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第二話
「――貴女こそ、白百合の乙女を名乗る資格はありません!ユリア・ストレイス‼︎」
会場に響き渡る、凛々しい声。
「――え?……なんでアンタがここにいるの……⁉︎アンタっ――ルシンダ・イーグルトンじゃないっ⁉︎」
隣国の伯爵令嬢ルシンダ・イーグルトン。
彼女はわざわざこの日の為に来てくれました。
「あら、ストレイスさん。ルシンダの事をご存知ですのね?」
先程までの涙はどこへやら。混乱しているのか凄い形相でルシンダを睨みつけています。
「なんでぇ⁉︎だって、ルシンダは一作目で断罪されて破滅エンドしかないハズじゃ……二作目には出てきてなかった……‼︎」
「……やっぱり!貴女『白百合の乙女は暁に染まる』シリーズをプレイしてた転生者だったのね!」
「――っ⁉︎」
そして、心強い味方はもう一人。
「私も転生者なのよ、ユリア」
「あ……アンタ、一作目のヒロインのリリー・エイベルっ……⁉︎」
そう、ルシンダと共に彼女も来ていたのです。
「なんで悪役令嬢のルシンダとヒロインのリリーが一緒にいるのっ⁉︎っていうか二作目に関係無いじゃん‼︎」
人が変わった様子のストレイスさん。
先程まではか弱い少女然してましたのに。
「ユリア、貴女はルーファス殿下ルートを狙ってたんでしょうけど、好感度上げのイベントはどれも上手くいってなかったはず。自分でもわかってたよね?」
「えぇ‼︎おかしいのよ!ゲームで攻略したとおりに進めようとしたのに、同じようにならなくて……っ」
「……貴女、DLCプレイしてないんじゃない?」
「……DLC?何それ……」
ストレイスさんは初めて聞いたようで、とても驚いた顔でリリーを見ています。
「悪役令嬢ルートでしたね、リリー」
「はい、ジェシカ様。DLCで悪役令嬢ルートがあるの」
「悪役令嬢、ルート……?」
私もルシンダから連絡を貰った時は、俄に信じられませんでした。
隣国の白百合の乙女リリーが別の世界からの転生者で、前にいた世界にあったゲームの世界が私達の世界だなんて。
ルシンダは悪役令嬢で破滅するはずがリリーに助けられ、義理の姉妹にまでなっていた事も驚きました。
更に、二作目では私が悪役令嬢になり破滅する運命にあるという事も。
そして、二作目には悪役令嬢がヒロインとなる悪役令嬢ルートという破滅回避ルートがあるため、その手助けをさせて欲しいのだと。
仮にそのルートを進めたとしても、ヒロインのユリア・ストレイスが破滅するわけではないと聞いて、二人に協力してもらおうと思ったのですが……。
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