた突然終わってしまうのでは無いかと。
「…ありがとう」
父の言葉がとても嬉しかった。
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