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水素
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ケイに青い塊の付いた羽根を良く見せてもらう。
透明ではあるので、塊にまとわり着かれた羽根の毛先がグルグルに巻き取られてカールしている。
赤い空を透かしてみると紫色に見える。
そして大事な事を確認しないとな。
会話できるのか?
自分が考えるとすぐに青い塊に突起が二本生えてブンブンと振られた。
……ケイ達と同じみたいだな。
これは何だろう。
ピコンッ
――――――――――---‐
水素
――――――――――---‐
水素って言う物の塊か。
羽根を下に向けると青い塊は嫌がるように上に寄った。
これって軽いのか?
……突起が縦に振られる。
もしかして、羽根から離れたら飛んでいってしまうとか?
……縦か。
自分が中に入ったら一緒に飛べたりするのか?
……回転?嬉しいのか。
移動してみる。
そうしてから羽根からそうっと離れる。
浮かび上がるのを期待して待っていたが、ケイ達が二つ重なった位の高さを維持して飛ばなかった。
そうか……飛べないのか……浮かぶだけか。
うわっ!
自分が入ったままの青い塊が地面に落ちた。
塊の色が濁っていく。
おまけにプルプル震え出す。
この感じは困っているな。
自分が入ってなければ飛べるんだろうな……自分は石だしな……飛べなくて当たり前か。
突起が地面に這いつくばり、先端だけ持ち上げてプルプルしている。
この感じは……ごめんなさい?
……縦か。
お前の特徴なだけだろ。謝らなくていい。
まあ仕方ないと思って進むかと指示を出そうとした処で、横にあった草が揺れて何かが飛び出して来て取り付かれた!
何だ?と次の反応をする前に、目の前で何かがチカッと光って途端に自分は光に飲まれた。
光と一緒に風が四方に勢い良く散っていく。
…………驚いた~っ!
いきなりの爆発だったな。
自分は地面に転がっていた。
慌てて寄ってきたセンの突起で黒い汚れを落とされ、ケイの突起で磨かれた。
自分ツルピカに復活!
水素の奴は……いない?
代わりに何か動物が三匹転がっている。
すべてに焦げがあるので爆発に巻き込まれたんだろう。
そして発生源はきっと水素だ。
次は水素は集めない事にする!
じゃあ爆発のきっかけを作った動物を観察しよう。
大きさはケイ達と同じくらい。
四本足で太いしっぽ。
開きっぱなしの口には上下にかち合わせる長い歯が生えていた。
あのチカッは歯のかち合って出来た物だったんだな。
火花と言うやつだ。
それを水素の中で作って爆発したってことは、水素は危ないって事だな。
それで、この動物でケイ達の仲間は作れるかな?
センが縦に振っている。
ケイに動きは無し。
試してみるか。
センに動物を一ヵ所に集めてもらって、自分をその上に置いてもらう。
出て来てくれ!
ズルズルと何か集まって来ている感じはする。
ケイ達みたいにスルッとはいかないようだな。
時間を掛けて待っているとフワリと持ち上げられる感覚を覚えた。
終わったか。
でも包まれてはいない。
ケイ見せて。
持ち上げてもらって確認。
動物の上にケイ達の三分の一くらいの大きさで半透明の赤い塊がいた。
動物の体そのものは残っている。
会話できるか?
スチャッと頭のてっぺんに突起が飛び出して主張した。
教えなくても突起を使いこなしている。
お前は何で出来ているんだ?
ピコンッ
――――――――――---‐
血液
――――――――――---‐
なるほど血液か。
血抜きしたってことか。
残された動物の体を見る。
なんとなくもったいない。
これってどうにか出来ないか?
赤い塊はプルプル震えていたがブワッと薄く広がって動物を包み込んだ。
何事かと思っていたが、しばらくすると動物の体毛が赤く染まり三匹とも起き上がった。
生き返った?
……三匹揃って首を横に振っている。
血液が中に入ってるのか?
……三匹揃って首を縦に振っている。
中から動かしているのか。
血液とは興味深い。
よし、お前の名前はセキにしよう。
三匹が顔を見合わせている。
そしてこっちを見て首を傾げた。
もしかして個別に名前が欲しいのか?
