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平凡な大学生が異世界に召喚されてしまう話
「──召喚、成功いたしました!」
そんな声と共に眩しい光が消えたとき、俺は見知らぬ大広間の真ん中に立っていた。
まるで城のような内装に口をぽかんと開けてしまう。
天井まで届く黒い柱、浮かぶ魔法陣のようなもの、そして……目の前には玉座に座る強面の男。まさか、魔王様ってやつ?
「君が我が伴侶というわけか」
見かけに見合った低い声に緊張感が走る。
黄金の瞳が俺をじっと見つめてる。かっこいい……じゃなくて、いや、待て。伴侶?今、伴侶って言った?
「えっと……俺、男なんすけど……」
はは、と乾いた笑いを溢すと、臣下たちはざわめき、魔王らしき男は小さく息をついた。
「問題はない。性別など些細なことだ。それに一目見て思ったのだ、私は君を抱ける」
「は!?だ、だけるぅ!?」
思わず声が裏返る。情けのない自分の声が木霊したかと思うと、魔王はフッと笑って言った。
「私は魔王、ベルザーク・アルセシオン。愛しき人、名前は?」
「ゆ、雪哉だけど……」
「ユキヤ、なんと愛しい響きだろう。私のことはベルと呼んでくれ」
「め、滅相もない……魔王様を呼び捨てでなんて呼べませんよ……」
「ほう。謙虚な人間だ……ますます気に入ったぞ。なに、大丈夫、愛称で呼ばれたからといって別に取って食ったりしないさ。だから私のことはベルと呼ぶんだ」
「っ……」
有無を言わせない鋭い目に喉がひくつく。
俺に拒否権ねーじゃねえか!と内心悪態を吐きながら、恐る恐る口を開いた。
「じゃあ……ベ、ベル」
「うむ、それでいい」
満足げな顔してんじゃねーよ!……とは言えず、俺は夢なら覚めてくれと地面に膝をついた。
【平凡な大学生が異世界に召喚されてしまう話】
「ユキヤ様」
不意に背後から声がした。
振り返ると、銀髪の男が一礼していた。燕尾服を着ているからここの執事か?それにしても美形揃いだ。空色のような淡い瞳。潔いオールバック。全身からできる男のオーラが出ている。この人もたぶん人間じゃない……。
「私は魔王様の執事、ゼルファスと申します。以後、お見知りおきを」
「あ、どうも……。雪哉です……」
「魔王様より命を受けました。ユキヤ様のお部屋へご案内いたします。どうぞこちらへ」
「あ、はい……」
促されるまま、豪奢な廊下を歩く。
というかどうして俺が異世界に召喚されて、魔王に抱けるとか言われてんの……?意味がわからない。夢でもなさそうだし、初めて出会った男の俺が伴侶って……魔王はそれでいいのか?
混乱と現実逃避の狭間で、ユキヤはただゼルファスの背中を追うしかなかった。
「こちらがユキヤ様のお部屋です。必要なものはすべて揃えております。なにかございましたら、私か侍従にお申し付けを」
ゼルファスが扉を開けると、そこはまるで高級ホテルのスイートルーム。
ふかふかのベッド、広い浴室、窓の外は真っ赤で不気味だ。
「うわ……すご……」
「陛下からのご厚意です。伴侶となるお方に不便はさせるなとのことでしたので」
「いやいや!あの、その件なんですが……伴侶とかそういうの、俺はちょっと難しいっていうか無理っていうか……」
ちゃんと断ろうと思いそう言うとゼルファスの眼が光る。
「一応話しておきますが、魔王様の言うことは絶対です。ユキヤ様に拒否権などございませんのでそのつもりで。では私はこれで」
「え、あ、ちょっ、待って!」
ゼルファスはニッコリ笑うと俺の言葉も聞かずに出ていってしまう。
広すぎる部屋にぽつんと一人残された俺は、急に足から力が抜けて絨毯の上に膝をついた。
「何なんだよまじで……夢なら、早く覚めてくれ……」
*
ふかふかすぎるベッドに寝転んで一時間。
目を閉じても、頭の中で「伴侶」「抱ける」「拒否権はない」のワードがぐるぐるして眠れるわけがない。
俺はこのまま魔王と結婚するんだろうか。
「無理だ……眠れるかこんなん……」
天井を見上げてため息をつく。
部屋の明かりを落としても、外の赤い空がぼんやりと差し込んでいて、異世界感がすごすぎる。
それに、なんだろう……遠くで獣の鳴き声とか、聞こえてる気がするんだけど。
