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翼から電話がかかってきた。

やれやれ、出てやるか。

「祐也, ずるいよ~俺も行きたかった!!!!」

「はいはい。で、何の用?」

「これだけ言いに来ただけ。」 

「おい。」 

俺は可憐に突っ込んでやる。

まぁ、いっか。

翼はやっぱり面白いやつだと思う。

そんでいいやつだと思う。

いいやつ、だよな、、?

いや、いいやつだよ。

俺はあんまり人と関わるのが上手じゃないけど、翼はなんか話しやすいんだよ。

まぁ、一番関わりやすいのは、うちのペット達だけどな。

うちのペット達は俺への気持ちがとてもわかりやすい。

翼は、どういった気持ちから俺のことがこんなに気になっているんだ?

なんで、誰にでも好かれやすいにも関わらず、こんな俺に関わっていてくれるんだ?

そりゃ、嬉しいよ。


嬉しいけど、俺は不安だよ。

「なぁ、翼、お前、イイヤツだよな。」

「うそ!祐也がデレた!!」

「うるせぇ。俺は嘘は言わねぇよ。」

「知ってるよ祐也。」 

俺は、翼と距離を置く必要があるのかな?

翼の恋愛感情は本物だと思うから。

でも、翼は今までどれだけ二人きりになっても襲ったことも、変なことをしたわけでもない。

だから、俺は思うんだ。

翼は本当にいいやつだって。

俺が女だったら付き合ってたかな?

いいや、男じゃなかったら俺じゃない。

翼は、男の俺が好きなんだよな。

だからこそ、俺じゃ駄目だ。

許嫁もいるんだろ、ちゃんと幸せになれよって言ってやりたいんだ。

でも、それはまだ先の話になるだろうな。
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