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人間嫌いの勇者
邪神化
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「みんな滅びてしまえ!!」
「全員避けて!」
「「「「「っ!?」」」」」
突然のアルテヌスからの攻撃に、女神達は戸惑いながらも、何とか避ける。
だが、放たれた攻撃が、女神達が避けた先にあった山を跡形もなく吹き飛ばしていた。
「何ていう事を…………」
「アルテヌス! あなた自分が一体、何を--------」
「うるさい…………」
アルテヌスはもう正気とは言えるものではなかった。
目は黒く染まり、何か黒いモヤを立ち上がらせている。
それを見て、女神達はアルテヌスに何が起きたのかを察した。
『邪神化』
神々の身に起きる病にも似た症状だ。
『邪神化』した神は正気を失い、ただ心赴くまま、ありとあらゆる者を殺戮し、破壊する破壊者となる。
ここでアルテヌスを止めなければ、どれほどの被害になるか分からない。
そう思い、女神達は戦闘態勢に入るが--------
「みんなみんな消え失せちゃ--------」
「近所迷惑だ。この駄女神」
「きゅぅぅぅ…………」
背後から振り下ろされた拳が、アルテヌスの頭上に落ち、そのままアルテヌスは気を失った。
『……………………』
何が起きたのか、呆然とその場に立ち尽くす。
そして、それを行ったである人物の方へと視線を向ける。
「何がどうなってるんだ……? えぇ……?」
男っぽい口調で話すその人物は、見た目は女だが…………。
その実、殴られた張本人に呪いで女に変えられているだけで、本来の姿は男。
アルテヌスが勇者に選んだ龍薙湊その人であった。
「何か、やたらと騒いでるもんだから、気になって来てみれば…………。
何だ? この状況は……?」
いかにも機嫌が悪そうに話す彼は、目線で女神達に説明しろと強要して来る。
普通に問題ある態度なのだが、何ともいえない彼の迫力にただただ頷く女神達。
事情を説明すると、彼は呆れたようにため息を吐いた。
「何だ、そりゃあ……?
駄目な奴だと思ってはいたが…………。
ここまで駄目駄目とはな…………」
彼は侮蔑するような目で、鼻を鳴らして、アルテヌスを蔑むと何事なかったようにその場を去っていった。
嵐が過ぎ去り、未だに方針している女神達だったが…………。
ふと、ある事に一柱の女神が気付いた。
「ねぇ…………。今、彼からどうやってアルテヌスを殴ったの……?」
『!!』
通常、女神達は通常《霊体化》と言って、まるで幽霊のように、認知する事も、見る事も出来ない上、触れる事すら出来ない筈なのだが…………。
だが、彼は普通に触れてもいたし、普通に視認していた。
他の勇者達も、彼に引けを取らない才能と力はもちろんある。
だけれど、彼はそれを逸脱した…………いや、異端とも言える異常な素質を持っている。
それに気付いた女神達は心底、震えた。
たが、それは恐怖から来るものではない。
どちらかと言えば、歓喜に近いものだった。
アルテヌスが良く彼に対して、多大な関心を示していた事は良く知っていた。
だが、それはアルテヌスの見込み違いで、ただ功を焦った彼女の暴走だと思い込んでいた女神達は先程の光景を見て、彼がいれば戦況を一変させられるのではないかという幻想に取り憑かれた。
そう思い始めていた。
『彼がいれば、魔王軍なんてイチコロよ!!』
それが、最近のアルテヌスの口癖だった
「提案…………。これは、アルテヌスに協力して、力になって貰うべき…………」
「右に同じ…………! あれは放置するべきじゃない…………!」
「そうね。なら、まずはアルテヌスの治療を行なって、洗いざらい彼についての情報を聞き出しましょう」
「最悪、我らの勇者や聖女達にも協力を仰ごう」
「そうですね」
皆が皆、アルテヌスの治療を行いつつ、湊に対しての案を次々と提示していく。
