迷子

15

安斎さんろやしろは暫く世間話をしていた。
知っている人が出てくれば、全く来たことのない単語を話したりしていた。そんな会話をおれは、おれだけ多く盛られた和菓子を食べながら聞いたり、聞かなかったりしながら時間を潰す。

「じゃあ、また数週間後に様子を見にくるよ」

そう言って安斎さんは帰って行った。
やしろさえ来なければ、帰るヒントをもっと得られたかもしれない。でも、多分妖狐郎がキーアイテムなことはわかっただけ良しとする。

玄関でやしろと共に安斎さんを見届けて、おれは自分の部屋に戻ろうとした






「ねぇ、まだ帰ること諦めてなかったの？」






後ろからやしろに呼び止められる。
やっぱり、あの時聞かれていたか…
声色でわかる。今は人形みたいな怖い顔をしている。



「残念だけど、大切なコインはそう簡単には見つからないよ」



今のでわかった。

妖狐郎は確実に帰るための鍵だ。





「コインを見つける前にさっさと契約しちゃおうね」

やしろの声がゆっくり近付いてくる。




戻ってきて、安斎さん！







今は祈ってる場合じゃない、逃げなければ

やしろが玄関の方にいるため、反対に家の中に逃げる。

どうしよう、どこに隠れたらいいのだろうか…




{以下、分岐となります}

１,「虎の絵が描かれた襖の部屋」(メリーバッドエンド)

２,「台所」(トゥルーエンド)

３,「入室禁止の部屋」(ハッピーエンド)

４,「入室禁止の部屋」(バッドエンド)

＊( )内はあくまで自分にとっての解釈です。かなり地雷地帯です。足元にご注意を。
＊順番に公開します。ちょっとだけ、時間かかるかもです！