愛はひとつが良いと思うの

聖 りんご

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無くなった居場所

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(コンコン)
(コンコンコン)

「ん~誰よ。」

「ミグ。」

「ん?お父さん…?ちょっと待って。」

ベッドから起き上がったミグはノロノロと簡単な身支度をした。ドアを開ければポツンと一人父親画立っており、中へ入るよう促し椅子をすすめるが父親は部屋に入りはしたが座らなかった。

「どうしたの?」

「長居する気は無い。今すぐこれにサインしろ。」

「んん?なに?」

父親がテーブルに置いた紙を取り内容を読み始めたミグは水をかけられたかのようにブルブル震え出した。

「何よコレ!どういう事!なんで離縁届渡してくるのよ!!」

「お前を縁を切りたいからに決まっているだろう!このバカ娘がっ!!」

怒鳴りつけられ怯んだミグに父親は怒りを抑えながら昨日の出来事を淡々と話す。話が進むにつれて真っ赤だったミグの顔はみるみる蒼白に変わっていく。
流石に全てバレ不味いと思いつつも目の前の父親は許す気は無さそうで、ミグが諦めて離縁届にサインをすると
父親はそれを乱暴に掴み二度と顔を見せるなと言い捨て部屋を後にした。

「何よ…一人だって生きていけるわよ!」

気分転換の為にミグは外出する事にした。カフェで特大パフェを食べて悪い気分を振り払いたいと足取りは早めだ。しかしカフェの少し手間で見慣れた後ろ姿見つけ、調度良いからパフェを奢らせる為に声をかけた。

「リック~!こんなところで会えるなんて運命ね♡」

「ああ…ミグ…。ミグっ!お前のっ!!お前のせいで俺は―――ーー!」

「ちょっ何すんのよ!!」

頭を鷲掴みにされ殴られそうになったミグはリックを振り払い走った。幸い追いかけては来ないみたいでホッとして周りを伺うと夜に働いているバーの近くに来ている事が分かり、カフェには行けないのでバーに行ってみる事にした。

バーに着くとドアには流石にCLOSEの看板がかかっている。しかし、中から声が聞こえたのでミグはソッとドアを開けてみた。しかしドアベルが少し鳴ってしまい中に居たたくさんの女性とマスターの視線がミグに集中し、ミグは少し身体をビクつかせた。

「あ…あの……。」

「ミグ、お前…調度良いところに来たな。今この時点でお前はクビで出禁だっ!」

「ぇえ?!マスターなんでよっ!!」

「客に手を出しまくってこんな騒ぎを起こすヤツなんか要らんっ!皆さん、今現在を持ってウチはソイツとは無関係だ。ソイツと一緒に出てってくれないか。」

十人程集まった女性達はマスターの言葉を受けミグが逃げないように囲み両腕を掴み店の外に出た。

「ちょ、ちょおっと!何する気よっ!!」

「大人しくしてなさい。」

女性達のリーダーらしき人物の憎悪に満ちた恐ろしい表情にミグは身を縮こませ短い悲鳴をあげた。
足の止まったミグを女性達は無言で引きづって行った。
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