「……………………」
まさか、それが当の本人に聞かれているとも知らず…………。
「全員避けて!」
「「「「「っ!?」」」」」
突然のアルテヌスからの攻撃に、女神達は戸惑いながらも、何とか避ける。
だが、放たれた攻撃が、女神達が避けた先にあった山を跡形もなく吹き飛ばしていた。
「何ていう事を…………」
「アルテヌス! あなた自分が一体、何を--------」
「うるさい…………」
アルテヌスはもう正気とは言えるものではなかった。
目は黒く染まり、何か黒いモヤを立ち上がらせている。
それを見て、女神達はアルテヌスに何が起きたのかを察した。
『邪神化』
神々の身に起きる病にも似た症状だ。
『邪神化』した神は正気を失い、ただ心赴くまま、ありとあらゆる者を殺戮し、破壊する破壊者となる。
ここでアルテヌスを止めなければ、どれほどの被害になるか分からない。
そう思い、女神達は戦闘態勢に入るが--------
「みんなみんな消え失せちゃ--------」
「近所迷惑だ。この駄女神」
「きゅぅぅぅ…………」
背後から振り下ろされた拳が、アルテヌスの頭上に落ち、そのままアルテヌスは気を失った。
『……………………』
何が起きたのか、呆然とその場に立ち尽くす。
そして、それを行ったである人物の方へと視線を向ける。
「何がどうなってるんだ……? えぇ……?」
男っぽい口調で話すその人物は、見た目は女だが…………。
その実、殴られた張本人に呪いで女に変えられているだけで、本来の姿は男。
アルテヌスが勇者に選んだ龍薙湊その人であった。
「何か、やたらと騒いでるもんだから、気になって来てみれば…………。
何だ? この状況は……?」
いかにも機嫌が悪そうに話す彼は、目線で女神達に説明しろと強要して来る。
普通に問題ある態度なのだが、何ともいえない彼の迫力にただただ頷く女神達。
事情を説明すると、彼は呆れたようにため息を吐いた。
「何だ、そりゃあ……?
駄目な奴だと思ってはいたが…………。
ここまで駄目駄目とはな…………」
彼は侮蔑するような目で、鼻を鳴らして、アルテヌスを蔑むと何事なかったようにその場を去っていった。
嵐が過ぎ去り、未だに方針している女神達だったが…………。
ふと、ある事に一柱の女神が気付いた。
「ねぇ…………。今、彼からどうやってアルテヌスを殴ったの……?」
『!!』
通常、女神達は通常《霊体化》と言って、まるで幽霊のように、認知する事も、見る事も出来ない上、触れる事すら出来ない筈なのだが…………。
だが、彼は普通に触れてもいたし、普通に視認していた。
他の勇者達も、彼に引けを取らない才能と力はもちろんある。
だけれど、彼はそれを逸脱した…………いや、異端とも言える異常な素質を持っている。
それに気付いた女神達は心底、震えた。
たが、それは恐怖から来るものではない。
どちらかと言えば、歓喜に近いものだった。
アルテヌスが良く彼に対して、多大な関心を示していた事は良く知っていた。
だが、それはアルテヌスの見込み違いで、ただ功を焦った彼女の暴走だと思い込んでいた女神達は先程の光景を見て、彼がいれば戦況を一変させられるのではないかという幻想に取り憑かれた。
そう思い始めていた。
『彼がいれば、魔王軍なんてイチコロよ!!』
それが、最近のアルテヌスの口癖だった
「提案…………。これは、アルテヌスに協力して、力になって貰うべき…………」
「右に同じ…………! あれは放置するべきじゃない…………!」
「そうね。なら、まずはアルテヌスの治療を行なって、洗いざらい彼についての情報を聞き出しましょう」
「最悪、我らの勇者や聖女達にも協力を仰ごう」
「そうですね」
皆が皆、アルテヌスの治療を行いつつ、湊に対しての案を次々と提示していく。
「……………………」
まさか、それが当の本人に聞かれているとも知らず…………。
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