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第四章 主神との出会い編
第9話‐1 狡知の神ロキ
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第9話「狡知の神ロキ」
アポロンの顔は真剣そのもので、冗談や冷やかしなどではないことは一目瞭然だった。
彼の眼差しからは強い意志を感じた。
そんな瞳に見つめられたヒュアキントスは思わずドキリとしたのだったーー ー
突然の告白に動揺を隠しきれない様子のヒュアキントスに、彼は優しく語りかけた。
そして、その告白に対する返事を尋ねた。
「驚かせて済まなかったね。だが、この前のステージで君を見て、虜になってしまったんだ。君の返事を聞かせてくれないか?」
「え、えっと……。あの、驚きましたがとても嬉しいです。アポロン様みたいな素敵な方から告白していただけるなんて…本当に光栄ですし、有難いです」
「………」
「ですが、申し訳ありません・・・。お断りさせていただきます。僕は…僕たちは…恋愛禁止なんです」
「………………………………………え?」
アポロンは呆気に取られた顔をした。
「恋愛を禁止されているので…お付き合いはできません。申し訳ありません!」
「い、いや、待ってくれ!何なんだ、その恋愛禁止というのは?なぜ恋愛を禁止する必要があるんだ?」
「それは…僕達の事務所とそう契約を交わしてるんです。僕達は音楽をする身としてまだまだ未熟で半人前です。なので恋愛にかまける時間はないと。僕達にもごく少数ですが、応援してくださる方たちがいます。その方たちに報いるためには、今の僕達には恋愛はまだできないんです。どうか、ご理解ください」
「………………」
アポロンは落胆と困惑の表情を浮かべたが、事情を察してすぐに笑顔に戻った。
「そうか…。まあ、君が言いたいことも理解できなくはない。仕方ないな。それなら、せめて友達になってくれないだろうか」
「お友達……ですか」
「ああ、そうだ。君と仲良くなりたいんだ。ダメかな?」
「いえ、そんな!喜んで」
ヒュアキントスはにっこり笑い、快く応えた。
「ありがとう……!君にも事情があるだろうから今は引いておこう。だが、私の君への想いは収まりそうにないんだ。君の隣に相応しい男だと君のファンに認めてもらえるよう、私も頑張ろうと思う」
「あ、ありがとうございます……!」
(なんかすごい前向きな方だな)
ヒュアキントスはそう思った。
***
そんなやり取りがあった数日後のことだった。
休憩していた4人の元に突然の来客が訪れた。
そこにいたのは美しい男だった。
緑色の瞳を持ち、端正な顔立ちだが口元が少しだけ歪んでいる。若い青年だった。
身長は170㎝くらいだろうか。正装に身を包み、上品で紳士的な雰囲気を醸し出していた。
だがどこか妖しげで、魔性の妖艶な色気を纏っている。
男は4人に挨拶をした。
「やあ、初めまして。突然押しかけてしまって済まないね。君たちの評判を聞いてやってきたんだ。僕はアポロンとは友達でね」
男は流暢に話しかけてきた。
アポロンの顔は真剣そのもので、冗談や冷やかしなどではないことは一目瞭然だった。
彼の眼差しからは強い意志を感じた。
そんな瞳に見つめられたヒュアキントスは思わずドキリとしたのだったーー ー
突然の告白に動揺を隠しきれない様子のヒュアキントスに、彼は優しく語りかけた。
そして、その告白に対する返事を尋ねた。
「驚かせて済まなかったね。だが、この前のステージで君を見て、虜になってしまったんだ。君の返事を聞かせてくれないか?」
「え、えっと……。あの、驚きましたがとても嬉しいです。アポロン様みたいな素敵な方から告白していただけるなんて…本当に光栄ですし、有難いです」
「………」
「ですが、申し訳ありません・・・。お断りさせていただきます。僕は…僕たちは…恋愛禁止なんです」
「………………………………………え?」
アポロンは呆気に取られた顔をした。
「恋愛を禁止されているので…お付き合いはできません。申し訳ありません!」
「い、いや、待ってくれ!何なんだ、その恋愛禁止というのは?なぜ恋愛を禁止する必要があるんだ?」
「それは…僕達の事務所とそう契約を交わしてるんです。僕達は音楽をする身としてまだまだ未熟で半人前です。なので恋愛にかまける時間はないと。僕達にもごく少数ですが、応援してくださる方たちがいます。その方たちに報いるためには、今の僕達には恋愛はまだできないんです。どうか、ご理解ください」
「………………」
アポロンは落胆と困惑の表情を浮かべたが、事情を察してすぐに笑顔に戻った。
「そうか…。まあ、君が言いたいことも理解できなくはない。仕方ないな。それなら、せめて友達になってくれないだろうか」
「お友達……ですか」
「ああ、そうだ。君と仲良くなりたいんだ。ダメかな?」
「いえ、そんな!喜んで」
ヒュアキントスはにっこり笑い、快く応えた。
「ありがとう……!君にも事情があるだろうから今は引いておこう。だが、私の君への想いは収まりそうにないんだ。君の隣に相応しい男だと君のファンに認めてもらえるよう、私も頑張ろうと思う」
「あ、ありがとうございます……!」
(なんかすごい前向きな方だな)
ヒュアキントスはそう思った。
***
そんなやり取りがあった数日後のことだった。
休憩していた4人の元に突然の来客が訪れた。
そこにいたのは美しい男だった。
緑色の瞳を持ち、端正な顔立ちだが口元が少しだけ歪んでいる。若い青年だった。
身長は170㎝くらいだろうか。正装に身を包み、上品で紳士的な雰囲気を醸し出していた。
だがどこか妖しげで、魔性の妖艶な色気を纏っている。
男は4人に挨拶をした。
「やあ、初めまして。突然押しかけてしまって済まないね。君たちの評判を聞いてやってきたんだ。僕はアポロンとは友達でね」
男は流暢に話しかけてきた。
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