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17、フギンの貢ぎ物
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「タンタカ、タカタカ、タンタンタ~ンっと、今日のお料理で用意する材料は~コレだ!」
ひよこがいつの間にか『ヒヨヒヨ』から『コケコケ』言いだしたとたんに毎日一つづつ産んでいる金のたまご。
毎日大量に出るのでストックが尽きないアウズンブラさんのミルク。
お散歩でゲットしてオイル漬けにしといた豆。コレ《バニラビーンズ》だった。
あと、ヘイムダルさんからもらったハチミツ。やっぱ、熊さんじゃん?
「そしてリュックから取り出すは、パッパパーン! 神器の楯《スヴェル》~!」
《冷やすもの》だそうで。
そうです。オレが今日、今から作る料理は、ヒンヤリデザート!
《アイスクリーム》だ!
「きれいに『洗浄』して。容器にした《スヴェル》に、材料をぶち込んで」
カンカン! パカ! カンカン! パカ!
ドプ、ドプ、ドプ、ドプ!
ジュル、ザリ、ザリ、ザリ。
トロトロトロ~ン。
んで、この枝。《世界樹の枝》、神器《ニングルの素》……。ビミョー。でも震えるからコレを使わせて貰おう。
シャカ、シャカ、シャカ、シャカ、シャカ、シャカ、シャカ、シャカ!
「おおう。出来た。出来てしまった? どれどれ。……。うま?! え?! このアイス美味!」
やべえ。味見したら、止まらねえ。
収納しよう。
「コレ、フッラさんにも持って帰ろう」
まだつわりが辛そうだもん。
あ、ヘイムダルさんも。ハチミツが入ってるから好きそうだし。
貰ったハチミツだけど。
ミーミルさん……。
持って行かないと、食べに来ちゃうだろうなぁ。
小分けしてっと。あ、オレの分も。
「よし。オーディン様の所に持って行こう! ほら、おまえらもおいで!」
「ウオン!」「おん!」「かあ!」「カア~ン」
「フギン。ちゃんとおいで」
「カア」
可愛いぞ! モフっとこう。
「オーディン様。ご相談があります! 今、よろしいですか?」
「ん? リック、なんだ?」
やべえ。オーディン様ってワインしか飲まないんだった?!
よし、ここは思い切ってアイスに《上田 陸 垂涎の酒》をぶっかけて渡してみよう。
ついでにゲリとフレキにもアイスだけをを器に入れて出してやる。
「あ、この、コレをまず、召し上がって下さい!」
「ほう? イイ匂いだ。酒を凍らせたか? ンッ?! コレはなんだ?!」
「フギンからのお土産を使って、アイスクリームを作ってみました。お口に合いましたでしょうか?」
ゲリとフレキはまだ、からっぽの器を抱え込んで嘗めている。
しっぽがちぎれそうなぐらい、バッサバッサ振ってるよ。美味かったんだな。
で、肝心のオーディン様は……。
はい?
「おい」
スプーンを手に、器をオレに突き出して来た。
器を離す気配はない。
コレは『おかわり』ですね?
オーディン様が手にしている器にアイスを盛りつけ、蜜酒をかけた。
「リック、その酒をグラスにも用意しろ」
あ、やっぱり? ワイン以外も飲むんだ?
「で、相談とはなんだ? 給金が少ないのか?」
「あ、違います! 沢山頂いてます! 実はコレの事で。全部フギンがオレに持って来たんですが、ひょっとしてオーディン様の物を勝手に持って来てないですか?」
「ん? ああ。そこの腕輪はフギンが欲しがったので与えたが。どれどれ? フギンの貢ぎ物を見せて貰おうか」
「はい。あの、オーディン様。この辺の物はどうすれば良いのでしょうか?」
「ほう? リックはこれらの価値が分かるのか? そうだな?」
あ、やべえ。
《知恵》さんお仕事して。
「あ、えっと、知り合いのアラクネーが、魔力を感じるとか言うんで、オレには使いこなせないので、オーディン様にお聞きして適切な場所におさめて頂きたく思いまして」
「ほう? で、このアイスクリームとやらか? ああ、酒は置いて行けよ? どうせまだ有るのだろう?」
いや、有るけど、ソレは賄賂じゃねえんだが。
アイスと交互にお召し上がりですか……。
「この楯で、そのアイスクリームを作りました。でも、他は使い道が分からなくて」
「そうなのか? だが、その楯《スヴェル》は使いこなせたのだな?」
「いえ、ただ、ご覧の通り、ヒンヤリしたので凍らせるのに、器として使ったんで、楯としては使いこなせてないですから」
「ふむ。ソレ等はフギンの貢ぎ物だ。君が使えるならば、持っていなさい」
いや、使えてねえし。
そもそも、使い方が違うし。
「使えそうにないんですけど?」
「まあ、フギンがよいならば、私はコレが気に入ったのだがな? 何と引き換えで譲ってくれる?」
アレは《世界樹の枝》で、《グングニルの柄》だったよな?
「その枝はどうするんですか?」
「コレは必ず的を貫く槍になる。どこに投げても、作った者に戻って来るから便利だ」
へえー、そうなんだ。
新しい《知識》ゲットだ。使えねえけどさ。
「では、オレには必要ないものです。オーディン様に差し上げます。フギンも、良いよな?」
「カア」
おうふ。コクンって頷いた! 可愛いじゃん! 後でモフろう。
「ちゃんと使いこなせる人に渡った方がオレは良いんで、他も、お願いします」
「そうか。ならば、ギンギョルズの刀帯はトールにくれてやればよい。他はリックが持っていなさい」
「ハア、はい」
結局二つしか引き取って貰えないのか。
なあ、フギンさん? お土産はもういいよ?