「ここ、ほんとに安全なんだよな……?」
不安がじわじわと胸に広がっていく。
現実逃避のために枕を抱きしめたその時、──コン、コン、と控えめなノックの音。
「ひっ!? な、なんだよ……」
「ユキヤ、起きているか?」
聞き慣れない低音。聞き覚えはある。
この声──魔王ベルだ。
扉が開いてベルが入ってくる。
「眠れぬようだったのでな、様子を見に来た」
「……」
ゆっくりと部屋に入ってくるベルに、不安感を抱く。
眠れないようだったから、というからにはどこかで俺のことを見ているのだろうか……。
部屋のランプの灯りが、彼の金の瞳を照らす。
……近くで見ると、やばいくらい整ってる。肩幅広いし、髪の艶すごいし、なんか良い香りもする。
「眠れぬ夜には、隣に誰かがいた方が落ち着くものだろう?」
「そ、そんな……俺は、別に……」
ベルは微笑みながら、ベッドの端に腰を下ろした。
「私が怖いか?」
「っ!」
「大丈夫、イエスと答えても怒らない」
「……はい」
「そうか。……ならば恐怖が無くなるようもっと仲良くならねばならんな」
「え?」
とん、肩を押されシーツの上に仰向けに倒れる。魔王に見下されると妙に恥ずかしくて、顔が熱くなって、思わず枕で顔を隠した。
「可愛らしい反応だ」
ベルの笑い声が低く響く。
やめてくれ、声まで色っぽいの反則だ。
怪しい雰囲気に気持ちは落ち着かず、それでも胸がドキドキと高鳴った。気付けば枕を取られ、至近距離にベルの顔がある。あれ?おかしい、こんなのまるで……まるで……。
「キスは初めてか?」
「ッ……は、はい……」
「そうか、では優しくしよう」
言うや否や唇を唇で塞がれる。驚く間もなく、心地よさが勝って、俺は魔王ベルとの口付けにうっとりした。
「ん……っ、んぅ」
何故か涙が溢れる。恥ずかしい。でも気持ちいい。いつの間にか舌同士を絡める濃厚なキスに変わり、頭がぽーっとしてくる。
「ん、んぇ……っ」
舌をねっとりと絡め取られて嬲られる。ディープキスってこんな気持ちいいんだ、知らなかった、もっとしていたい、もっとベルとえっちなことしたい。
「しまった、少し効きすぎたか」
ベルが何か言ってる。ききすぎ?なにが?
離れていくベルの体に抱き着く。
「もっと……して……」
呼吸が荒い。なんで俺こんなこと言ったんだろう、ベルも男で、俺も男なのに。
ベルの手が頬に撫でる。それだけで気持ちがいい。ちんこが痛い。
「軽い催淫魔法をかけたんだが人間の君には少し強すぎたようだ」
「ぅ……あ……っ」
張り詰めた股間にベルの手が触れる。その手に擦り付けるように腰を揺らしてしまう。
「あっ、あっ……♡ごめ、なさ……魔王様に、ちんこ、擦り付けて……ッ♡」
「ユキヤ」
ベルの手がズボンと下着を下ろす。
「っう、ぁっ♡」
飛び出してきたフル勃起した股間。それをベルの大きな手が扱いている。
「魔王様ではなく私の名を呼べと言ったろう?」
「ぁ♡は、ひい♡」
「ユキヤ」
「あ♡あ……♡ベル♡ベルっ♡」
先走り液を竿に絡められてくちゅくちゅ厭らしい音が鳴っている。
「あッ♡イく、イく♡」
ちんこからピュッと精液が出てもなおベルの手は止まらない。
「ぁ"♡あ~~ッ♡」
「まだ出せるだろう?」
「お♡ぉっ♡だへます♡い、ぐ♡いぐ♡」
どぴゅっ♡♡
二度目の射精はさっきよりも量が多く、シーツとベルの手を汚した。
「はぁ、はぁ……すみません……俺、こんな……」
「気にしなくていい。寧ろ嬉しいくらいだ」
ベルはそう言うと俺の出した精液を舐めた。
「え?!いま!舐め?!」
「ふむ、やはり体の相性も良さそうだ」
ベルのその言葉に危機感を感じで後退る。するとベルはくすりと笑った。
「安心しろ、今日は最後までしないさ。さあもう寝るんだ。突然この世界に来て疲れたろう?おやすみ、ユキヤ」
そう言われると何故か体からスッと力が抜けて眠気が襲ってきた。これも魔法なのかな、ぼんやりと考えたところで意識は無くなった。
そんな声と共に眩しい光が消えたとき、俺は見知らぬ大広間の真ん中に立っていた。
まるで城のような内装に口をぽかんと開けてしまう。
天井まで届く黒い柱、浮かぶ魔法陣のようなもの、そして……目の前には玉座に座る強面の男。まさか、魔王様ってやつ?
