46 / 163
世界の破滅編
閑話 な、何だと…………?
しおりを挟む
~魔族サイド~
「ば、馬鹿な…………」
そう呆然と呟くのはとある任を受け、湊が現在滞在するミラーグの町へと向かっていた一体の魔族だった。
あまりの異様な光景に、我を忘れ、その戦いを食い入るように見つめるその魔族は、四天王の一人であるヘレスディアの直属の配下のものだった。
今、その魔族の瞳には、無数のドラゴンを相手取るゴーレムのような機械人形らしき人型の物体が空を舞い、ドラゴン共を蹂躙する姿が映し出されている。
「あ、あれは…………一体何なのだ…………!?」
もしや、ディーマン様の件と何か…………。
「ふむ…………。
なるほどな…………」
「し、神龍様…………?」
納得するような尊厳ある声に釣られ、魔族は振り返る。
魔族の隣には、黒き鱗の肌を持つ初老の男が考え深げに町の方を見つめている。
「な、何かお分かりになられたのですか!?」
「うむ…………。
恐らくはな…………」
何か、分かるのでは、と期待を込めた魔族の問いに仰々しく頷く初老の男。
「お主は覚えておるか…………?
数年前に、人族の間にあったあの予言の事を…………」
そして、目線を変える事なく、その男は魔族へと問い掛ける。
「予言…………でございますか…………?」
何の事を言っているのか、最初は分からなかったが…………。
ふと、ある事を思い出し、初老の男に詰め寄る。
「まさか、ラピスラズリの予言にございますか!?」
その答えに再び頷く男。
「これはわしの長年の経験から言わせて貰うが…………。
今、戦っているゴーレムのようなものは、その予言にあった救世主なのやもしれん…………」
初老の男の言葉に愕然とする魔族。
そんなまさか…………!?
あの予言は真実だというのか!?
人間共の戯言とばかり思っていたが…………。
でも、確かに、各地の報告を総合すると、あの予言の信憑性が増して来る。
それに-------------もし、ディーマン様があやつと対峙したのなら、色々と辻褄が合う。
魔族の英雄であるお方だ。
何かしらの形で、我らの計画の障害となる者を見つけたら、放っておく筈がない。
なら、ディーマン様はあやつと戦い敗北した?
だとすれば、これは人族への侵攻などしている場合ではない!!
確証はまだ何もない。
だが、この事はヘレスディア様だけでなく、あの方へも報告しなければ…………!!!
「…………何だ…………?」
町の上空の一点に光らしきものが、集まっていく。
「あやつ…………何をする気じゃ…………?」
初老の男の言葉で、魔族もその正体に気付き-------------
ゾワリっと、背筋に悪寒のような恐怖が駆け巡る。
「あれを撃たせてはならん!!!」
初老の男が慌てたように、最後に残っていた大型のドラゴンに指示を出した。
「し、神龍様…………?」
この時、その魔族も、初老の男がこのように酷く慌てている姿に、驚きを隠せなかった。
長い事、この方と共に戦い抜いて来たが…………。
このように、我を忘れて慌てる姿など、一度も見た事はない。
あれは、それ程まずいものなのか?
初老の男の指示を受けた大型ドラゴンも何かを感じ取っているようで…………。
慌てて、火球を放つが-------------
奴に命中した瞬間、その火球は光に飲み込まれ-------------
そして、爆音と共に辺り一面が光に包まれた。
気が付いた時には、大型ドラゴンが黒こげになり、ドラゴンがいた場所を中心に数十メートルものになる大型のクレーターが視界に映った。
「な、何なのだ…………?
これは…………」
あまりにも、ありえない光景に、初老の男も言葉を無くしていた。
いや、無くさらざるをえない、と言った方が正しい。
こんな常識外れな奴とどうやって戦えと…………?
もうこんなのは戦争どころの話じゃない。
もし、あの力を人族が手に入れでもしたら…………?
そう考えると、魔族に残る未来はたった一つしかない。
『人族による魔族への虐殺』
それ以外はありえない。
「今すぐあやつに-------------魔王に報告するのじゃっ!!!
はよせんかっ!!!!」
初老の男も同じ考えに至ったようで、すぐ様、魔族へ指示を出した。
「りょ、了解です!!」
初老の男の激昂に我に返った魔族は、そのまま腕輪に手を添え、すぐ様、転移した。
何としても、この事を報告しなければ-------------
全身を駆け巡る恐怖に打ち震えながら、魔族は魔王城へも転移し終えると取り乱すように駆け出した。
何としても、あのゴーレムのようなものの危険性を魔王様に伝える。
魔族の想いはその一心だった。
「ま、魔王様!!!
ほ、報告したき儀がございます!!!」
勢いよく、魔王の玉座のある部屋の扉を開け放ち、飛び込む魔族。
だが、その扉を開けた瞬間-------------
「…………え…………?」
視界が逆さまに反転した。
一瞬、何が起こったのか、分からなかった。
だが、段々と首を斬り落とされたのだと理解が追い付いて来ると-------------目の前に気になるものが、落ちている事に気付く。
そ、そんな…………!!!??