「カアアアア~ンッ」
あ、やべえ、拗ねた。
モフっとこう。
ひよこがいつの間にか『ヒヨヒヨ』から『コケコケ』言いだしたとたんに毎日一つづつ産んでいる金のたまご。
毎日大量に出るのでストックが尽きないアウズンブラさんのミルク。
お散歩でゲットしてオイル漬けにしといた豆。コレ《バニラビーンズ》だった。
あと、ヘイムダルさんからもらったハチミツ。やっぱ、熊さんじゃん?
「そしてリュックから取り出すは、パッパパーン! 神器の楯《スヴェル》~!」
《冷やすもの》だそうで。
そうです。オレが今日、今から作る料理は、ヒンヤリデザート!
《アイスクリーム》だ!
「きれいに『洗浄』して。容器にした《スヴェル》に、材料をぶち込んで」
カンカン! パカ! カンカン! パカ!
ドプ、ドプ、ドプ、ドプ!
ジュル、ザリ、ザリ、ザリ。
トロトロトロ~ン。
んで、この枝。《世界樹の枝》、神器《ニングルの素》……。ビミョー。でも震えるからコレを使わせて貰おう。
シャカ、シャカ、シャカ、シャカ、シャカ、シャカ、シャカ、シャカ!
「おおう。出来た。出来てしまった? どれどれ。……。うま?! え?! このアイス美味!」
やべえ。味見したら、止まらねえ。
収納しよう。
「コレ、フッラさんにも持って帰ろう」
まだつわりが辛そうだもん。
あ、ヘイムダルさんも。ハチミツが入ってるから好きそうだし。
貰ったハチミツだけど。
ミーミルさん……。
持って行かないと、食べに来ちゃうだろうなぁ。
小分けしてっと。あ、オレの分も。
「よし。オーディン様の所に持って行こう! ほら、おまえらもおいで!」
「ウオン!」「おん!」「かあ!」「カア~ン」
「フギン。ちゃんとおいで」
「カア」
可愛いぞ! モフっとこう。
「オーディン様。ご相談があります! 今、よろしいですか?」
「ん? リック、なんだ?」
やべえ。オーディン様ってワインしか飲まないんだった?!
よし、ここは思い切ってアイスに《上田 陸 垂涎の酒》をぶっかけて渡してみよう。
ついでにゲリとフレキにもアイスだけをを器に入れて出してやる。
「あ、この、コレをまず、召し上がって下さい!」
「ほう? イイ匂いだ。酒を凍らせたか? ンッ?! コレはなんだ?!」
「フギンからのお土産を使って、アイスクリームを作ってみました。お口に合いましたでしょうか?」
ゲリとフレキはまだ、からっぽの器を抱え込んで嘗めている。
しっぽがちぎれそうなぐらい、バッサバッサ振ってるよ。美味かったんだな。
で、肝心のオーディン様は……。
はい?
「おい」
スプーンを手に、器をオレに突き出して来た。
器を離す気配はない。
コレは『おかわり』ですね?
オーディン様が手にしている器にアイスを盛りつけ、蜜酒をかけた。
「リック、その酒をグラスにも用意しろ」
あ、やっぱり? ワイン以外も飲むんだ?
「で、相談とはなんだ? 給金が少ないのか?」
「あ、違います! 沢山頂いてます! 実はコレの事で。全部フギンがオレに持って来たんですが、ひょっとしてオーディン様の物を勝手に持って来てないですか?」
「ん? ああ。そこの腕輪はフギンが欲しがったので与えたが。どれどれ? フギンの貢ぎ物を見せて貰おうか」
「はい。あの、オーディン様。この辺の物はどうすれば良いのでしょうか?」
「ほう? リックはこれらの価値が分かるのか? そうだな?」
あ、やべえ。
《知恵》さんお仕事して。
「あ、えっと、知り合いのアラクネーが、魔力を感じるとか言うんで、オレには使いこなせないので、オーディン様にお聞きして適切な場所におさめて頂きたく思いまして」
「ほう? で、このアイスクリームとやらか? ああ、酒は置いて行けよ? どうせまだ有るのだろう?」
いや、有るけど、ソレは賄賂じゃねえんだが。
アイスと交互にお召し上がりですか……。
「この楯で、そのアイスクリームを作りました。でも、他は使い道が分からなくて」
「そうなのか? だが、その楯《スヴェル》は使いこなせたのだな?」
「いえ、ただ、ご覧の通り、ヒンヤリしたので凍らせるのに、器として使ったんで、楯としては使いこなせてないですから」
「ふむ。ソレ等はフギンの貢ぎ物だ。君が使えるならば、持っていなさい」
いや、使えてねえし。
そもそも、使い方が違うし。
「使えそうにないんですけど?」
「まあ、フギンがよいならば、私はコレが気に入ったのだがな? 何と引き換えで譲ってくれる?」
アレは《世界樹の枝》で、《グングニルの柄》だったよな?
「その枝はどうするんですか?」
「コレは必ず的を貫く槍になる。どこに投げても、作った者に戻って来るから便利だ」
へえー、そうなんだ。
新しい《知識》ゲットだ。使えねえけどさ。
「では、オレには必要ないものです。オーディン様に差し上げます。フギンも、良いよな?」
「カア」
おうふ。コクンって頷いた! 可愛いじゃん! 後でモフろう。
「ちゃんと使いこなせる人に渡った方がオレは良いんで、他も、お願いします」
「そうか。ならば、ギンギョルズの刀帯はトールにくれてやればよい。他はリックが持っていなさい」
「ハア、はい」
結局二つしか引き取って貰えないのか。
なあ、フギンさん? お土産はもういいよ?
「カアアアア~ンッ」
あ、やべえ、拗ねた。
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