透明ではあるので、塊にまとわり着かれた羽根の毛先がグルグルに巻き取られてカールしている。
赤い空を透かしてみると紫色に見える。
そして大事な事を確認しないとな。
会話できるのか?
自分が考えるとすぐに青い塊に突起が二本生えてブンブンと振られた。
……ケイ達と同じみたいだな。
これは何だろう。
ピコンッ
――――――――――---‐
水素
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水素って言う物の塊か。
羽根を下に向けると青い塊は嫌がるように上に寄った。
これって軽いのか?
……突起が縦に振られる。
もしかして、羽根から離れたら飛んでいってしまうとか?
……縦か。
自分が中に入ったら一緒に飛べたりするのか?
……回転?嬉しいのか。
移動してみる。
そうしてから羽根からそうっと離れる。
浮かび上がるのを期待して待っていたが、ケイ達が二つ重なった位の高さを維持して飛ばなかった。
そうか……飛べないのか……浮かぶだけか。
うわっ!
自分が入ったままの青い塊が地面に落ちた。
塊の色が濁っていく。
おまけにプルプル震え出す。
この感じは困っているな。
自分が入ってなければ飛べるんだろうな……自分は石だしな……飛べなくて当たり前か。
突起が地面に這いつくばり、先端だけ持ち上げてプルプルしている。
この感じは……ごめんなさい?
……縦か。
お前の特徴なだけだろ。謝らなくていい。
まあ仕方ないと思って進むかと指示を出そうとした処で、横にあった草が揺れて何かが飛び出して来て取り付かれた!
何だ?と次の反応をする前に、目の前で何かがチカッと光って途端に自分は光に飲まれた。
光と一緒に風が四方に勢い良く散っていく。
…………驚いた~っ!
いきなりの爆発だったな。
自分は地面に転がっていた。
慌てて寄ってきたセンの突起で黒い汚れを落とされ、ケイの突起で磨かれた。
自分ツルピカに復活!
水素の奴は……いない?
代わりに何か動物が三匹転がっている。
すべてに焦げがあるので爆発に巻き込まれたんだろう。
そして発生源はきっと水素だ。
次は水素は集めない事にする!
じゃあ爆発のきっかけを作った動物を観察しよう。
大きさはケイ達と同じくらい。
四本足で太いしっぽ。
開きっぱなしの口には上下にかち合わせる長い歯が生えていた。
あのチカッは歯のかち合って出来た物だったんだな。
火花と言うやつだ。
それを水素の中で作って爆発したってことは、水素は危ないって事だな。
それで、この動物でケイ達の仲間は作れるかな?
センが縦に振っている。
ケイに動きは無し。
試してみるか。
センに動物を一ヵ所に集めてもらって、自分をその上に置いてもらう。
出て来てくれ!
ズルズルと何か集まって来ている感じはする。
ケイ達みたいにスルッとはいかないようだな。
時間を掛けて待っているとフワリと持ち上げられる感覚を覚えた。
終わったか。
でも包まれてはいない。
ケイ見せて。
持ち上げてもらって確認。
動物の上にケイ達の三分の一くらいの大きさで半透明の赤い塊がいた。
動物の体そのものは残っている。
会話できるか?
スチャッと頭のてっぺんに突起が飛び出して主張した。
教えなくても突起を使いこなしている。
お前は何で出来ているんだ?
ピコンッ
――――――――――---‐
血液
――――――――――---‐
なるほど血液か。
血抜きしたってことか。
残された動物の体を見る。
なんとなくもったいない。
これってどうにか出来ないか?
赤い塊はプルプル震えていたがブワッと薄く広がって動物を包み込んだ。
何事かと思っていたが、しばらくすると動物の体毛が赤く染まり三匹とも起き上がった。
生き返った?
……三匹揃って首を横に振っている。
血液が中に入ってるのか?
……三匹揃って首を縦に振っている。
中から動かしているのか。
血液とは興味深い。
よし、お前の名前はセキにしよう。
三匹が顔を見合わせている。
そしてこっちを見て首を傾げた。
もしかして個別に名前が欲しいのか?
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