「君が我が伴侶というわけか」
見かけに見合った低い声に緊張感が走る。
黄金の瞳が俺をじっと見つめてる。かっこいい……じゃなくて、いや、待て。伴侶?今、伴侶って言った?
「えっと……俺、男なんすけど……」
はは、と乾いた笑いを溢すと、臣下たちはざわめき、魔王らしき男は小さく息をついた。
「問題はない。性別など些細なことだ。それに一目見て思ったのだ、私は君を抱ける」
「は!?だ、だけるぅ!?」
思わず声が裏返る。情けのない自分の声が木霊したかと思うと、魔王はフッと笑って言った。
「私は魔王、ベルザーク・アルセシオン。愛しき人、名前は?」
「ゆ、雪哉だけど……」
「ユキヤ、なんと愛しい響きだろう。私のことはベルと呼んでくれ」
「め、滅相もない……魔王様を呼び捨てでなんて呼べませんよ……」
「ほう。謙虚な人間だ……ますます気に入ったぞ。なに、大丈夫、愛称で呼ばれたからといって別に取って食ったりしないさ。だから私のことはベルと呼ぶんだ」
「っ……」
有無を言わせない鋭い目に喉がひくつく。
俺に拒否権ねーじゃねえか!と内心悪態を吐きながら、恐る恐る口を開いた。
「じゃあ……ベ、ベル」
「うむ、それでいい」
満足げな顔してんじゃねーよ!……とは言えず、俺は夢なら覚めてくれと地面に膝をついた。
【平凡な大学生が異世界に召喚されてしまう話】
「ユキヤ様」
不意に背後から声がした。
振り返ると、銀髪の男が一礼していた。燕尾服を着ているからここの執事か?それにしても美形揃いだ。空色のような淡い瞳。潔いオールバック。全身からできる男のオーラが出ている。この人もたぶん人間じゃない……。
「私は魔王様の執事、ゼルファスと申します。以後、お見知りおきを」
「あ、どうも……。雪哉です……」
「魔王様より命を受けました。ユキヤ様のお部屋へご案内いたします。どうぞこちらへ」
「あ、はい……」
促されるまま、豪奢な廊下を歩く。
というかどうして俺が異世界に召喚されて、魔王に抱けるとか言われてんの……?意味がわからない。夢でもなさそうだし、初めて出会った男の俺が伴侶って……魔王はそれでいいのか?
混乱と現実逃避の狭間で、ユキヤはただゼルファスの背中を追うしかなかった。
「こちらがユキヤ様のお部屋です。必要なものはすべて揃えております。なにかございましたら、私か侍従にお申し付けを」
ゼルファスが扉を開けると、そこはまるで高級ホテルのスイートルーム。
ふかふかのベッド、広い浴室、窓の外は真っ赤で不気味だ。
「うわ……すご……」
「陛下からのご厚意です。伴侶となるお方に不便はさせるなとのことでしたので」
「いやいや!あの、その件なんですが……伴侶とかそういうの、俺はちょっと難しいっていうか無理っていうか……」
ちゃんと断ろうと思いそう言うとゼルファスの眼が光る。
「一応話しておきますが、魔王様の言うことは絶対です。ユキヤ様に拒否権などございませんのでそのつもりで。では私はこれで」
「え、あ、ちょっ、待って!」
ゼルファスはニッコリ笑うと俺の言葉も聞かずに出ていってしまう。
広すぎる部屋にぽつんと一人残された俺は、急に足から力が抜けて絨毯の上に膝をついた。
「何なんだよまじで……夢なら、早く覚めてくれ……」
*
ふかふかすぎるベッドに寝転んで一時間。
目を閉じても、頭の中で「伴侶」「抱ける」「拒否権はない」のワードがぐるぐるして眠れるわけがない。
俺はこのまま魔王と結婚するんだろうか。
「無理だ……眠れるかこんなん……」
天井を見上げてため息をつく。
部屋の明かりを落としても、外の赤い空がぼんやりと差し込んでいて、異世界感がすごすぎる。
それに、なんだろう……遠くで獣の鳴き声とか、聞こえてる気がするんだけど。
「ここ、ほんとに安全なんだよな……?」
不安がじわじわと胸に広がっていく。
現実逃避のために枕を抱きしめたその時、──コン、コン、と控えめなノックの音。
