【下地版】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜

水先 冬菜

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聖剣の秘密

聖剣の秘密

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「おい、剣聖!!

 どっちにエセ勇者のやろうがいるんだ!?」

「え?

 勇者なら、この城の特別医務室で、治療を受けているけど…………」

「それがどっちかって聞いてんだ!?

 はっきり答えろ!!!」

 俺は城の扉を蹴破り、城の中を駆けずり回りながら、腕の中で、何故か、顔を真っ赤に染めて、端的に答える剣聖にイライラしながら怒鳴った。

「い、いきなり、来ておいて、その態度は何なの!?

 こっちもこっちで、色々と混乱してるの!!

 一体、何が起きてるのよ!?」

「そんなもん、走りながら説明してやる!!!

 時間がねぇんだから、さっさと道案内しろ!!!」

 自分らしくない命令口調で、剣聖に怒鳴る俺。

 剣聖は戸惑いながらも、道を教えて来る。

「こっちだなっ!?」

 剣聖が指差す方へと向けて走り出す。

「そんで、事情がどうとかって言ったな!?

 一度しか言わんから、しっかり聞いておけよ!?」

 そして、もの凄いスピードで、駆け出しながら剣聖に今の現状を説明して行く。

「簡潔に言うと、かなりヤバい事に、訳あって、勇者が殺され掛けている!!

 それも、よりにもよって、俺の配下である筈の従者によってなっ!!

 理由は至極単純、あのエセ勇者を殺さないと、からだ!!」

「聖戦の進行が緩和される!?

 それは本当なの!?」

 驚いたように、反応する剣聖を無視しながら、俺は話を続けた。

「あぁ、それは間違いない!!

 何せ、聖戦を引き起こしたとある馬鹿から直接聞いた!!

 そいつの話だとな、あのエセ勇者が持っている聖剣-------------《アロンダイト》って奴は、そもそも、聖戦を封じる為に作られた物だ!!

 ところが、数年前に、何処のどいつかは知らんが、その《アロンダイト》を盗み出して、聖戦の封印を強引に解きやがった!!

 その所為で、遺跡に封印されていた起動兵器-------------ええっと、お前らで言うところのゴーレムが、世界を滅ぼし始めたんだよ!!」

「そんな事が…………!?

 でも、どうして、勇者が命を狙われるの!?」

 当然の疑問だな…………。

「さっき言ったろ!?

 アロンダイトとは、本来、聖戦を封じる為に作られたって!!

 封じられるのなら、その逆も可能なんだよ!!

 つまり、勇者を殺せば、当然、アロンダイトとの契約は解除され、所有がいない状態になる!!」

「っ!?

 そうか、もしそうなれば、新たな所有者として、聖剣と契約出来る訳だから-------------」

 漸く、剣聖様も気が付いたようだ。

「そうだ!!

 勇者を殺してしまえば、聖戦を封じる唯一の希望が奪われる事になる!!

 もし、それが悪意ある者の手に渡ったら、止める手立てはない!!」

 まぁ、調べた限りじゃ、聖剣ってのは、勇者としての素養がある者しか扱えないらしいが-------------

 例外がない訳じゃない。

 つか、可能な奴ならいるな…………。

 それも、極身近に-------------

「あそこが勇者のいる部屋よ!!」

 やっぱり、部屋の前で、警護をしていたと思しき騎士達が倒れていた。

 若干の戦闘跡を見るに、もう着いてやがる!!

 一々、ドアを開けている暇なんてねぇよ!!

「ちょっ!?」

「お、じゃまし、まああああああああすっ!!!!!」

 俺は剣聖を抱えたまま、飛び蹴りを繰り出して、正面の扉を粉砕して乗り込んだ。

 それが功を成したのか、どうやら、粉砕したドアの先にシスターズがいたようで、そのまま、突き飛ばされ、壁を突き破って行く。

「んじゃ、後は任せたぞ…………!!」

「っ!? 分かったわ!!」

 俺は目線で剣聖に指示を出して、下ろすと、俺の意図を汲んで、剣聖は今もベットの上で横たわる勇者の元へと駆け寄って行った。

 それを見届けた後、俺はぶっ飛んで行ったシスターズの穴を通り、その先の騎士団の訓練場らしき、場所で転がるシスターズに近付く。

「目標の抹殺に失敗。

 目標の遂行の為、障害を排除致します」

 どうやら、話が通じそうな状況じゃねぇな…………。

 まぁ、元から仲間だとは思っていなかったが、こうして、敵意を向けられると、何だが悲しいものがある。

 とりあえず、こいつを黙らせた後、本格的にあのポンコツ駄メイドをボコろうか?
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