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3.回想(悠人編)
1.ヒーローへの第一歩(悠人視点)
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家に着いてからも、僕はずっと永久くんのことを考えていた。
(きっと愛想が尽きたとしても、困っている僕を放っておけないんだろうな。永久くんはヒーローだから。)
今でも変わらずヒーローである彼をかっこいいと思うと同時に、幼稚園の頃から変われずにいる自分が嫌になった。
僕は机の引き出しに大切にしまってある、泥だらけの栞を取り出した。
悠人「でも、いつか僕も君みたいなヒーローになる。そしたらきっと…見直してくれるよね。」
そう呟いて、決意を新たにした。
卒園式の日。
永久「この栞が俺の代わりに悠人を守ってくれる。それに、呼んでくれれば俺がいつでも助けに行くから。約束だ!」
彼はそう言ってこの栞を渡してくれた。それでも不安は拭えなかったが、彼の優しさが嬉しくて、自然と顔が綻んだことを覚えている。
そして、僕たちは小学校に入学した。僕の不安は的中し、僕にはしばらくの間、友達がいなかった。僕と仲良くなろうと声をかけてきてくれた子もいたけれど、永久くんが傍にいてくれないことが不安で、うまく話すことができなかった。
クラスに馴染めなかった僕は、違うクラスにいる永久くんによく会いに行っていた。しかし、彼が他の友達とも談笑しているのを見て、こう思うようになった。
(ヒーローの永久くんは皆の人気者なんだ。弱虫の僕じゃ、いつか相手にしてもらえなくなるかもしれない。…だから僕も、強くならないと。)
この時から僕は彼に泣きつくことをやめ、彼のようなヒーローになることを決意した。
けれど、弱虫な僕がいきなりヒーローを目指すのは難しかった。強くなるためのきっかけが欲しかった僕は、彼のくれた栞から勇気をもらうようになった。
(永久くん、僕に勇気を貸して!!)
栞を強く握りしめて、僕は遊んでいるクラスメイトたちに声をかけた。
悠人「僕もいれて!」
皆、初めて大きな声を出した僕に驚いていた。それでもすぐに「いいよ!」と応えてくれた。
永久くんに勇気を借りたとはいえ、僕はヒーローになるための一歩を自力で踏み出せたことが嬉しかった。
(よく頑張ったな、悠人。)
そんな彼の声が聞こえた気がした。
(きっと愛想が尽きたとしても、困っている僕を放っておけないんだろうな。永久くんはヒーローだから。)
今でも変わらずヒーローである彼をかっこいいと思うと同時に、幼稚園の頃から変われずにいる自分が嫌になった。
僕は机の引き出しに大切にしまってある、泥だらけの栞を取り出した。
悠人「でも、いつか僕も君みたいなヒーローになる。そしたらきっと…見直してくれるよね。」
そう呟いて、決意を新たにした。
卒園式の日。
永久「この栞が俺の代わりに悠人を守ってくれる。それに、呼んでくれれば俺がいつでも助けに行くから。約束だ!」
彼はそう言ってこの栞を渡してくれた。それでも不安は拭えなかったが、彼の優しさが嬉しくて、自然と顔が綻んだことを覚えている。
そして、僕たちは小学校に入学した。僕の不安は的中し、僕にはしばらくの間、友達がいなかった。僕と仲良くなろうと声をかけてきてくれた子もいたけれど、永久くんが傍にいてくれないことが不安で、うまく話すことができなかった。
クラスに馴染めなかった僕は、違うクラスにいる永久くんによく会いに行っていた。しかし、彼が他の友達とも談笑しているのを見て、こう思うようになった。
(ヒーローの永久くんは皆の人気者なんだ。弱虫の僕じゃ、いつか相手にしてもらえなくなるかもしれない。…だから僕も、強くならないと。)
この時から僕は彼に泣きつくことをやめ、彼のようなヒーローになることを決意した。
けれど、弱虫な僕がいきなりヒーローを目指すのは難しかった。強くなるためのきっかけが欲しかった僕は、彼のくれた栞から勇気をもらうようになった。
(永久くん、僕に勇気を貸して!!)
栞を強く握りしめて、僕は遊んでいるクラスメイトたちに声をかけた。
悠人「僕もいれて!」
皆、初めて大きな声を出した僕に驚いていた。それでもすぐに「いいよ!」と応えてくれた。
永久くんに勇気を借りたとはいえ、僕はヒーローになるための一歩を自力で踏み出せたことが嬉しかった。
(よく頑張ったな、悠人。)
そんな彼の声が聞こえた気がした。
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