「ひっ!? な、なんだよ……」
「ユキヤ、起きているか?」
聞き慣れない低音。聞き覚えはある。
この声──魔王ベルだ。
扉が開いてベルが入ってくる。
「眠れぬようだったのでな、様子を見に来た」
「……」
ゆっくりと部屋に入ってくるベルに、不安感を抱く。
眠れないようだったから、というからにはどこかで俺のことを見ているのだろうか……。
部屋のランプの灯りが、彼の金の瞳を照らす。
……近くで見ると、やばいくらい整ってる。肩幅広いし、髪の艶すごいし、なんか良い香りもする。
「眠れぬ夜には、隣に誰かがいた方が落ち着くものだろう?」
「そ、そんな……俺は、別に……」
ベルは微笑みながら、ベッドの端に腰を下ろした。
「私が怖いか?」
「っ!」
「大丈夫、イエスと答えても怒らない」
「……はい」
「そうか。……ならば恐怖が無くなるようもっと仲良くならねばならんな」
「え?」
とん、肩を押されシーツの上に仰向けに倒れる。魔王に見下されると妙に恥ずかしくて、顔が熱くなって、思わず枕で顔を隠した。
「可愛らしい反応だ」
ベルの笑い声が低く響く。
やめてくれ、声まで色っぽいの反則だ。
怪しい雰囲気に気持ちは落ち着かず、それでも胸がドキドキと高鳴った。気付けば枕を取られ、至近距離にベルの顔がある。あれ?おかしい、こんなのまるで……まるで……。
「キスは初めてか?」
「ッ……は、はい……」
「そうか、では優しくしよう」
言うや否や唇を唇で塞がれる。驚く間もなく、心地よさが勝って、俺は魔王ベルとの口付けにうっとりした。
「ん……っ、んぅ」
何故か涙が溢れる。恥ずかしい。でも気持ちいい。いつの間にか舌同士を絡める濃厚なキスに変わり、頭がぽーっとしてくる。
「ん、んぇ……っ」
舌をねっとりと絡め取られて嬲られる。ディープキスってこんな気持ちいいんだ、知らなかった、もっとしていたい、もっとベルとえっちなことしたい。
「しまった、少し効きすぎたか」
ベルが何か言ってる。ききすぎ?なにが?
離れていくベルの体に抱き着く。
「もっと……して……」
呼吸が荒い。なんで俺こんなこと言ったんだろう、ベルも男で、俺も男なのに。
ベルの手が頬に撫でる。それだけで気持ちがいい。ちんこが痛い。
「軽い催淫魔法をかけたんだが人間の君には少し強すぎたようだ」
「ぅ……あ……っ」
張り詰めた股間にベルの手が触れる。その手に擦り付けるように腰を揺らしてしまう。
「あっ、あっ……♡ごめ、なさ……魔王様に、ちんこ、擦り付けて……ッ♡」
「ユキヤ」
ベルの手がズボンと下着を下ろす。
「っう、ぁっ♡」
飛び出してきたフル勃起した股間。それをベルの大きな手が扱いている。
「魔王様ではなく私の名を呼べと言ったろう?」
「ぁ♡は、ひい♡」
「ユキヤ」
「あ♡あ……♡ベル♡ベルっ♡」
先走り液を竿に絡められてくちゅくちゅ厭らしい音が鳴っている。
「あッ♡イく、イく♡」
ちんこからピュッと精液が出てもなおベルの手は止まらない。
「ぁ"♡あ~~ッ♡」
「まだ出せるだろう?」
「お♡ぉっ♡だへます♡い、ぐ♡いぐ♡」
どぴゅっ♡♡
二度目の射精はさっきよりも量が多く、シーツとベルの手を汚した。
「はぁ、はぁ……すみません……俺、こんな……」
「気にしなくていい。寧ろ嬉しいくらいだ」
ベルはそう言うと俺の出した精液を舐めた。
「え?!いま!舐め?!」
「ふむ、やはり体の相性も良さそうだ」
ベルのその言葉に危機感を感じで後退る。するとベルはくすりと笑った。
「安心しろ、今日は最後までしないさ。さあもう寝るんだ。突然この世界に来て疲れたろう?おやすみ、ユキヤ」
そう言われると何故か体からスッと力が抜けて眠気が襲ってきた。これも魔法なのかな、ぼんやりと考えたところで意識は無くなった。
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