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第三話
「何それ……っざけんな、せっかくルーファス様と結婚して贅沢し放題になるはずが……、そもそも何でアンタらがしゃしゃって来んのよ‼︎関係ないじゃん‼︎」
血走った眼に鬼の様な形相。もはや、白百合の乙女とは呼び難いですね。
「関係あるんだよね、それが。その悪役令嬢ルートで明かされるんだけど、ルシンダお姉様とジェシカ様は従姉妹なの。親戚なんだから助けるでしょ」
「……従姉妹?」
ルシンダのお母様は私のお母様の妹にあたり、隣国のイーグルトン伯爵家に嫁いでいたのです。
「――ハッ!あっそ!はいはい、もういいわよ。ルーファス様は諦めてあげる!私は白百合の乙女だし、他の国からも引く手あまただしっ‼︎」
どうやら、ストレイスさんはこの国から出て行くつもりのようです。ですが……。
「――残念ながら、それは無理だね」
今まで成り行きを静かに見守っていたルーファス様が口を開きました。
「は?だって私を選んでくれないんでしょ?じゃあもう用無いじゃん」
「そうだね。だけど、大事な事を忘れていないかな?」
「なんなの?早く言ってよ‼︎」
「君は国宝を壊したよね。その責任を取ってもらわないといけないんだ」
「……ぁ、いや、あれはジェシカが……っ」
「――無理なんだよ」
「え?」
それまで、わずかに笑みを浮かべていたルーファス様の表情が消え、瞳からは激しい怒りを感じます。
目が合っていたストレイスさんは震え出しました。
「聖女の錫杖はね、いかなる攻撃にも傷つけられない加護があるんだ。でも、ある条件さえ満たせば簡単に壊せるんだよ。その条件とは何だと思う?ユリア・ストレイス」
ストレイスさんは目を合わせていられなくなったのか、俯いてしまいました。
「使用者、つまり白百合の乙女だけが壊せるんだ」
「……ヒィッ‼︎」
凄い威圧感に、その場にいる者達は背筋が凍りつく思いだったことでしょう。
一国の王子ですもの、素晴らしいですルーファス様。
ストレイスさんは情け無い声をあげると、腰が抜けたのか座り込んでしまいました。
「衛兵、連れて行ってくれ」
ルーファス様に指示され、衛兵がストレイスさんを連れて行きます。
処分は国王陛下がくだされることでしょう。
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