不揃いの七勇者〜七人目の勇者は、かつて帝国を裏切った婚約者でした〜

水先 冬菜

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人間嫌いの勇者

勇者を補佐する聖女

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 勇者が魔王軍を撃退してから三年の月日が流れた。

 今も"勇者"と呼ばれる救世の英雄達によって、魔王軍の侵攻は停滞し、人類は束の間の平和を感じ取っている。

 だというのに…………。

龍薙湊たつなぎみなと。《世界勇者評議会》の名の元、あなたの身柄を拘束します」

 俺、龍薙湊は面倒な連中に追われていた。

 何でも、俺が女神に選ばれた最後の勇者らしい。

 そんでもって、世界的にも有名な、あの『魔王撃退戦』に参加しなかったもんだから、《世界勇者評議会》なる連中が出来て、何かと、魔王軍と戦わせようと、俺に強要してくるのだ。
 
 面倒なんで、断り続けて…………。

 力でものを言わせに来たら、力ずくで排除して来た。

 その結果が今であり、いつもの如く、こいつらを力ずくで排除。

 悠々と帰宅しようとした。

 だが、今回はいつもと違って、また面倒な奴が出て来た。

「今日という今日は連れて行きますからね!!」

 俺はそいつの顔を見た瞬間、思わず目を細めて、あからさまに舌打ちをする。

 そいつは弓を構えて、矢を俺に放った。

 俺はそれを余裕で避けて、そいつの前へと距離を詰めると--------

「うっ…………!!」

 そいつの腹を思いっきり殴り飛ばした。

 そして、そいつに馬乗りになり、殴る。

 殴る殴る殴りまくる!!

 そいつに怨嗟の籠もった拳を奮い、憎々しげな眼差しで睨み付け、そいつが意識を失っても殴り続けた。

 気が付いた時には、そいつの顔は観るも無残な姿で横渡っており、俺の両腕はそいつの血で真っ赤に染まっていた。

「二度とその顔を見せんな…………」

 俺は立ち上がると、トドメにそいつの顔を蹴り飛ばした。

 ズタボロになったそいつを町の住民やら、《世界勇者評議会》の連中が心配そうに慌てて駆け寄った。

 中には、俺に対する罵倒やら、非難の言葉めあったが…………。

「あぁ……?」

 俺がひと睨みすると、顔を恐怖に歪め、押し黙る。

 俺にとっては、いつもの光景で、非常に不愉快な日常だ。

「ま、待って…………」

 そいつが意識を朦朧もうろうとさせながら、俺に手を伸ばそうとしているようだが、そんなもん無視して再び歩き出す。

 そいつの名は『朝香あさかユカリ』--------


 "勇者を補佐する聖女"にして、俺をだ。
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