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第37話 なんと恐ろしい組み合わせ
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これは、間違いなく貴族どころか王族ですら衝撃を受ける美味しさであろう。
そしてわたくしは、白いクリームの衝撃によりソウイチロウ様から食べさせてもらった事はかき消されてしまい、分けて貰ったわたくしの分のパイを一口大に切って食べようとするのだがフォークとスプーンではうまく切れずにもたもたしてしまう。
「シャーリー。 これはパイを横から割いて食べると良いぞ」
そんなわたくしを見てソウイチロウ様がこの料理の食べ方を教えてくれる。
確かに、縦には切り難いのだが横へは簡単に割ける事ができた。
そしてまだ温かいパイの上に冷たくて白いクリームを乗せて口へと運ぶ。
温かくサクサクとした食感のパイに、冷たくて甘いクリームが口の中で合わさる。わたくしの想像していたその更に上の美味しさでわたくしを殴って来るではないか。
冷たく白いクリームは確かに衝撃を受ける程美味しかったのだが牛乳が苦手な者はその乳臭さや、それ故に感じるくどさが苦手だという者もいるだろう。しかしそれらはパイを焼き上げた香りによって相殺されいくらでも食べられてしまいそうと思えてしまう。
ただでさえシノミヤ家に嫁いで来てからというもの、食べ物が毎回美味しすぎて食べ過ぎてしまいがちになっているにも関わらずこのような食べ物に出会うなど……ここから先は想像もしたくない、こんなの正に悪魔の食べ物ではないか。
そして恐ろしいのが一緒に運ばれて来た緑色の『めろんそーだ』という飲み物である。
飲み慣れないその味に戸惑いこそしつつしっかりと甘く、しかしながらシュワシュワと口の中で弾ける不思議な感触が甘ったるさを感じさせないどころか、口に残ったパイと白いクリーム(ソウイチロウ様曰く『そふとくりーむ』というらしい)の甘ったるさも一緒に洗い流してくれるではないか。
これは、本当に食べる手が止まりませんわっ!!な、なんと恐ろしい組み合わせなのかしら……っ!!
体重の増加だけは気を付けなければ……。
そしてわたくしはそう心の中で決意しつつ、目の前にある料理とドリンクをペロリと平らげてしまうのであった。
◆
「シャーリー、ちょっと今時間大丈夫か?」
「はい、大丈夫ですけれども……何かわたくしに用事でしょうか?」
衝撃的な食べ物との出会いから数週間後。
ソウイチロウ様が珍しくわたくしに用事があるらしく呼び止めてくる。
一瞬だけ夜伽のお誘いかもと想像したのだが、ソウイチロウ様の表情からそうではない事が窺えて来る。
──────────────────────────────────────────
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第17回ファンタジー小説大賞にて下記作品をエントリーしますので良ければ読んでいただけると幸いです(*‘ω‘ *)ノ
タイトル【おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ】
●新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の子供達とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。
そしてわたくしは、白いクリームの衝撃によりソウイチロウ様から食べさせてもらった事はかき消されてしまい、分けて貰ったわたくしの分のパイを一口大に切って食べようとするのだがフォークとスプーンではうまく切れずにもたもたしてしまう。
「シャーリー。 これはパイを横から割いて食べると良いぞ」
そんなわたくしを見てソウイチロウ様がこの料理の食べ方を教えてくれる。
確かに、縦には切り難いのだが横へは簡単に割ける事ができた。
そしてまだ温かいパイの上に冷たくて白いクリームを乗せて口へと運ぶ。
温かくサクサクとした食感のパイに、冷たくて甘いクリームが口の中で合わさる。わたくしの想像していたその更に上の美味しさでわたくしを殴って来るではないか。
冷たく白いクリームは確かに衝撃を受ける程美味しかったのだが牛乳が苦手な者はその乳臭さや、それ故に感じるくどさが苦手だという者もいるだろう。しかしそれらはパイを焼き上げた香りによって相殺されいくらでも食べられてしまいそうと思えてしまう。
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これは、本当に食べる手が止まりませんわっ!!な、なんと恐ろしい組み合わせなのかしら……っ!!
体重の増加だけは気を付けなければ……。
そしてわたくしはそう心の中で決意しつつ、目の前にある料理とドリンクをペロリと平らげてしまうのであった。
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「シャーリー、ちょっと今時間大丈夫か?」
「はい、大丈夫ですけれども……何かわたくしに用事でしょうか?」
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