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第五章 スポンサー編
第15話‐3 初めてのキス
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ゼピュロスは先に来て待っていたようだった。
ゼピュロスは爽やかな好青年といった感じの男性だった。彼は笑顔で出迎えてくれた。
ゼピュロスは落ち着いたカフェへと案内してくれ、そこでお茶をすることになったのだがーーーー ゼピュロスはずっとニコニコしていて、とても感じの良い男性だった。そして何より話が上手かった。
ヒュアキントスはいつの間にか緊張が解け、すっかり打ち解けていたのだ。
「スポンサーも見つかったようだね、おめでとう」
彼は優しくそう言った。
「ありがとうございます!そういえば…気になってたことがあるんですが」
「ん?何だい?」
「なぜ僕のスポンサーになっていただけたんでしょうか?僕はまだデビューしたばかりだし、事務所も無名ですし」
するとゼピュロスは少し間を置いてこう言ったのだった・・・。
「君が美しいからだよ。他の子達より君が魅力的だと私は感じたんだ。それに、君はとても元気で朗らかだから、きっと良い宣材になると思ったんだ」
「そんな…嬉しいです!」
ヒュアキントスは少し顔を赤らめて、お礼を言った。
「今日は来てくれてありがとう。君さえ良ければ、君に楽しい体験をプレゼントしたいんだが、いいだろうか?」
「はい、もちろんです!」
***
「わ、わああーーーー!すごい、すごい!!」
ヒュアキントスは興奮して叫んでいた。目の前に広がる光景に目を奪われていたからだ。
なぜこんなに興奮しているかというと、彼は今空を飛んでいるからだった。
いや正確には・・・風になっていると言った方が正しいだろう・・・。なぜならここは空の上だからだ。そう・・・彼らは雲の上にいたのだった・・・!!
そう・・・これは空中遊泳だったのだ!!
地上では味わえない浮遊感・・・まるで鳥になったような気分だ・・・! 眼下には広大な景色が広がっている・・・!!遠くに見える山々・・・どこまでも続く空・・・!!ああ・・・なんて素晴らしいんだろう・・・!!
こんな経験ができるとは・・・!!
そう・・・これが彼の言っていた”楽しい体験“の正体なのだった。
(さすがは風の神様…こんなことまでできるなんて)
風の神達は風に関わっているが、空中飛行や空中遊泳の技術開発に携わってもいた。ヒュアキントスは初めての経験に感動していた。
「ふふふ、楽しんでもらえたようだね」
隣で一緒に浮かんでいるゼピュロスが言った。彼もまた楽しそうに微笑んでいる。
彼らは体が密着した状態だった。
楽しいが、空を飛ぶのは怖かった。ゼピュロスはそれを察してしっかり支えてくれていた。
ヒュアキントスの腰に回された腕はとても頼もしく感じられた。
無邪気に楽しんでいたその時ーーー
ゼピュロスは、ヒュアキントスの唇にそっとキスをしたーーーーー
彼らは空中を飛びながら、キスしていた。
それは、ヒュアキントスにとって生まれて初めてのキスだった。
第16話に続く・・・
ゼピュロスは爽やかな好青年といった感じの男性だった。彼は笑顔で出迎えてくれた。
ゼピュロスは落ち着いたカフェへと案内してくれ、そこでお茶をすることになったのだがーーーー ゼピュロスはずっとニコニコしていて、とても感じの良い男性だった。そして何より話が上手かった。
ヒュアキントスはいつの間にか緊張が解け、すっかり打ち解けていたのだ。
「スポンサーも見つかったようだね、おめでとう」
彼は優しくそう言った。
「ありがとうございます!そういえば…気になってたことがあるんですが」
「ん?何だい?」
「なぜ僕のスポンサーになっていただけたんでしょうか?僕はまだデビューしたばかりだし、事務所も無名ですし」
するとゼピュロスは少し間を置いてこう言ったのだった・・・。
「君が美しいからだよ。他の子達より君が魅力的だと私は感じたんだ。それに、君はとても元気で朗らかだから、きっと良い宣材になると思ったんだ」
「そんな…嬉しいです!」
ヒュアキントスは少し顔を赤らめて、お礼を言った。
「今日は来てくれてありがとう。君さえ良ければ、君に楽しい体験をプレゼントしたいんだが、いいだろうか?」
「はい、もちろんです!」
***
「わ、わああーーーー!すごい、すごい!!」
ヒュアキントスは興奮して叫んでいた。目の前に広がる光景に目を奪われていたからだ。
なぜこんなに興奮しているかというと、彼は今空を飛んでいるからだった。
いや正確には・・・風になっていると言った方が正しいだろう・・・。なぜならここは空の上だからだ。そう・・・彼らは雲の上にいたのだった・・・!!
そう・・・これは空中遊泳だったのだ!!
地上では味わえない浮遊感・・・まるで鳥になったような気分だ・・・! 眼下には広大な景色が広がっている・・・!!遠くに見える山々・・・どこまでも続く空・・・!!ああ・・・なんて素晴らしいんだろう・・・!!
こんな経験ができるとは・・・!!
そう・・・これが彼の言っていた”楽しい体験“の正体なのだった。
(さすがは風の神様…こんなことまでできるなんて)
風の神達は風に関わっているが、空中飛行や空中遊泳の技術開発に携わってもいた。ヒュアキントスは初めての経験に感動していた。
「ふふふ、楽しんでもらえたようだね」
隣で一緒に浮かんでいるゼピュロスが言った。彼もまた楽しそうに微笑んでいる。
彼らは体が密着した状態だった。
楽しいが、空を飛ぶのは怖かった。ゼピュロスはそれを察してしっかり支えてくれていた。
ヒュアキントスの腰に回された腕はとても頼もしく感じられた。
無邪気に楽しんでいたその時ーーー
ゼピュロスは、ヒュアキントスの唇にそっとキスをしたーーーーー
彼らは空中を飛びながら、キスしていた。
それは、ヒュアキントスにとって生まれて初めてのキスだった。
第16話に続く・・・
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