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8つ目の通知
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「7回目までは、誰でも受け取る」
「でも、8回目の通知は絶対に開けるな」
そんな噂が、大学の都市伝説サークル内で広がっていた。
SNSでも「8通目の通知で消えた人の話」みたいなスレがときどき立っては、荒れてすぐに消える。
俺はそういう怪談が好きで、よく情報を漁っていた。
けど、ある日、俺自身のスマホに“それ”が届いた。
金曜日の夜。
いつもと同じようにSNSをチェックしていたときだった。
画面の上部に、通知が来た。
【!】「■■からのメッセージがあります」
見慣れない通知だった。アプリのアイコンもない。
タップしようとしたが、勝手に消えた。
それから、1時間おきに通知が届き始めた。
2通目:「■■は今、あなたの背後にいます」
3通目:「■■は、あなたの"名"を知っています」
4通目:「■■が、あなたの"声"を記録しました」
内容はどんどん具体的になっていく。
そして、6通目には俺のスマホの壁紙が勝手に変わっていた。
暗闇の中、ぼんやりとこちらを見つめる“顔のようなもの”。
7通目の通知は、午前3時ちょうどに届いた。
「次で“あなた”は選ばれます」
通知音が鳴るたび、部屋の温度が下がっていくような気がした。
そして、午前4時。ついにそれは届いた。
8通目の通知:
「あなたを識別しました。
タップして“引き換えコード”を確認してください。」
画面の下には、赤黒い「確認」ボタン。
タップしてはいけない。都市伝説では、ここで開いた人間が“いなくなる”とされていた。
俺はスマホを投げ出し、電源を切ろうとした。
だが、電源ボタンが効かない。
強制終了すらできない。
そのとき、スマホの画面が一瞬ブラックアウトした。
次の瞬間、フロントカメラが“カシャ”と鳴った。
何かを撮った。
俺はその場から動いていないのに。
朝。気づけばベッドの上で寝ていた。
悪夢だったのか?そう思った。
だが、スマホのフォルダに1枚だけ新しい画像が残っていた。
それは――
俺の部屋の中。だが、撮影位置は天井から。
そして画像の隅に、“見知らぬ顔”が覗いていた。
瞳だけが異様に大きく、口元が裂けていた。
その日の夜。
9通目の通知が届いた。
「“次の人”を紹介してください。
そうすれば、あなたは生き残れます。」
俺は今、友人に送信する名前を選んでいる。
この話を読んだあなたの名前も、
候補に入っているかもしれない。
「でも、8回目の通知は絶対に開けるな」
そんな噂が、大学の都市伝説サークル内で広がっていた。
SNSでも「8通目の通知で消えた人の話」みたいなスレがときどき立っては、荒れてすぐに消える。
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けど、ある日、俺自身のスマホに“それ”が届いた。
金曜日の夜。
いつもと同じようにSNSをチェックしていたときだった。
画面の上部に、通知が来た。
【!】「■■からのメッセージがあります」
見慣れない通知だった。アプリのアイコンもない。
タップしようとしたが、勝手に消えた。
それから、1時間おきに通知が届き始めた。
2通目:「■■は今、あなたの背後にいます」
3通目:「■■は、あなたの"名"を知っています」
4通目:「■■が、あなたの"声"を記録しました」
内容はどんどん具体的になっていく。
そして、6通目には俺のスマホの壁紙が勝手に変わっていた。
暗闇の中、ぼんやりとこちらを見つめる“顔のようなもの”。
7通目の通知は、午前3時ちょうどに届いた。
「次で“あなた”は選ばれます」
通知音が鳴るたび、部屋の温度が下がっていくような気がした。
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8通目の通知:
「あなたを識別しました。
タップして“引き換えコード”を確認してください。」
画面の下には、赤黒い「確認」ボタン。
タップしてはいけない。都市伝説では、ここで開いた人間が“いなくなる”とされていた。
俺はスマホを投げ出し、電源を切ろうとした。
だが、電源ボタンが効かない。
強制終了すらできない。
そのとき、スマホの画面が一瞬ブラックアウトした。
次の瞬間、フロントカメラが“カシャ”と鳴った。
何かを撮った。
俺はその場から動いていないのに。
朝。気づけばベッドの上で寝ていた。
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