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1.戦う為だけの身体/聖なる女神の邪悪なる笑み
No.001/兵器(リーサルウェポン)は決して救われない。
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爆炎による衝撃と音が辺りを襲い、瓦礫を撒き散らす。
爆心地にいるあるのは二つの黒い影…
力なく座り込んでいる満身創痍な少年と、少年より一回り大きな人型の黒い鋼の塊。
しかし、巨大な黒い鋼の塊は全身から唯事ではない不協和音を鳴らしている。
「ぐぎっ、そんな…」
動作不良が起きているのか、鋼人は体の自由が利かないようだ。
その瞬間を、少年は見逃さなかった。
「うぅぅぅおぉぉぉぉぉぉっ!」
もう碌に動かない脚部に強力な負荷をかけ、ロケットの如く、鋼人に急接近する。
脚部が完全に破壊したのを感じながら、少年は左手で右手の親指をスライドさせる。
装填された事を確認し、続いて左手の超振動剣をバトルセットして突き出す。
強力な体当たりと共に刀身は鋼人を貫いたが、少年の左腕が砕ける。
そんな事もお構いなしに、少年は右手の方の超振動剣で左腕を斬り落とし、そのまま、左腕が突き刺さっている部分から、右手を叩き込んだ。
「………」
「………」
少年と鋼人の間を沈黙が支配する。
「…俺の…勝ちだ…」
「そうだな…さすがにその高性能特殊機関銃で撃たれたら、兆弾で内部破壊されるだろうな」
落ち着いた口調で鋼人は話しかける。
「さて、話し合いだ。今からでも私の元に帰って来い」
「…!なに馬鹿な事いってるんだよ!?俺はもうアンタを殺せる!弾鉄を引けば終わ…」
「その後、どうなるかわかってるだろう。この島の周囲には大国の軍隊が囲んでいる…目的はお前だ」
鋼人は淡々と冷静に言葉を放つ。
「お前の全身は、私の開発したモノの中では、現存の技術で応用がきくモノが多い。何より稼働している『改造人間』というだけで、垂涎の研究対象だ。お前はよくて実験動物、まあ、逆らえば解体研究だろうな」
「………」
鋼人の言っている事は現実で、それは少年にも理解していた。
自分には未来が無い事を…
「今ならまだ応急修理すれば、私とお前で奴らを潰して危機を乗り越えよう。私とお前は…その為に造られたのだから」
「…そうだな。だから、ケジメはつけるよ」
少年は脳波通信を全方位通信に切り替える。
「あんたと親父の造ったモノで最も奴らが欲しがっているのは、サイボーグ技術とサイボーグに搭載できるほどの超小型融合炉だ。永久に戦う戦士を造れる可能性を秘めた技術…だが、個人がこんなモノ持ってちゃ本当に危ないよなぁ」
「…まさかお前!?やめろ!」
「まあ、ぶっちゃけ核爆弾を個人で携帯してるようなもんだから」
「止めろ!まだ、そこまで電子回路は壊れてないはずだ!緊急停止が間に合う内に…!」
「あと三分で爆発するよ。先に逝っておいてくれ」
「やめ…」
「また後でな、兄さん…」
少年の右手から強烈な轟音と発射閃光が出現する。
兆弾により、右掌が鋼人の中で破壊された。
「…皆には悪い事したな。今更だけど…」
動かなくなった鋼人を見て、
「裏切ってごめんな。もし、また兄弟で生まれたら、今度は裏切らないよ」
そして、時間が来る。
「もっと…」
一筋の涙を流して、
「生きたかっ…」
少年の内部からの光は彼を消滅させた。
☆ ★ ☆
「…なんで?」
少年は再び意識を取り戻して、驚いている。
体は動かないが、確実に意識はある。
「死後の世界は…本当にあったのか?」
「そうですよ~、死後の世界はあるんです~」
「!?」
少年は意識を最大限に警戒させる。
すると、少年を覗き込むように一人の女がいた。
この世の者とは思えないほどの美女で透き通った服からは全てが丸見えだ。
