ケダモノ ~救いなき陵辱の果て~

歌音

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序章/陵辱の暗黒時代のハジマリ

0.災厄の誕生

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『災厄』はある日、突然生まれた。








『それ』が意識を手に入れた時、流れの急な川の岸辺に倒れていた。

『それ』は醜かった。

顔はゴブリンに近いようだが、ゴブリンよりも嫌悪感を抱く醜さ。

長時間餓えていたのか骨皮だけの身体に垂れ下る大きく醜悪な『逸物』。

―― ギ、ギィ… ――

かなりの距離を流されてきたようで、『それ』の身体には倦怠感と所々に鈍い痛みがあり、空腹の状態で息も絶え絶え、助かる見込みもない瀕死の状態だ。

後、数時間…もしくは数十分もあれば、死ぬ。

『ハァ、ハァッ!』

一匹の狼が瀕死の『それ』を餌と見なし、近づいてくる。

狼は匂いを嗅ぎ、『それ』の状態を確認し、判断する。

―― これはもう『えさ』だ ――

いつもは他の獣を狩る狼だが、この日は労せず『えさ』にありつける。

獣ながら狼はささやかな幸福を感じ、『えさ』に噛みつ――

『ギャワッ!』

狼は悲鳴を上げる。

噛みつこうとした『えさ』が、逆に自分の喉元に噛みついたのだ。

暴れまわる狼の喉元から流れる血を啜りながら、骨と皮だけの腕で必死に狼を捕える。

そして、少しずつ狼の喉の肉を咀嚼し始めた。

生きたまま喰われていく狼は、しばらくして動かなくなった。

その後、動かなくなった狼を『それ』は喰い始めた。

考えなしに噛みつき、噛み千切り、咀嚼し、毛を吐き出しながら肉を喰い、内臓はらわたを啜り、骨を齧り砕く。

しばらくすると、喰い終わり、辺りには血の跡だけが残っている。

喰い終わると川の水を飲み、そのまま寝転がり、睡眠を取る。

今喰い終わったにくを己の肉にする為に…



『それ』が睡眠を取り始めて、小一時間後、再び狼が現れた。

『グルゥゥゥゥゥゥッ…ガァァァァァァッ!』

『それ』が事前に目を覚まし、気付いたのは、警戒心と必要以上の敵意を丸出しにして吠えていたためだった。

それもそのはず…

この狼は喰い殺された狼のつがいだった。

大事な愛しいつがいを殺されて、殺意を剥き出しにしている。

『それ』は同じように喰おうした時、ふと、そのメスの匂いを嗅ぐ。

自然と『それ』は

―― にたぁ… ――

おぞましい笑みと舌なめずりをする。

股間の逸物を隆起させ、吠えるメスに『それ』は『ケダモノ』の如く襲いかかった。





数十分後、メスは悶絶して、泣くのような鳴声を出していた。

つがいを受け入れていた場所を散々犯され、加減を知らぬ『ケダモノ』の責めに耐えきれなかった。

しかし、今も容赦無くメス犯している『ケダモノ』は不満だった。

―― ナニカ…チガウ… ――

そう思って、何度目かの穢れた汚液をメスに吐き出すと、容赦無く噛みつき、喰い始めた。

喰い終わると、再び寝始める。

すると、『ケダモノ』の骨と皮だけの身体が少しずつ膨らんでいく。

その光景は気味が悪く、おぞましい変化だった。

数時間後、『ケダモノ』が目を覚ました時には、身体が整っていた。

喰らったモノをそのまま血肉とした『ケダモノ』の身体に再び異変が起きる。

先程のメスを犯した時とは比べ物にならない程の衝動が『ケダモノ』の身体を襲う。

マグマのような性欲それは『ケダモノ』の逸物を痛々しい程に勃起させ、『ケダモノ』に狂いそうな灼熱の衝動が全身を襲う。

放っておいても汚液を撒き散らしそうな勢いだ。

―― ナ、ナニカ…!ナニカ、ナイノカ! ――

その時、『ケダモノ』は何かに気づき、鼻を動かす。

先程より、遥かに利く鼻・・・・・・・が『ケダモノ』に教える。

そして、『ケダモノ』は森を走る。

『匂い』の元に…

マグマのような本能が求めるソレ…

―― ミ、ミツケタッ! ――

白い肌。

整った顔。

果実のような乳房。

独特の甘い匂い。

『ケダモノ』は本能を剥いて襲いかかった。
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