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捕まった。この状況では逃げるどころではない。
「下ろせっよ、」
やしろくらいの高さな飛び降りた所でどうってことないだろうから暴れる。
「元気だね。まだそんなに体力があったんだ。」
やしろが目を細めてこちらを覗く。
「こんなに動き回れるのなら大丈夫そうだね。今晩リベンジしようか」
悪寒に襲われる。
さっき抱き上げられた時とは別の意味で身の危険を感じたため、暴れるのをやめる。
「い、いたたたたた、あーまだ身体中いったいなー」
ついでに痛がる演技もする。
そんな様子を見て八代は幸せそうに微笑む
「それで?今日はどんな用事できたの?安斎」
やしろが背の高い男の方を向く。
この背の高い人、安斎さんっていうのか
やしろとは違い落ち着いていて大人の雰囲気が出てる。
「近くまで通りかかったから、生存確認もかねてね」
安斎さんはそう言うと紙袋を手渡してきた。
「餡鈴堂の和菓子、君好きだったろう?一緒に食べようじゃないか」
やしろはおれを下ろして紙袋を受け取る
「僕、お茶淹れてくるからあさとと安斎は居間に行ってて」
そう言うとやしろは台所の方に歩いて行った。
安斎が靴を脱ぎ、廊下を進んでいく。おれはその後ろにピタっとくっついて歩いた。
「君も大変だね。それで?帰れないってどう言うことだい。」
どうやら事情を聞いてくれるようだ、やしろがいない今がチャンス
「おれ、夏休みはばあちゃんの家に泊まりに来てて、その日も神社で遊んでたんだ、…」
おれは今まであったことを全部、恥ずかしいことも含めて全部話した。
聞いている間、安斎さんは頷いたりしてくれて、「大変だったね」って慰めてくれた。この人は絶対いい人だ。
「うーん、本来なら森を適当に走り回っていれば簡単に出られるはずだが…」
と言うことは一直線に走っていたのがいけなかったのだろうか?
「あー。君、八代にコイン返してもらってないだろう、」
確かに!おれの妖狐郎、まだ帰ってきてない…
でも、それとこれ、妖狐郎を返してもらったところで森を抜けることができるのだろうか?そのことについて質問しようとした矢先、
後ろの襖が開き、やしろが立っていた
「楽しそうに、二人でなんの話をしていたの?」
やしろがおれを見つめる、会話を聞かれていたか…?
「普通の世間話をしていたところだよ。例えば、餡鈴堂の婆さんが亡くなった、とかね」
おれの代わりに安斎さんが庇ってくれる。
「へー、えみこちゃん死んじゃったんだ。」
あんまり興味がなさそうに答える
「悲しくないのかい?この和菓子も最後の奴だ。」
そう言いながら安斎さんは和菓子を一口で平らげてしまう。
「人間の寿命なんてそんなものだからね、別になんとも思わないかな。」
表情を変えずにやしろも和菓子に手をつける。
「あさとは別だけどね」
ニコッと微笑まれてなんとも言えない気持ちになる。
安斎さんもやしろも姿は人間と似ているのに中身が全く違う生き物な気がする。何かが足りていないような、何かはわからないけど。
「下ろせっよ、」
やしろくらいの高さな飛び降りた所でどうってことないだろうから暴れる。
「元気だね。まだそんなに体力があったんだ。」
やしろが目を細めてこちらを覗く。
「こんなに動き回れるのなら大丈夫そうだね。今晩リベンジしようか」
悪寒に襲われる。
さっき抱き上げられた時とは別の意味で身の危険を感じたため、暴れるのをやめる。
「い、いたたたたた、あーまだ身体中いったいなー」
ついでに痛がる演技もする。
そんな様子を見て八代は幸せそうに微笑む
「それで?今日はどんな用事できたの?安斎」
やしろが背の高い男の方を向く。
この背の高い人、安斎さんっていうのか
やしろとは違い落ち着いていて大人の雰囲気が出てる。
「近くまで通りかかったから、生存確認もかねてね」
安斎さんはそう言うと紙袋を手渡してきた。
「餡鈴堂の和菓子、君好きだったろう?一緒に食べようじゃないか」
やしろはおれを下ろして紙袋を受け取る
「僕、お茶淹れてくるからあさとと安斎は居間に行ってて」
そう言うとやしろは台所の方に歩いて行った。
安斎が靴を脱ぎ、廊下を進んでいく。おれはその後ろにピタっとくっついて歩いた。
「君も大変だね。それで?帰れないってどう言うことだい。」
どうやら事情を聞いてくれるようだ、やしろがいない今がチャンス
「おれ、夏休みはばあちゃんの家に泊まりに来てて、その日も神社で遊んでたんだ、…」
おれは今まであったことを全部、恥ずかしいことも含めて全部話した。
聞いている間、安斎さんは頷いたりしてくれて、「大変だったね」って慰めてくれた。この人は絶対いい人だ。
「うーん、本来なら森を適当に走り回っていれば簡単に出られるはずだが…」
と言うことは一直線に走っていたのがいけなかったのだろうか?
「あー。君、八代にコイン返してもらってないだろう、」
確かに!おれの妖狐郎、まだ帰ってきてない…
でも、それとこれ、妖狐郎を返してもらったところで森を抜けることができるのだろうか?そのことについて質問しようとした矢先、
後ろの襖が開き、やしろが立っていた
「楽しそうに、二人でなんの話をしていたの?」
やしろがおれを見つめる、会話を聞かれていたか…?
「普通の世間話をしていたところだよ。例えば、餡鈴堂の婆さんが亡くなった、とかね」
おれの代わりに安斎さんが庇ってくれる。
「へー、えみこちゃん死んじゃったんだ。」
あんまり興味がなさそうに答える
「悲しくないのかい?この和菓子も最後の奴だ。」
そう言いながら安斎さんは和菓子を一口で平らげてしまう。
「人間の寿命なんてそんなものだからね、別になんとも思わないかな。」
表情を変えずにやしろも和菓子に手をつける。
「あさとは別だけどね」
ニコッと微笑まれてなんとも言えない気持ちになる。
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