天界アイドル～ギリシャ神話の美少年達が天界でアイドルになったら～

第四章 主神との出会い編

第8話-2 アポロンの告白

そんなアポロンから、課題を課された。


それは楽器を演奏できるようになってほしいとのことで、小さな弦楽器を渡された。
ガニュメデスはすでに楽器の演奏は心得ているので除外だった。


だがアドニスが不服そうに反論した。

「でも先生、俺たちは歌を歌うだけだから演奏はしないんですけどー。歌のレッスンだけでいいんじゃないんですか？」
「いや。簡単な楽器の演奏くらいは最低限必要なんだ」
「えーでも、歌と演奏って関係ないのに…」
「いいからやってくれないか」

アポロンは顔は笑っていたが反論を許さないという声でそう告げた。


（怖っ……）
アドニスは仕方なく従うことにした。


3人とも初心者なので簡単な演奏をマスターして弾けるよう自主練習することになった。


レッスン時間が終わった後。
帰り支度をしていたヒュアキントスは、アポロンの使いから、再度レッスン室に戻ってほしいという伝言を受けた。

(まさか…僕だけクビ宣告されるんじゃ…)
思わず不吉なことを考えてしまう。



レッスン室に入ると、アポロンが待っていた。

「アポロン様。お待たせしました。……あの、何でしょうか？」
「ははは、いいんだよ、そんなに緊張した顔をしなくても」

アポロンはにこやかに笑いながら、こう言ったのだった。


レッスン室には2人以外、誰もいなかった。


「君に伝えたいことがあったんだ」
「伝えたいこと、ですか？」
「そう…それも、2人きりの時にね。２人きりでないと話せない内容なんだ」
「？？」

アポロンは少し間を置くとこう切り出したのだったーー ーー


「君が好きだ」

「…………え？」

「私と付き合ってほしい」

「………………………………」


(え、え、えーーーー！？まさか、告白されてる？)

全く予想外のことに、ヒュアキントスは頭が混乱し、そして一気に心臓が高鳴り出した。



(う、嘘ーーーー！あの音楽の神アポロン様から、告白されるなんて…！！)


第9話に続く・・・