それが敬愛する魔王その人の首である事を認識すると、何やら、自分の前に影らしきものが覆った時-------------
魔族の意識はそこで途切れたのだった。
「ば、馬鹿な…………」
そう呆然と呟くのはとある任を受け、湊が現在滞在するミラーグの町へと向かっていた一体の魔族だった。
あまりの異様な光景に、我を忘れ、その戦いを食い入るように見つめるその魔族は、四天王の一人であるヘレスディアの直属の配下のものだった。
今、その魔族の瞳には、無数のドラゴンを相手取るゴーレムのような機械人形らしき人型の物体が空を舞い、ドラゴン共を蹂躙する姿が映し出されている。
「あ、あれは…………一体何なのだ…………!?」
もしや、ディーマン様の件と何か…………。
「ふむ…………。
なるほどな…………」
「し、神龍様…………?」
納得するような尊厳ある声に釣られ、魔族は振り返る。
魔族の隣には、黒き鱗の肌を持つ初老の男が考え深げに町の方を見つめている。
「な、何かお分かりになられたのですか!?」
「うむ…………。
恐らくはな…………」
何か、分かるのでは、と期待を込めた魔族の問いに仰々しく頷く初老の男。
「お主は覚えておるか…………?
数年前に、人族の間にあったあの予言の事を…………」
そして、目線を変える事なく、その男は魔族へと問い掛ける。
「予言…………でございますか…………?」
何の事を言っているのか、最初は分からなかったが…………。
ふと、ある事を思い出し、初老の男に詰め寄る。
「まさか、ラピスラズリの予言にございますか!?」
その答えに再び頷く男。
「これはわしの長年の経験から言わせて貰うが…………。
今、戦っているゴーレムのようなものは、その予言にあった救世主なのやもしれん…………」
初老の男の言葉に愕然とする魔族。
そんなまさか…………!?
あの予言は真実だというのか!?
人間共の戯言とばかり思っていたが…………。
でも、確かに、各地の報告を総合すると、あの予言の信憑性が増して来る。
それに-------------もし、ディーマン様があやつと対峙したのなら、色々と辻褄が合う。
魔族の英雄であるお方だ。
何かしらの形で、我らの計画の障害となる者を見つけたら、放っておく筈がない。
なら、ディーマン様はあやつと戦い敗北した?
だとすれば、これは人族への侵攻などしている場合ではない!!
確証はまだ何もない。
だが、この事はヘレスディア様だけでなく、あの方へも報告しなければ…………!!!
「…………何だ…………?」
町の上空の一点に光らしきものが、集まっていく。
「あやつ…………何をする気じゃ…………?」
初老の男の言葉で、魔族もその正体に気付き-------------
ゾワリっと、背筋に悪寒のような恐怖が駆け巡る。
「あれを撃たせてはならん!!!」
初老の男が慌てたように、最後に残っていた大型のドラゴンに指示を出した。
「し、神龍様…………?」
この時、その魔族も、初老の男がこのように酷く慌てている姿に、驚きを隠せなかった。
長い事、この方と共に戦い抜いて来たが…………。
このように、我を忘れて慌てる姿など、一度も見た事はない。
あれは、それ程まずいものなのか?
初老の男の指示を受けた大型ドラゴンも何かを感じ取っているようで…………。
慌てて、火球を放つが-------------
奴に命中した瞬間、その火球は光に飲み込まれ-------------
そして、爆音と共に辺り一面が光に包まれた。
気が付いた時には、大型ドラゴンが黒こげになり、ドラゴンがいた場所を中心に数十メートルものになる大型のクレーターが視界に映った。
「な、何なのだ…………?
これは…………」
あまりにも、ありえない光景に、初老の男も言葉を無くしていた。
いや、無くさらざるをえない、と言った方が正しい。
こんな常識外れな奴とどうやって戦えと…………?
もうこんなのは戦争どころの話じゃない。
もし、あの力を人族が手に入れでもしたら…………?
そう考えると、魔族に残る未来はたった一つしかない。
『人族による魔族への虐殺』
それ以外はありえない。
「今すぐあやつに-------------魔王に報告するのじゃっ!!!
はよせんかっ!!!!」
初老の男も同じ考えに至ったようで、すぐ様、魔族へ指示を出した。
「りょ、了解です!!」
初老の男の激昂に我に返った魔族は、そのまま腕輪に手を添え、すぐ様、転移した。
何としても、この事を報告しなければ-------------
全身を駆け巡る恐怖に打ち震えながら、魔族は魔王城へも転移し終えると取り乱すように駆け出した。
何としても、あのゴーレムのようなものの危険性を魔王様に伝える。
魔族の想いはその一心だった。
「ま、魔王様!!!
ほ、報告したき儀がございます!!!」
勢いよく、魔王の玉座のある部屋の扉を開け放ち、飛び込む魔族。
だが、その扉を開けた瞬間-------------
「…………え…………?」
視界が逆さまに反転した。
一瞬、何が起こったのか、分からなかった。
だが、段々と首を斬り落とされたのだと理解が追い付いて来ると-------------目の前に気になるものが、落ちている事に気付く。
そ、そんな…………!!!??
それが敬愛する魔王その人の首である事を認識すると、何やら、自分の前に影らしきものが覆った時-------------
魔族の意識はそこで途切れたのだった。
1
あなたにおすすめの小説
老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!
菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは
「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。
同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと
アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう
最初の武器は木の棒!?
そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。
何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら
困難に立ち向かっていく。
チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!
異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。
話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい!
****** 完結まで必ず続けます *****
****** 毎日更新もします *****
他サイトへ重複投稿しています!
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる