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番外編など

子供でいるって難しい。伯父上とお勉強。 <ライナス視点⑤>

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お昼を食べ終わって伯父上の部屋に向かう。
リオ姉に『ライナスも来る?』って聞かれたけど、出来上がりを楽しみにしてるからって言って断った
本当はちょっと行ってみたかったけど、伯父上に呼ばれてたしルイ兄とリオ姉のお父様のことの方が気になってたから。
どんな人だったのかな。なんで母上と別れることになったんだろう。
知りたいことがいっぱいある。
朝と同じように伯父上の部屋を訪ねると、待ってたよと迎え入れてくれた。




机に座ってペンを手に取る。
テーブルの上には伯父上が書いてくれた見本。
何枚もある見本はすごく難しい言葉は使ってないけど、ちゃんとした大人の文章だ。
家族以外の人に手紙を書くのは初めてだからちょっと緊張する。

『丁寧に、相手が読みやすい字を書くのが大切だよ』

伯父上の説明を思い浮かべながら慎重に手を進めていく。
早くは書けなくても、ゆっくり、丁寧に。
伯父上の机にはたくさんの書類があるのにどんどん書き終わっていく。
この見本も何も見ないでさらさらと書いてたし、書き方を覚えるくらいいっぱい書いてるんだろうなぁ。
同じようにはできないけど真剣に考える。
見本は見本だから真似するのはいいけど同じにしちゃダメだ。
僕がどうして知りたいと思ってるのか自分の言葉で書いていく。
兄上たちはなんでお父様と離れて暮らすことになったのか。
母上が伯父上の元に戻ってきた理由は何か。
本当のお父様である人と会えないのはなぜか。
知りたいです。

僕はこれからも今までと同じようにルイ兄とリオ姉と一緒にいてもいいのか。

書き終わって伯父上に見てもらう。
手を止めて僕の書いた手紙を見てくれる伯父上の表情をどきどきしながら見る。
真剣な顔で読み終えた伯父上の顔が笑顔に変わる。

「うん、よく書けているね」

最初でこれなら上出来だと褒めてくれた。
ほっとして笑顔になる。

「文字も丁寧で読みやすいよ。
これならこのまま送れる」

「本当ですか!」

書き直しって言われると思ったけどそのまま使えるって!

「うん、ミオンからも聞いていたけれど、よく勉強しているみたいだね。
定型文そのままじゃなくてちゃんと自分の言葉で書けていて素晴らしい」

あんまりにも褒められて口が勝手ににやにやしちゃう。
えへへと照れてると伯父上からまた紙を渡された。

「後は『精霊のいとし子』関連の部署と婚姻や離縁関係は教会、それから事件については騎士団と法務局に記録がある。
それらにも手紙を送らないといけないから頑張ろう」

最初に書いていた貴族の家系を記録しているところに加えてまだまだ手紙を書かないといけないって!
終わりじゃないの!?
ちょっとショックを受けつつ座り直してペンを手に取る。
それぞれの宛先に合わせて少しずつ内容を変えながら手紙を書いていく。
結局今日中には終わらなくて、明日も伯父上のところで手紙を書くことになった。
夕食の席で明日は一緒に遊びに行こうとリオ姉に誘われて伯父上を見てしまう。
どうしたらいいのかと思った僕へにっこりと微笑み、「朝だけ勉強をしたら午後は外に遊びに行ってもいいよ」と言ってくれた。
どうやって内緒にしようか困ったけど、伯父上に勉強を教わっているということになった。これなら大丈夫。
伯父上すごい。
でも、嘘でもないよね。
手紙の書き方とかどういう部署が何をしているのかとかも教わったし。
とっても勉強になったよね、うん。


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