「ふふっ、神が考え付かないようなおぞましい化け物ちゃん。ようこそ~、『世界の挟間』に!今日からあなたは『勇者』ちゃんよ~、ブイ!」
爆心地にいるあるのは二つの黒い影…
力なく座り込んでいる満身創痍な少年と、少年より一回り大きな人型の黒い鋼の塊。
しかし、巨大な黒い鋼の塊は全身から唯事ではない不協和音を鳴らしている。
「ぐぎっ、そんな…」
動作不良が起きているのか、鋼人は体の自由が利かないようだ。
その瞬間を、少年は見逃さなかった。
「うぅぅぅおぉぉぉぉぉぉっ!」
もう碌に動かない脚部に強力な負荷をかけ、ロケットの如く、鋼人に急接近する。
脚部が完全に破壊したのを感じながら、少年は左手で右手の親指をスライドさせる。
装填された事を確認し、続いて左手の超振動剣をバトルセットして突き出す。
強力な体当たりと共に刀身は鋼人を貫いたが、少年の左腕が砕ける。
そんな事もお構いなしに、少年は右手の方の超振動剣で左腕を斬り落とし、そのまま、左腕が突き刺さっている部分から、右手を叩き込んだ。
「………」
「………」
少年と鋼人の間を沈黙が支配する。
「…俺の…勝ちだ…」
「そうだな…さすがにその高性能特殊機関銃で撃たれたら、兆弾で内部破壊されるだろうな」
落ち着いた口調で鋼人は話しかける。
「さて、話し合いだ。今からでも私の元に帰って来い」
「…!なに馬鹿な事いってるんだよ!?俺はもうアンタを殺せる!弾鉄を引けば終わ…」
「その後、どうなるかわかってるだろう。この島の周囲には大国の軍隊が囲んでいる…目的はお前だ」
鋼人は淡々と冷静に言葉を放つ。
「お前の全身は、私の開発したモノの中では、現存の技術で応用がきくモノが多い。何より稼働している『改造人間』というだけで、垂涎の研究対象だ。お前はよくて実験動物、まあ、逆らえば解体研究だろうな」
「………」
鋼人の言っている事は現実で、それは少年にも理解していた。
自分には未来が無い事を…
「今ならまだ応急修理すれば、私とお前で奴らを潰して危機を乗り越えよう。私とお前は…その為に造られたのだから」
「…そうだな。だから、ケジメはつけるよ」
少年は脳波通信を全方位通信に切り替える。
「あんたと親父の造ったモノで最も奴らが欲しがっているのは、サイボーグ技術とサイボーグに搭載できるほどの超小型融合炉だ。永久に戦う戦士を造れる可能性を秘めた技術…だが、個人がこんなモノ持ってちゃ本当に危ないよなぁ」
「…まさかお前!?やめろ!」
「まあ、ぶっちゃけ核爆弾を個人で携帯してるようなもんだから」
「止めろ!まだ、そこまで電子回路は壊れてないはずだ!緊急停止が間に合う内に…!」
「あと三分で爆発するよ。先に逝っておいてくれ」
「やめ…」
「また後でな、兄さん…」
少年の右手から強烈な轟音と発射閃光が出現する。
兆弾により、右掌が鋼人の中で破壊された。
「…皆には悪い事したな。今更だけど…」
動かなくなった鋼人を見て、
「裏切ってごめんな。もし、また兄弟で生まれたら、今度は裏切らないよ」
そして、時間が来る。
「もっと…」
一筋の涙を流して、
「生きたかっ…」
少年の内部からの光は彼を消滅させた。
☆ ★ ☆
「…なんで?」
少年は再び意識を取り戻して、驚いている。
体は動かないが、確実に意識はある。
「死後の世界は…本当にあったのか?」
「そうですよ~、死後の世界はあるんです~」
「!?」
少年は意識を最大限に警戒させる。
すると、少年を覗き込むように一人の女がいた。
この世の者とは思えないほどの美女で透き通った服からは全てが丸見えだ。
「ふふっ、神が考え付かないようなおぞましい化け物ちゃん。ようこそ~、『世界の挟間』に!今日からあなたは『勇者』ちゃんよ~、ブイ!」
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