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しおりを挟むそれは我が国出身の王妃と同じ思考だけど、彼女の場合は何を頼んだのかはっきりとわからないから、ここで口に出すのは良策ではない。
「どんな?」
おずおずと聞くと、王妃は今度はにっこりと笑った。
「一つは偽番」
にせつがい……とは?
「婚約者を番と見誤ると言うことよ」
「そんなことしても、本物の番に出逢ってしまったらどうするのですか」
「番を求める本能に竜人の末の魔術師達もずっと困っていたらしいの。だから私が国王に秘密で予算を横流しすると聞いて喜んだわ。かなり昔から、番を感じなくなる魔道具や婚約者を偽番として認識させる魔道具を開発しようとしていた。でも、どうしても本能が勝ってしまうのよ。あなたが言ったように、婚約者を偽番として認識させる魔道具は、本物の番が見つかったらなんの役も立たない。また王族のように竜人の血が濃く残っていると、効果を発しないの。番を感じさせなくなる魔道具に至っては、持たせると本人が…その…勃た…いえ、性欲が無くなって、去勢した動物みたいになるのよ」
「…はぁ」
ちょっと私の頬が赤くなるのが分かったわ。
「……では、開発は失敗続きなのですね」
「過去にいた優秀な魔術師が番認識の何かに影響を及ぼす魔道具の開発に成功させたのは、わかっているの。ただ、その人は偏屈者で人を寄せ付けないようにして一人でしか仕事をしない人だったから、もう資料すらどこにやったかわからない」
「……どちらにせよ。魔道具の開発はできていないと」
「魔術師達ぐらいの血の濃さだと、偽番の魔道具の効き目があって、夫婦仲良く暮らせているのだけど一組番が見つかって、それまでの仲はなんだったのと言うぐらいの態度で、妻を捨てて番と再婚したのよ」
それって妻にとって最悪じゃないかしら。夫と仲良く暮らしてると思ったいたら、ある日突然捨てられるのだから。まだ普段から冷えた仲の方が諦めがつくのでは?
「それから偽番の魔道具を自分達で使うのはやめたそうよ」
そりゃそうでしょうよ。普通の神経の持ち主なら妻に悪いと思うでしょう。
「王妃陛下、隠れてまでここにおいでになった理由はなんでしょうか」
失敗続きの魔道具の話をしに来たのか?
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役に立たないーーー全く。励まされても嬉しくない。婚約解消できる秘策持ってきてーーーー
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