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2.回想(永久編)
3.ヒーローの消失(永久視点)
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数日後、俺と俺の両親、悠人の両親は学校に呼び出されていた。理由はもちろん、俺が悠人をいじめていた奴らと殴りあいのケンカをしたからだ。
あの後、俺はすぐに行動に移った。
悠人のクラスメイトに聞いたら、すぐに悠人をいじめていた奴らが翔、大地、恭也の三人だと分かった。
永久「悠人をあんな目にあわせたのは、お前らだな?」
翔「…ああ、そうだけど。」
その言葉を聞いて、俺は奴らに殴りかかった。策は特になかった。先生たちがすぐに止めに入ってくれたからよかったものの、長引いていれば軽傷では済まなかっただろう。
奴らとケンカした理由について聞かれた時、俺はこう答えた。
永久「悠人の仇を打っただけだ。でも、これは俺が勝手にやったこと。悠人は関係ない。」
同じように理由を聞かれた奴らは、「ごめんなさい。」以外は何も言わなかった。
当然、奴らの親は訴えてやるだの損害賠償を請求するだの言っていた。しかし、悠人の両親が悠人が受けたいじめを不問にするかわりに、俺のことは許してほしいと頼んでくれて事態は収まった。
永久父「お前、自分のやったことが分かっているのか?悠人君のご両親にも迷惑をかけて。」
永久母「…まあ、やるとは思っていたけれど。」
俺は両親にこってり絞られた。もちろん反省はしていたし、悠人の両親に迷惑をかけたことも悪いと思っていたが、後悔はまったくしていなかった。
悠人父「まあまあ。たしかに永久君のやったことは正しくないかもしれませんが、永久君は悠人の為に行動を起こしてくれた。悠人がいい友達に恵まれたことを知れて、よかったです。」
悠人母「…私はだめな大人ね。永久君が悠人をいじめていた子達を殴ったと聞いたとき、スカッとした気分になってしまったの。私は永久君に感謝してるわ。ありがとう。」
俺は自分の行いを悪だと思っていた。悠人を守るためではなく、復讐のために人を傷つけたのだから。けれど、悠人の両親の言葉を聞いて、自分の中の正義が揺らいだ気がした。
あの日から、俺は正義が何か分からなくなった。守るべき正義が分からない俺は、もうヒーローではなかった。
(やっぱりこんな俺では、もう悠人の傍にいられない。)
ただ、悠人を守ることだけは、今でも変わらない正義だった。
(心配するな、悠人。お前のことは俺が守るから。)
下校時刻を知らせる放送が流れた。俺はどれだけの間、物思いに耽っていたのだろう。
(…悠人のことになると、時間を気にする余裕もなくなる。俺は今でもどうしようもないくらい、悠人のことが好きなんだ。)
今でも悠人への気持ちを捨てられない自分に、ため息をついた。
永久「…帰るか。」
今日も悠人を守れた。大丈夫、これでいいんだ。
そう自分に言い聞かせ、俺も校舎をあとにした。
あの後、俺はすぐに行動に移った。
悠人のクラスメイトに聞いたら、すぐに悠人をいじめていた奴らが翔、大地、恭也の三人だと分かった。
永久「悠人をあんな目にあわせたのは、お前らだな?」
翔「…ああ、そうだけど。」
その言葉を聞いて、俺は奴らに殴りかかった。策は特になかった。先生たちがすぐに止めに入ってくれたからよかったものの、長引いていれば軽傷では済まなかっただろう。
奴らとケンカした理由について聞かれた時、俺はこう答えた。
永久「悠人の仇を打っただけだ。でも、これは俺が勝手にやったこと。悠人は関係ない。」
同じように理由を聞かれた奴らは、「ごめんなさい。」以外は何も言わなかった。
当然、奴らの親は訴えてやるだの損害賠償を請求するだの言っていた。しかし、悠人の両親が悠人が受けたいじめを不問にするかわりに、俺のことは許してほしいと頼んでくれて事態は収まった。
永久父「お前、自分のやったことが分かっているのか?悠人君のご両親にも迷惑をかけて。」
永久母「…まあ、やるとは思っていたけれど。」
俺は両親にこってり絞られた。もちろん反省はしていたし、悠人の両親に迷惑をかけたことも悪いと思っていたが、後悔はまったくしていなかった。
悠人父「まあまあ。たしかに永久君のやったことは正しくないかもしれませんが、永久君は悠人の為に行動を起こしてくれた。悠人がいい友達に恵まれたことを知れて、よかったです。」
悠人母「…私はだめな大人ね。永久君が悠人をいじめていた子達を殴ったと聞いたとき、スカッとした気分になってしまったの。私は永久君に感謝してるわ。ありがとう。」
俺は自分の行いを悪だと思っていた。悠人を守るためではなく、復讐のために人を傷つけたのだから。けれど、悠人の両親の言葉を聞いて、自分の中の正義が揺らいだ気がした。
あの日から、俺は正義が何か分からなくなった。守るべき正義が分からない俺は、もうヒーローではなかった。
(やっぱりこんな俺では、もう悠人の傍にいられない。)
ただ、悠人を守ることだけは、今でも変わらない正義だった。
(心配するな、悠人。お前のことは俺が守るから。)
下校時刻を知らせる放送が流れた。俺はどれだけの間、物思いに耽っていたのだろう。
(…悠人のことになると、時間を気にする余裕もなくなる。俺は今でもどうしようもないくらい、悠人のことが好きなんだ。)
今でも悠人への気持ちを捨てられない自分に、ため息をついた。
永久「…帰るか。」
今日も悠人を守れた。大丈夫、これでいいんだ。
そう自分に言い聞かせ、俺も校舎をあとにした。
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