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闇勇者の伝承
解析
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先日から数日経ち、そのまま、病室のベッドに戻された俺の元に、ミハエルが訪ねて来た。
先日の戦いで、気になる事があると言う。
「…………これは…………マジなのか…………?」
ミハエルから手渡された資料を片手に、俺がお世話になっているベッドの側で腰掛けるちびミハエルは肯定するように頷いた。
ミハエルから手渡された資料には、あの闇勇者がロボット軍の群れの中へと飛び込んで、数分間、暴れ回った後、突如として、その姿を消した痕跡があったと記されていた。
ロボット漫画でいう《光学迷彩》などの透明化の機能だ。
その上、奴は、それを計画的に行なっている。
つまり、わざと群の中で騒動を起こして、俺を襲ったという事だ。
なら、狙いは俺か?
「……………………」
顎に手を当て、深く考え込んだが、俺を狙う理由がよく分からん。
確かに、俺は奴からは、今まで二度、逃げられてはいる。
しかし、闇勇者の狙いは、あくまでこの世界を破滅させる事。
となれば、俺に構う事もなく、そのまま、世界を滅ぼす方が良いであろうに…………。
『多分…………彼のプライドの問題かしらね…………』
そんな俺の疑問に、側にいたミハエルが簡潔に答えた。
「プライドの問題…………?
そりゃぁ、どういう意味だ…………?」
『簡単な話よ。
要するに、彼はあなたを取り逃した事が悔しくて仕方がないのよ』
子供か!?
思わず、そう突っ込んでしまう俺。
だが、まあ、それなら、俺に執着する理由も多少なりとも、ありえるか?
ただでさえ、闇勇者様は、あの駄メイドの呪いに掛かっている訳だし…………。
長年、掛かっているが故に、精神が歪んでいても可笑しくはない。
もしそうなら、それを利用して-------------
『どうやら、何か、良い案が思い付いたみたいね…………』
俺の表情を見て、面白そうにミハエルが微笑んでいた。
先日の戦いで、気になる事があると言う。
「…………これは…………マジなのか…………?」
ミハエルから手渡された資料を片手に、俺がお世話になっているベッドの側で腰掛けるちびミハエルは肯定するように頷いた。
ミハエルから手渡された資料には、あの闇勇者がロボット軍の群れの中へと飛び込んで、数分間、暴れ回った後、突如として、その姿を消した痕跡があったと記されていた。
ロボット漫画でいう《光学迷彩》などの透明化の機能だ。
その上、奴は、それを計画的に行なっている。
つまり、わざと群の中で騒動を起こして、俺を襲ったという事だ。
なら、狙いは俺か?
「……………………」
顎に手を当て、深く考え込んだが、俺を狙う理由がよく分からん。
確かに、俺は奴からは、今まで二度、逃げられてはいる。
しかし、闇勇者の狙いは、あくまでこの世界を破滅させる事。
となれば、俺に構う事もなく、そのまま、世界を滅ぼす方が良いであろうに…………。
『多分…………彼のプライドの問題かしらね…………』
そんな俺の疑問に、側にいたミハエルが簡潔に答えた。
「プライドの問題…………?
そりゃぁ、どういう意味だ…………?」
『簡単な話よ。
要するに、彼はあなたを取り逃した事が悔しくて仕方がないのよ』
子供か!?
思わず、そう突っ込んでしまう俺。
だが、まあ、それなら、俺に執着する理由も多少なりとも、ありえるか?
ただでさえ、闇勇者様は、あの駄メイドの呪いに掛かっている訳だし…………。
長年、掛かっているが故に、精神が歪んでいても可笑しくはない。
もしそうなら、それを利用して-------------
『どうやら、何か、良い案が思い付いたみたいね…………』
俺の表情を見て、面白そうにミハエルが微笑んでいた。
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